姉妹ということ(2)
よしっ!
良いとこだし、新年ってことで毎日投稿に戻そう!
目標は高く在るべきだからね!
願わくば。
「高菜、様……!!」
今の彼女に、意識が在りませんように。
この現実を説明するために、少し前に時間を戻そう。
私は弘様を追いかけるように、屋根を渡って霊力の発信源へ向かった。
そこにいたのは、長めの黒髪の人。
きっとこれが『欠片』だろう。
体からモヤが出始めてるから、かなり進行している。
そこまではよかった。
おかしかったのは『欠片』の周りに、魔法で切られたような傷が多々あったのだ。
そして、疑問を解決するため、屋根から降り、屋根の上からでは見えなかった高菜様と弘様を。
仲の良い姉妹を、仲の良かったはずの姉妹を、見つけてしまった。
▷
屋根から降りずとも分かりました。
『欠片』は麗華さん。
その事実だけを頭に刻み込み、降りて高菜を探そうとしました。
けれど。
私を待っていたのは、体に黒い葉紋を広げた高菜でした。
高菜は風魔法が得意です。
ええ、だから。
麗華さんの周りに不自然な跡がついていること。
今、私が避けなければ死んでいたくらいには強い魔法を打ってきたこと。
高菜の目が透き通るのような水色の目が、紅くなっていること。
―――目の前の高菜は、もう解放してしまっているんですね。
嗚呼、これが。
夢であったなら、どれ程良かったでしょう。
後ろから理桜瑠さんが降りてきましたけど、見向きもしないということは、きっと。
血の繋がった姉妹の力を求めるというのが本当だということで。
ならば。
高菜は、私がどうにかしなくてはならないんですね。
▷
おかしい。
弘様が、避け続けていたはずの高菜様の攻撃を、受け止めるどころか追撃するようになった。
……なんで?
ふと。
目を、合わせてしまった。
彼女の、綺麗なピンク色の目と。
そして、気づいてしまった。
この目は、駄目だ。
この、目は。
大切なことを、自分の中で勝手に解決して、決心してしまった時の、あの。
お父さんの、目だ。
▷
私は、優しいお父さんの一人娘。
お父さんは獣人だったけど、特に気にしてなかったし、抱えていた悩みってのは、なんで私にはお母さんがいないんだろう、くらいのものだった。
あとは、なんで私には羽が生えてるんだろう、とか。
お母さんが天使で、私には妹がいると知ったのは、五歳の時だ。
私と同じ金髪の、可愛らしい子だった。
私に生えているのと同じような白い羽と、お父さんと同じ金色の耳を持っていた。
『私、蘭!よろしくね、鈴?』
こんな可愛い子が私の妹だと知ったときはとても嬉しかった。
それから定期的にお母さんと鈴と会うようになって、2年が経った頃。
お母さんが死んだと、お父さんに言われた。
殺したのが、鈴で。
鈴は、処刑されたと。
頭が真っ白になった。
なんでそんなことになったのか、問い詰めたかったけど、お父さんもよく分かってなかったみたいだった。
モヤモヤを抱えたまま私は冒険者になった。
また1年経った時、光棄という子に出会った。
お父さんが連れてきた、隈の酷い子だ。
すぐに気づいた。
この子は、鈴だ。
髪は薄く濁ってしまっているけれど、面影はある。
お父さんは気づいていなかったみたいだけど、私はある日光棄を呼んで、話をした。
『ねえ、鈴だよね?』
『え……なん、で?』
鈴は私にバレたことを驚いていた。
『髪や顔の感じを少し変えたくらいじゃ私の目は誤魔化せないよ?だいたい、何も言わずに2年もどこ行ってたの?』
『……ありがとう、蘭』
悲しげに笑った光棄があまりにも痛々しくて、見てられなかった。
私は光棄を笑顔にするために、わざと明るく振る舞った。
『ちょっと鈴、今は理桜瑠だよっ!』
『うん、そうだね理桜瑠、じゃあ私のことも光棄って呼んで?』
『分かった光棄、よろしくっ』
けれど、お母さんのこと、そして処刑されたという嘘のこと。
それらを聞いたらすぐに顔を曇らせた。
同じように、光棄から話を聞いていた私も、顔をしかめていった。
天使を解放させる毒のこと。
解放した天使のこと。
そして、光棄がお母さんを殺したのは事実であるということ。
お母さんが、三つ子だったということ。
『そっか、話してくれてありがとう、光棄』
光棄は、とても優しいから。
だからその日、私は決めた。
私の家族を脅かす者は。
私が、殺すと。
ありがとうございました。
ちなみに後付け設定なんですけど、天使の成人年齢は16です!




