姉妹ということ(5)
嫌アアアア!!
恐ろしい!
恨めしい!
また後でという意識が!
蘭が落ち着きを取り戻し、涙が止まり始めて。
しかし、姉妹として、唯一の家族としての二人の話は終わっていなかった。
「蘭、あのね?自慢じゃないけど権限が選ぶのは私だと思ってる」
「……そうだね、鈴はすごいから」
「すごくはないよ?けど、私天主なろっかなって思ってて――」
「なんで!?なんで鈴がっ!!」
天主という単語を聞いて蘭は驚き鈴の話を遮って問い詰める。
真剣な表情の蘭に対し、鈴は誤魔化すようにへらりと薄く笑った。
「権力は持っとくべきでしょ?」
「断って!やだ、鈴までいなくなっちゃうのは、やだよ……っ!!」
蘭は幼子のように駄々をこねる。
父親が死んだという過去は、少なくとも理桜瑠には影響を与えていなかったが、蘭にとっては心を動かされる出来事であり、その影響はまだ残っていた。
「必要なことなんだよね、ごめん蘭」
「私がっ、やればいいじゃん!鈴がいっぱい背負う必要なんて、我慢する必要なんて――」
「蘭」
今度は蘭の言葉を鈴が遮った。
ぽろぽろと蘭の頬から涙が落ちる。
鈴は少し考えるように黙り、蘭の涙を拭った。
「蘭のところに権限が行く前に誰かが受けちゃうかもしれないよ?」
「けど、だけど……!!」
理解はしているけれど、それでも納得はできず、涙は溢れ続ける。
「大丈夫、蘭。私は、大丈夫だから」
▷
なんて、悲しい。
胸が締め付けられるように痛く苦しい。
「【上位者権限】」
なんて、虚しい。
目の前にお父さんが最期まで幸せを願っていた彼女がいるのに。
いるというのに。
「……【天使の集会】」
なんて、悔しい。
彼女が呪ったはずの【鈴】という像を、自ら選んでいるなど。
在ってはならないことなのに。
――なんで、鈴が?
「【通話】〈|全天使《エンジェル〉」
やめてよ。
私から、鈴を、妹を、奪わないで。
▷
義父である聖火は近い内に天主交代を望んでいる。
義母であり宿敵でもある百合、そしてその姉であり百合を操る灯火は行方不明。
そして純血の血を持つ子孫の一人雷花は身元不明の不審者により意識不明の重傷で、もう一人の子孫未来に天主となる意志はない。
すると次に権限が動くのは花、高菜、弘。
しかし彼女らは現在地上界の調査という神への奉仕を受けているため、不可能。
他にも純血に近い者は何名かいるが、権限に実力不足だと謳われ、最終的に権限が選んだのが、
――【鈴】だった。
誰もが断ると思っていた。
所詮は獣人との混合。
流石に身の程をわきまえているだろうと、そう考えていた。
彼らは天界を維持しているのは自分達天使であると、自分達の信仰の対価として神が奇跡を与えてくれていると信じて疑わなかったからである。
しかし、鈴は受ける。
驚愕、尊敬、様々な視線と思いを背負って。
ある者は綺麗だと、ある者は不気味だと言う薄く光る左目を持つ彼女は、その日天主となり、天界の王となった。
決めた!
不定期じゃついサボりに行くから、部活のない水、金、日に出すことにする!
言ってることとやってること合ってないけど!
あ、これ明日の分ね?
次回は水曜日です!
そろそろテスト期間だからそれまでに終わらせられるようにするね!!
……努力することを検討する段階だけど!




