裏と表・女と男
文化祭まだかな~まだかな~
そうして、日常は戻った……はずが、次の日。
「すいません!!皆さん起きてください!!」
「あれ?弘、まだ全然時間大丈夫だよ?」
思えば高菜がこの時、目を瞑っていたのも原因じゃないかな?
「いえ!僕文化祭の準備で朝早くから行かなきゃ行けなくて!!」
「あー、頑張れ」
「ご飯炊けてるのでよろしくお願いします!!」
「え!?あ、ちょっ!!」
高菜がやっと目をはっきり開けたとき、そこに弘はもう居なかった。
「どんだけ慌ててたの……髪の毛はまだしも、スカート履いてくとか……大丈夫か……?」
当然、大丈夫じゃなかった。
▷
「兄様ぁ~!」
「あれ、弘、髪下ろしてんの?てかスカートだし」
「間違えたんですよ!!」
「んーでも面白いしそれでいいと思う」
「面白い!?ふざけないでくださいぃ……」
弘、心なしか元気がない。
「兄様も道連れになってください~!」
「おはよーって光棄、誰だよその美少女」
「これか?」
「これって言わないでください……」
「弘に決まってんだろ」
「は!?あいつか!?髪と目の色以外別人だろ!大体アイツは男で……」
「女ですよ」
「え?」
「『渡辺 弘』は女です!失礼なこと言わないでください!!」
教室がザワッとなった。
他のクラスからも何か見物人来てるし。
「ん?じゃあ今なら姫って呼んでいいか?」
「いいですけど!?」
「何でキレてんの」
「髪で遊ばせてください!!」
「いいけど」
「髪って……光棄は髪短いし遊びようが無くないか?」
「何言ってるんですか!?ていうかあなた誰ですか!!」
「姫、お前の方が失礼」
「ヴゥー!!」
「なになに」
「それと!ついでに言いますけど!?兄様も立派な女の子です!!」
「は!?」
余計教室が騒がしくなった。
弘が光棄の後ろに立って、少しクイッと髪をいじると……!
な、なんと!1メートルほどの綺麗な金髪の髪が!
「は!?えそれどーなってんの!?」
「後ろで髪を纏めてるんですよ、僕も普段やってます」
「えぇー」
「兄様、髪ゴム他に持ってます?」
「リュックん中にあるよ」
「え?声…口調も……」
「髪を上げるときと下ろすときは、一種のスイッチみたいにしてて、口調とか声とか変えるようにしてるんです。『女の子』らしく、『男の子』らしく、ってやつです」
そうこうしてると、なんと廊下が他クラスで埋まってきた。
「ねぇねぇ光棄、何で今日こんなに人がいる、の……」
そりゃ、固まるよね。光棄も黙ってりゃ美少女だから。
「あれ、霊、おはよ」
勿論、口調と声が変わっただけで、相変わらず表情筋は死んでるけど。
「こ、光棄……?」
「そうだよ?」
「姉様、言ってることと顔が合ってないです」
「人ってこんな変わるんだな……」
「あっちいってください、邪魔です」
「辛辣ぅ」
「姫」
「やっぱ俺と光棄の仲だもんな!」
「あっち行け」
「なんで!?」
漫才かよ。
「あれ、光兄が髪下ろしてる!」
なんと高菜登場。
「ひろひろ、私にも遊ばして!」
「あ、でしたらここのぶぶん三つ編みにしてもらって……」
「完成ですっ」
光棄はいじりにいじられまくって、髪がすんごく細かくなって結ばれてた。
「そろそろホームルームだぞ、座れ」
なんかここまで行くと神々しい。
「みんなおはよーって誰だそいつとこいつ」
「光棄と弘だそうです!」
上江くんだっけ、ナイス。
「なるほどあいつらの代理か、可哀想に……帰っていいぞ?」
「何言ってるんですか、小鳥遊先生」
「……弘か?」
「はい、ついでにあれは兄様です」
「嘘ぉ」
顔ww顔がwww!!
「本当です、髪結んでくるの忘れたのと、兄様は道連れにしました」
「……元に戻してほしい」
「ちなみにあの状態だと兄様は授業中寝ませんしスマホもしません」
「……よし良いだろう」
まぁ、本当にスイッチだからね。
……そしてあっという間に一日が経ち。
「光棄、お前本当に毎日それでいてくれ」
「ストレス貯まるんで無理です」
「そうですよ、それにタマにの方が面白いですし」
「弘……」
「姫、殴ってい?」
「良くないです」
「だがA組のー高菜だったか、あの子はいつも下ろしてるだろ?」
「高菜はその方が解放感?だそうです」
「まあでもタマにでいいから!!頼むぞ!!」
「姫に頼まれたらやるわ」
「てことは私も下ろしてなきゃいけないってことですか?」
「そ」
「なるほど、よっぽどがない限りやりたくないですね」
「弘ぉ……」
こうしてまた少し違う日は終わった。
明日は文化祭!!
光棄はなんと女の子でした!?
見てくれて(読んでくれて)ありがとう!




