海を歩く巨大ゴーレムとスノードラゴンタケシの圧巻の力
天使族の配下にある無数の魔物たちが特攻を仕掛けてくる、
俺は麻酔弾を使い相手を動けなくするように全艦に緊急連絡、
配下に影響を与えぬよう麻酔量を減らし狙撃すると連絡が入る。
各艦にいる狙撃手がある一定の距離に配下たちが入ったら・・
迷わず麻酔弾を撃ち配下の魔物を瞬時に動けなく・・眠った?
グゥゥゥゥゥ・・
次から次へと海へと落ちる配下の魔物・・の落下が止まった、
魔物の下には薄い氷の板が敷いてあり海への落下を防いでいる。
「全部受け止めたよ~」
「・・うん・・任せて・・」
ショウとレイミが無数の氷の板を展開して配下達を受け止めていた、
すぐさまサユミとタケシが艦の横に巨大な氷の船を2隻造った、
それに配下たちを次々と乗せて保護している。
配下の魔物たちは・・
微量の麻酔弾で大爆睡、その近くで大和と武蔵の主砲の爆音が響く、
耳を塞ぐほどの爆音なのに配下たちは起きる気配は全然ない。
・・・
余程疲れていたのかな?
ここまで麻酔弾が効くとは思わなかった・・
狙撃手たちも痺れて動けない程度の麻酔量なのにと驚いていた。
全部の配下を俺達に拉致?された敵対する天使族は大慌てしている、
急ぎ10人程度が集まりワイバーンゴーレムを集め結合させる、
すると・・ワイバーンゴーレムが集まった巨大人型ゴーレムが完成。
他にも40人の天使族が急ぎ人型巨大ゴーレムを造り出した、
驚くことに足元を結界で覆い地面のようにして海を歩いてくる、
大きさは50m位、城が歩いてくるような感じだ。
5体の巨大人型ゴーレムがこちらに向かってくる・・
「右のデカいのは大和が引き受ける」
「左の大きいのは信濃にお任せください!」
「正面から来る奴は紀伊が叩きます」
「わかった、後ろの一体は武蔵が叩きのめす」
するとエリーナが尋ねる。
「後ろのもう一体はどうする気なのよ?」
「あれは俺が砕く、エリーナ、エマ、ソニア、武蔵を頼む、
サーラついて来い、俺を乗せて飛ぶ位は出来るだろう?」
「それなら余裕だよ」
「ちょっと待ちなさいよ、危険すぎるわ!」
「いや俺が行く、試したいことがあるんだ、それに・・
君達にしか武蔵を託せない、すまないがもう一体を頼む」
・・・
「はあ・・わかったわよ!」
「武蔵は任せてください!」
「なにかあったら氷の盾で助けるから安心してね」
「ありがとう!サーラ行くぞ!」
「わかった!コウ兄ちゃん」
サーラは召喚魔法で自分の本体を呼び出し俺を背中に乗せる、
エマツーにはエマのサポートとして残ってもらうようお願いした、
それを聞いたエマツーは・・微笑んで頷いてくれた。
武蔵の艦長席にエリーナが座り特級魔法「火」を送り込む、
操舵にはエマが、守備の要としてソニアが周りに氷の盾を展開する、
3人に武蔵を託し俺とサーラは艦尾のカタパルトに移動した。
「まって!私達も行きます!」
「置いていかないで~~」
声を出したのはレティシアとショウコさんだった。
「もともとは天使族のことだもの~私もいく~」
「お願いです、一緒に戦わせてください!」
俺はこの2人の眼を見て・・おふざけは無いので了承した。
「わかった、2人には俺の左右のサポートを頼む!」
「わかりました!」
「わかった!」
何か力の抜ける発言ばかりしているレティシアが・・
この時だけは力強く返事し頼もしく感じた。
俺はドラゴン姿のサーラの背中に乗り・・武蔵から離陸した。
そのころ・・
先陣を切って戦艦紀伊が正面の巨大ゴーレムに向かっていた、
右に大和、左に信濃が移動し武蔵は大きく旋回している、
後ろにいる2体の巨大ゴーレムに向かうためだ。
巨大ゴーレムは同士討ちを避けるためか隣とかなり距離を置く、
だがそれはこちらにとっても好都合、気兼ねせず全力を出せる、
紀伊、大和、信濃は前に、武蔵は旋回して後ろに回り込んだ。
まずは・・
~戦艦紀伊の艦長袖原武の目線でお伝えします~
「全主砲撃て!左の足に攻撃を集中させろ!」
ドカカカ~~ン!
紀伊の1番、2番、3番主砲から炸裂弾を次々と撃ちまくる、
左足に砲弾が炸裂したことによってゴーレムの足が砕けだした、
すぐさま天使族が治療、それを見たタケシが副砲に魔法を送る。
「一番副砲魔法弾撃て!右足を砕くんだ!」
紀伊の一番副砲の砲身が光り輝き氷の特級魔法が放たれた、
それは大きな刺股となりゴーレムの右足を襲う、
右足に衝撃を受けたゴーレムはバランスを崩し前に倒れる。
その前には・・
左足を治療していた10人ほどの天使族がいた、
ゴーレムは天使族を覆うように前かがみに倒れていく!
「いゃあああああああああ~~」
バターン!
ドパーン!
ゴーレムは転倒し10人の天使族はそれに巻き込まれた、だが・・
すぐに海から脱出してゴーレムを操作、ゴーレムは起き上がった、
ダメージを受け怒り狂う天使族を見て・・タケシは微笑んでいる。
「お嬢様たち・・紀伊と俺の力をお見せしましょう!」
タケシが搭乗員たちに合図を送る、それを皮切りに紀伊が動く、
紀伊の狙撃手、砲撃手が天使族とゴーレムの関節を狙い撃ち、
主砲、副砲、機銃弾が当たるたびにゴーレムが揺れていた。
「この下等生物どもが~~!!調子に乗るな~~!」
天使族の全員が怒りながら紀伊に魔法攻撃を仕掛けてきた、
すぐさま狙撃手が集中砲火!天使族は結界で難を逃れたが・・
それを待っていた砲撃手が結界増幅弾を放つ!
「バシーン!」
結界が消えた天使族にタケシが無数の棘弾で攻撃、相手を囲む、
棘弾は天使族の急所一歩手前で止まり・・全員の動きを封じた。
「これまでね、力が違いすぎるわ・・」
「そうね・・観念しましょう・・」
10人の天使族は戦力差を痛感し・・武器を捨て死を覚悟した。
天使族の命令が届かなくなったゴーレムはその場で立ち止まる、
紀伊の各砲弾がゴーレムの足を総攻撃、両足をゴナゴナに砕いた、
足元の結界が消えたゴーレムは海に沈みそのまま砕け散った。
「 破裂」
棘弾はタケシの合図で破裂、その衝撃で天使族は全員気を失う、
落ちてきた天使族はタケシが全員氷の板で回収、紀伊に招集、
念の為天使族には魔法と能力を封じる氷のリングを要所につけた。
戦闘が終わった戦艦紀伊の艦長タケシが各艦に報告する、
返事はわかりきっていたが・・念の為報告・確認する。
「こちら紀伊、正面のゴーレムは乗務員の働きにより粉砕に成功、
操っていた天使族は全員捕らえました、まだ余力が十分あります、
必要であれば紀伊が援護に向かわせて頂きますが・・」
まず大和艦長デーヴィドが返信!
「さすがだな、だがこちらに援護は必要ない、しばらく休んでくれ」
「了解しました」
次に信濃艦長サユミが返信してきた。
「あら?もう済んだの?さすがに早いわね、こちらも必要ないわ、
久々に暴れたいから静観していてちょうだい!」
「わかった、気をつけてな」
「ありがとう!」
次に武蔵艦長エリーナが返信してきた、ソニアも割り込む。
「お疲れ様、心配りありがとう!こちらも援護は必要ありません、
色々と試したいから敵の新たな援軍に対しての備えをお願いするわ」
「わかりました、お任せください」
そしてソニアからの・・愛のメッセージ!
「タケシ~愛しているわよ~~~!」
・・・
「ソニアさん、戦闘中に公私混同はやめてください!」
エマに怒られたソニアはしょんぼりしていた。
通信を切ったタケシは・・乗務員に通達。
「これより紀伊は敵の新たな援軍に備えここで待機する」
「了解しました」
もう少し暴れたかったタケシだったが・・
「艦長お疲れ様です、お茶をどうぞ」
「ありがとう」
タケシは大勢のジェニー達に囲まれ・・一緒にお茶を飲む。
そして・・
紀伊の艦橋で他の艦の戦況を見守っていた。