──は闇(2)
さあ見よ!
この安定し始めた短さを!!
「あらお姉、様……なんで、お姉様は、怪我、を、して、いないの?」
息も絶え絶えに上から降りてきたのは、明るいピンクの髪が特徴の百合だ。
「僕には成宮クンがいたからね」
「ああ、人間なのに、も関わらず、魔力が、分かる、とい、う、あの……」
「百合にはあげないよ?」
「……ずるいわ、お姉様ったら」
百合は頬を膨らます。
するとそこでその部屋のドアが開いた。
「ねえちょっと灯火ー!何なのあの鈴蘭ー!!」
「「……」」
二人は急に入ってきた一人の男を前に沈黙する。
「ちょっとシカトー!?僕らが精霊じゃなかったら間違いなく死んでたんだからねー!!まったく、羅唯もそう思うでしょ?」
「……ああ」
そして彼の後ろにはもう一人、ローブのフードを深く被った者がいた。
「もうっ!みんなして僕のこと虐めるんだからぁっ!!」
「僕は虐めなどという下品なことはした覚えがないよ?」
「私もよ、お姉様」
「……」
一人盛り上がっている彼以外は彼が何を言いたいのか分からなかった。
「あぁもう、だからね!」
そして彼は先程庭で折った数本の鈴蘭を持ち、先程のように恍惚とした顔でこう言うのだ。
「早く始めよってこと」
▷
もう、星を願うのはやめよう。
私のせいで誰かが闇に呑まれるのは嫌だ。
「【上位者権限】発動」
……本当に?
本当に諦めるのか?
あいつは、本気でお前の幸せを願ったからこそ――
「……【天使の集会】」
決めたから。
私が闇のそばにいることで大切な人が助かるのだから。
闇に呑まれることに、これ以上ない対価を貰えるのだから。
「【通話】〈全天使〉」
私は、喜んで闇のもとに行くんだ。
もう時間の流れが早すぎるぅっ!!




