誕生日プレゼントは物々交換?
2月最後の童話です。
楽しんで行ってください!
それでは本編をどうぞ!
僕は今困っています。今日はお母さんの誕生日なのにお金が無くて困ってます。
「うーん……今のお金で買えるのってなんだろう……」
僕は貯金箱に入ってるお金を持って家を飛び出しました。最初にケーキ屋さんに行ったのだけど、どうやらイチゴがなくてケーキが作れないそうで……お店も閉まっていました。
次に行ったのはお花屋さん。お母さんはお花が好きだからと思ったのですが、一本しか買えないのでこちらも断念しました。そして今はおもちゃ屋さんに来ています。
「この指輪綺麗だなー。」
僕は赤い指輪を見てうっとりして気がついたらそれを買ってしまっていました。そして気づいた後凄く後悔してしまったのです。
「はぁ……なんでこんなの買ったのかなー?」
よくよく考えたらこんな小さな指輪お母さんの指に入らないんです。どう見ても子供用なんだから……
そしてその指輪を見ていたところに風船を持った小さな女の子が近寄ってきました。
「うわぁー綺麗な指輪!」
「……欲しいの?」
「うん!」
「じゃああげるよ。お母さんの指には入らないから……」
僕は指輪を少女に渡すと少女は満面の笑みを浮かべました。
「お兄ちゃんありがとう!お礼にこの風船をあげるね!」
女の子は風船を僕に渡すとスキップしながらどこかへいってしまいました。
「まぁいいか。」
僕はため息をして家に帰る事にしました。
少し先へ行くと今度は赤ん坊を連れた女の人がいました。どうやら子供が泣いている様でした。
「あー、よしよし。良い子良い子……」
一向に泣き止まないその子に女の人は困り果てていました。その横を僕が通ると赤ん坊はピタッと泣き止んだのです。
「えっ?」
赤ん坊の方を見るとこの風船に手を伸ばしていたのです。そして女の人の目が合ったので僕は風船を赤ん坊に譲る事にしました。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
女の人に何度もお礼を言われて僕は照れ臭くなりました。
「そうだ。お礼にこちらを貰って下さい!」
そう言うと女の人はバッグ一杯のイチゴを僕にくれたのです。
「こんなに沢山……いいんですか?」
「いいのよ!ウチは農家だからね。それよりこの子が泣き止んでくれたことの方が大助かりよ。」
そこまで言われてはもらわない訳にはいかないので僕はイチゴを快く受け取った。そしてあの事を思い出します。僕は急いで街へ戻りケーキ屋さんの扉を叩きます。すると中から少し強面のおじさんが出てきました。
「どうしたんだそんなに慌てて。悪いけど今はケーキが作れないよ。」
「はぁはぁ……これで……ケーキを作って下さい!」
僕は先程貰ったイチゴをケーキ屋さんのおじさんに見せました。
「ど、どうしたんだこれは⁉︎」
「それはですね……」
僕は事情を説明するとケーキ屋さんのおじさんは豪快に笑いました。
「あはは!そうかそうか!君の行いで手に入れたのなら俺もそれを貰ってあげるものをあげねぇーといけねぇーな!よーし!待ってろよ!」
そう言って店の中へおじさんは入って行きました。そして僕はその間ケーキ屋さんの中で待たせて貰いました。
「よっ!坊主待たせたな!」
おじさんが店の奥から出てくるとケーキと花束を持っていました。
「これはイチゴのお礼だ。花束は俺の嫁からだ。隣の花屋は俺の嫁がやってるんだ。話したらこれも渡せって言うから渡しておくぜ!盛大に祝ってやんな!」
「こんなに沢山ありがとうございます!」
僕はお礼を言ってケーキと花束を受け取り急いで帰りました。
「ただいま!」
僕は扉を開けて家に帰りつきました。さぁまずは何から話そうかなー?
ここまで読んで頂きありがとうございました。
読んでの通りわらしべ長者を用いふにした子供版です。楽しんで頂ければ幸いです。
次回の童話もお楽しみに!