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▷アグリーメント  作者: px-h
第2章 いざ、学校へ
20/64

『弘』(1)

すいませんしばらく休みます!(不定期)

一週間くらいに留めたい!!

水曜日はすみませんでしたっ!


兄様に初めて会った時。兄様は疲れていたようで、目のクマも酷く、それが第1印象でした。


母様を呼び捨てにしていると知ったときは、怒りで『決闘』を申し込んでしまいましたが、それも数年前の話。


今では普通に話せてますし、憧れている人です。


そんな彼との出会いを、説明させてください。





「──┈」


事の発端は、母様の付き添いで、ギルドへ行ったことです。

なんでも、トップ10に入る実力者が、半年ほど前の侵攻で死んでしまったそうで、その引き継ぎで母様はとても忙しかったらしいです。

僕たちの教育学校の帰り道にまでギルドに寄ってましたし、相当でしょう。


その時母様は奥で話をしていて、僕は手前の椅子に座って、近くを通る冒険者を眺めていました。



«チリン»



鈴の音がして、思わずそちらを向きました。

その冒険者は、僕たちとはまた違って、羽が真っ白で。そして僕と同じくらいの、女の子でした。

見とれて目で追っていると、それに気づいた人が、僕に話しかけてくださいました。


「何だぁ、アイツが気になんのか?」


「はい、僕と同じくらいじゃないですか?」


「10才だったと思うぞ?」


まさかの、同い年。


「何であんな女の子が?」


「あぁ──」


「女で悪いか?」


急に、話しかけられました。


「女だったら駄目だとか、そういう決まりでもあんのかよ」


誤解です、そんなつもりは、の意味を込めて、首を振りました。


「おい光棄(こうき)ぃ、そう言い方は寄せって、オメーのファンだぞ?」


「は?」


「いぇ、と」


「頭腐ってんじゃねぇの?物好き」


(笑った……!)


彼女がうっすら笑ったのが、とても目に残って、時々母様に内緒で来るようになりました。

…けれど、それがいけませんでした。



「オイ、テメェ!!」


その日は彼女に会えなくて、帰ろうとしていた時でした。


「今俺にぶつかったよなァ、あ?」


「え?」


「ざっけんなよ、オイ!!」


ぶつかった、どころか掠りもしませんでしたし、完全な言いがかりでした。


「冒険者様には礼儀を払えってんだ、よ!」


そう言われて、思いっきり殴られてしまいました。


「ガッ」


殴られたのは腹だったんですが、その1発でもかなり痛くて。


「気いてんのか、オ──」


「弱い者虐めは楽しいか?」


くる、そう思った瞬間でした。



«チリン»



あの鈴の音がして、瞑っていた目を開けると、つい最近見た金髪が目の前で靡いていました。


「んだァ、女は下がってろってんだ、後でたっぷり可愛がってやッからよォ」


ゲスいた視線に、反吐が出そうでした。


「はい、了解しました何て言えるほど素直じゃないんで」


そういいながら、彼女は1度に取り巻き含む10人程に蹴りを入れて、気絶させました。


「あ、ありがとうございます、」


僕の喜びと裏腹に、彼女は前の笑顔とは打って変わって険しい顔で言いました。


「おいお前、そろそろ此処来るのはやめた方がいい」


突き放されたような、そんな気持ちでした。


「此処にはこういう奴等もいるし、自衛ができないなら、あのお前のお母さんと来い」


「……はい」


そのまま、僕は頷いてギルドを出ました。

だから、知りませんでした。

アレは、彼女からの、しっかりとした警告だったのだと。



暫くして、前回より大きな侵攻が起こりました。


──それは、学校の給食中に起こりました。


「おいアレなんだ?」


まず、誰かが窓の外の異変に気付きました。


「え?何?」


「冒険者か?」


「魔物めっちゃいるじゃん」


「ヤバ……あれ大丈夫なの?」


学校は『壁』から近い所にあり、すぐそこに魔物の大群が押し寄せていました。


「皆さん、落ち着いて!とりあえず外に避難しましょう!」


教師の声で皆動き始めましたが、今思えば迂闊に外に出るのは間違っていたと分かります。


校庭に出ても、魔物が押し寄せているのは変わらず、僕らはただ目の前に迫ってくる化け物を眺めることしかできませんでした。

生徒間でザワザワしながら、何もできずに突っ立っていても、それでもやはり、魔物等はきて。

ワイバーンまでいました。

先頭の方のゴブリンが近づいてきて、終わったな、何て呑気に考えていた時でした。


「おい光棄!!やべーぞコレ!」


「分かってんだよ!黙れクソ野郎!!」


「とりあえず雑魚は任した!」


「何処まで!!?」


「キングオークいけるか!」


「こんの鬼畜ゥ!!」


「上等じゃねえか、死ぬなよ!」


「オメーは腰やんなよ!!」


「おうっ!!」


その現場に来たのは2人だけ。きっと皆、大して状況は変わらないと、そう思ってたんでしょう。

けれど僕は、少なくとも僕だけは、助かったと、心から安心できていました。

何しろ、そこに来た2人の内、1人はあの、僕の憧れの彼女だったんですから。

彼女は、僕らのすぐ前に来ていたゴブリンを、風の魔法……いえ、あれも剣だったんでしょうけど、そうとは思えない、尋常じゃない速さで、僕には魔法に見えました。

まあ、魔法だとしてもあの速さはあり得ないんですが。

なんとそのまま、一緒に来ていた彼に言われた通り、キングオークまで1分かからず倒してしまいました。


「うぁ……」


きっとその子は、困惑していたのでしょう。


「た、助けて……!!」


魔物達の前に、手を伸ばして寄っていきました。


「なっ」


「おい何やってんだよ!?」


彼女もその異常事態に気づいたようで、慌てて手間取っていたマジックオークを一気に切り捨て、


「お前戻れ!!死ぬぞ!」


そう、叫びました。


「あ…あぁ……!!」


キャアアアア、と誰かが叫びました。

マジックオークの解き放った魔法の流れ弾がその子に当たりそうだったのです。


「ったく!!」


けれど、やはり期待を裏切らずに彼女は地面を蹴って、その子を助けて僕たちのもとに連れてきました。

その子は気絶していました。


「お前らぜってーこっち来んなよ、っと!!」


少し話している間も容赦なく打たれてくる火や水の魔法。

彼女はそれを、なんと持っていた大剣で切ってしまいました。

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