叔母と姪
やべえ中途半端すぎる
「失礼します、叔母様」
校舎の地下室に、右手に刀を持った血まみれの人物が入った。
「……失礼してほしくないんだけど?」
「そうでしたか、申し訳ありません。ですが、私も命を賭けております故、ご容赦くださいませ」
地下室にいた内の一人は、松本 灯火。
「ハァ……そうだねそうだよねぇ……何が楽しくて姪に殺されなくてはいけないんだい、成宮クン?」
「いえ、今回のことが彼女から露呈したと考えるなら仕方ないのではないでしょうか?」
そしてもう一人は成宮 息吹だった。
「あら?裏切り者の割に頭は良いのですね」
「お褒めいただけるのでしたら是非帰っていただきたいのですが」
「ふふっ無理であることくらい分かっているでしょうに」
そうして何度か刀と剣で打ち合った後、彼は言った。
「……燈姫様、いい加減逃げてほしいのですが」
「それは聞けない頼みだね成宮クン?」
もう一人の、燈姫と呼ばれた彼女が、座っていた椅子から一歩も動いていなかったからである。
「……貴方はこいつを逃がしたいのですか?」
二人の言動に対し、血まみれの彼女―――〖夏宮 未来〗、あるいは【夏宮 音和】は疑問に思ったようだ。
「当たり前でしょう、自分を救ってくれた唯一ですから」
「―――ならば、お姉様の逆鱗に触れずに済ませることも可能だったでしょうに」
彼女は構え直し、何時でも斬りかかれるようにする。
「それは無理ですよ」「それは無理だろう」
「……何故ですか?」
「精霊と天使は分かり合えない運命にありますから」「精霊と天使が互いを理解するなど不可能なのだよ」
「……そうですか、残念です」
しかし、彼女が二人を斬ろうとした刹那、もうそこに二人の姿はなかった。
「チッ、面倒ですね、魔術具ですか……」
刀の血を振り払い、鞘に収める。
そうして彼女は死体まみれの通路を歩きながら地下から出た。
そこは、大きな建物の裏だった。
▷
高菜様が解放していて。
弘様が高菜様と戦うと決めて。
それで、私は何もできないまま踞っていた。
……無理だ。
高菜様に弘様が勝つというのは。
不可能なんだ。
どうすればいい?
どうしたら助けられる?
―――ああ、駄目だ。
〖理桜瑠〗じゃ【蘭】を、押さえきれない。
ヴぁーあー!!




