何もかも。
前回のやつ続けんの諦めました、すみません!
「おーい光棄?」
「んー?」
「『んー』じゃねえよ阿保!何で堂々と授業中にスマホいじってんだよっ!!」
転校から1ヶ月余り。教師とも打ち解けたが、前の席になって尚、授業に参加しようとしないその姿勢は称賛に値すると思うな……。
「兄様、そろそろ止めないと単位貰えませんよ?」
「いらねーからなぁ……」
「他の先生達の授業は真面目にやってんだろ!ワタシにもその猫を使ってくれ!!」
「先生、兄様は『真面目に』何てやってませんよ」
「いやフリでいいんだフリで! ノート録ってスマホ止めてくれれば……!!」
「いや、ていうか兄様は他の先生達の授業でもスマホしてます」
「は!?」
「おい言うなよ折角上手くいってんのに」
「どういうことだ弘!?」
「こう……机の下で視線使ってやってます」
「なっ!?」
「てか、単位ってテストで決まるんだろ?ならいいじゃん」
「いやなあ……お前がどれだけ頭良いのかは知らん、というか十中八九悪いだろうが、それでも授業態度ってもんがな……」
「態度が全教科悪くても成績良きゃいいんだろ?」
「だが……」
「なら大丈夫なんだよ」
「何でだよっ!」
小鳥遊先生は知らないけど、光棄は頭良いもんなあ……。
「本当に大丈夫ですよ先生、どうなっても自業自得ですから」
「……最悪補講になったら文化祭出れないがいいのか?」
「はい」
そう言って弘はニッコリ笑った。
▷
「『兄様は頭良いですよ?』」
先程言われた言葉が、事実として今、私の目の前に現れていた。
(嘘……!!)
それは少し前のこと。
「良かったの?」
「えーっと?御名前を御伺いしても?」
「神来社 天音、次はないわよ」
「頑張ります」
「そうして。で、さっきのだけど」
「ああ、大丈夫ですって。アレはどうせ1位ですし」
「アレって……ていうか1位って言った?より有り得ないわ、毎回1位は私が取っているのよ?」
「なら貴女も大して頭良いわけじゃないんですね」
「え?」
「アレはホントにすごいです、流石天才、としか言えません」
「そんなに?」
「僕、兄様に勝てたことありません」
「……」
正直、半信半疑だ。
あいつにそこまで実力があるとは、到底思えない。
「信じられませんかね?」
「ええ、嘘に決まってる、って思ってる。あんな馬鹿が、そんなに凄いとは思えない」
「……」
「まあ、どうせすぐ分か――」
「兄様は頭良いですよ?」
「?」
「ま、あれも本性でしょうけど」
「……」
「?行きましょうか」
そう言って、彼は先に行った。
……あの時。その彼の目から、光が無くなったように感じた。2人は、親族であって、本当の兄弟ではないと聞いた。
だとしたら、あそこまで執着しているのは、何でだろう? そんなことを考えながら、期末が貼り出される体育館へ向かった。
(嘘……!)
そこには書いてあったのは。
┌───────────────────
| (順位) (クラス・名前) (点数)
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| 1位 C組 渡辺 光棄 498点
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| 2位 C組 神来社 天音 483点
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| 3位 C組 渡辺 弘 479点
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| 4位 A組 渡辺 高菜 472点
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ここは、500点満点の、全教科(現代文・古典・地理・歴史・公民・科学・物理・植物・数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ)が混ざったテストだ。
400を超えたら凄い、それくらいのレベルだ。
450以上の私、いや、私達は、間違いなく凄い――けど、498だなんて、最早化け―――
「どう?どう?」
「あ、高菜には勝てましたね」
「えぇ~」
そこには、あいつらがいた。
「兄様がやっぱ1位ですか……面白くないですねー」
「んー良かったなー」
敗けを、認めざるを得ない。
「あー悔しいなぁー!」
ほぼ、満点じゃないか。
「うるせえよ」
「また寝不足ですか―――」
―――羨ましい。




