大和型4隻勢揃いと光を操るコウの隠していた必殺技
俺は戦艦武蔵の艦橋に乗り込む、エリーナ達妻も一緒だ、
大和にはデーヴィド達が乗り込む、そして大和が動く、
先に大和が鍾乳洞を出て武蔵はその後に続く。
「大和出るぞ!」
デーヴィドの雄叫びと共に大和が鍾乳洞から出て姿を現す。
「武蔵出撃せよ!」
続いて俺の命で戦艦武蔵が動きだし鍾乳洞から出てその姿を現す!
この2隻には新たに棘弾、イージスミサイル、副砲の特級魔法発射機能、
F35BとF-20タイガーシャークをミックスしたような戦闘機、
滑走路の要らない垂直離発着戦闘機を各3機ずつ配備している。
さらに深海の敵を感知できる特殊レーダーとドローンファンネルを装備、
これは1m位のドローンに魔法反射鏡と監視カメラを装備したもの、
大和武蔵から放たれた魔法を反射しあらゆる角度から敵を攻撃できる。
それに加え・・
新たに開発された魔法増幅装置を搭載している。
これは上級以上の魔法をわずかな魔力で最大限に増幅する装置だ、
例えば術者が通常10の魔力を必要とする魔法ならその10分の一、
魔力1の小さな魔法を増幅装置に送れば通常の魔法と同じになる。
この増幅装置は艦長に限らず上級以上の術者なら十分扱える、
専用席に座り最小の上級、特級魔法を送れば増幅して戻ってくる、
術者は戻ってきた魔法を体内で蓄え戦闘で使うことが出来る。
それらの装備を新たに備えた大和と武蔵は圧巻の存在感を放っていた。
それを紀伊の艦橋で見ていたレティシアたちは・・
「なにあれ~?あんなのが他に2隻もいたの~?」
大和と武蔵の圧巻の存在感にビビっていた・・
さらに改装が済んだ信濃がこちらに向かってきた!
「お待たせしました、信濃出撃可能です」
サユミが爽やかな声で俺に連絡してきた、
そして紀伊のタケシからも連絡が入る。
「戦艦紀伊出撃可能です、ご指示をお願いします」
ここで豆知識!
信濃と紀伊にも新装備を何点か備えてはいるが・・
信濃は主副砲が無いので特級魔法発射機能は無くドローンも省く、
その分複数の垂直戦闘機を追加配備して戦闘機の数を増やした、
航空母艦の役割は戦闘機での攻撃と輸送・整備なので基本を高めた。
紀伊に関しては・・
狙撃に特化した砲が多いので前副砲だけ特級魔法発射機能をつけた、
こちらもドローンは省く、狙撃兵が操作する余裕が無いと反対した、
必要な時は大和武蔵のドローンを借りるので今回は見送った。
現在魔法増幅装置など新たな装備を搭載しているのはこの4隻だけ、
他の艦はこの4隻から得たデーターに加え小型化出来たら順次搭載する、
新装備はまだ量産が難しく場所も取るため大和型4隻だけに搭載した。
豆知識はここまで!
大和型4隻は万全な状態で揃い踏み、そして全軍が激励に来た、
鍾乳洞にいたすべての木人形とジェニー達も激励している、
丘ではルーム国民たちが大和と武蔵に手を振っている。
空を見るとガルーダ・グリフォン・ワイバーンと初級エニウェア、
彼ら彼女達が上空から桜の花びらを蒔き演出してくれた、
大和武蔵に美しい花びらが舞い降りて華やかに輝く。
さらにクラーケン達も水中から姿を現し激励してくれた。
それらを見た大和・武蔵・信濃・紀伊が縦に並んで碇を降ろす、
俺は4隻の全乗務員に指示を出す。
「全員甲板に並べ!」
急ぎ全乗務員が甲板に登り整列して感謝の敬礼を送る、
当然俺も妻たちも全員甲板に集結して敬礼を送る。
・・・
何故かレティシア達も整列し同じように敬礼している、
まあ俺が全員と言ったので当り前なのだが・・
俺は敬礼後全乗務員に命を出す!
「全艦白の大陸に向けて出陣せよ!」
「了解しました!」
大和・武蔵・信濃・紀伊の碇が上がり4隻は動き出した、
激励に来てくれた方々に手を振りながら巡航を始める、
長門やアリゾナ達がルーム国を出るまで護衛してくれた。
天使族は5人一組になり各艦の艦橋に移動した、
白の大陸の情報の提供とサポートを行うためだ、
武蔵には・・なぜかレティシアとショウコさんが来た。
先頭には戦艦大和、その後ろには俺が乗る戦艦武蔵、
右には航空戦闘母艦信濃、左には狙撃戦艦紀伊が並ぶ、
4隻はフルスピードで巡航、白の大陸に向かっていく。
だが・・
「レーダに敵影、巨大なシーバジリスクが後ろからついてきます」
30m以上の巨大なシーバジリスクが海から現れ追ってくる、
俺は戦艦武蔵の艦長席に座る、そして武蔵に魔法を送る、
それを合図に木人形達が主副砲の操作を俺に預けた。
「武蔵の第2副砲でシーバジリスクを蹴散らす!」
武蔵の2番副砲をシーバジリスクに向けて照準を合わせる、
俺は特級魔法を武蔵に送る、武蔵は魔法を増幅し砲に転送、
副砲に魔法が届くと・・3門の砲身の先は光り輝いた!
「2番副砲・・撃て~~!」
キィーン!
副砲から矢のような光の特級魔法が発射される!
その威力はすざましくシーバジリスクの胴体を貫通した、
俺は副砲を操作、光を剣のように操り・・敵を切り裂く。
グェェェェェェェェ・・
シーバジリスクは・・胴体を真っ二つにされ息絶えた。
これを見ていたレティシア達は・・
その威力に驚き腰を抜かしていた。
その後四方から敵が現れた、どうやら待ち伏せしていたらしい、
正面からはサラマンダーの群れ、右にはブラックキマイラの大群、
左からはデビルガーゴイル達、そして後ろから新たなシーバジリスク。
「正面のサラマンダーは大和が引き受ける!」
「右のブラックキマイラは信濃にお任せください!」
「左のデビルガーゴイルは紀伊が駆逐します!」
「わかった、武蔵は後ろのシーバジリスクを叩く!」
各艦はおおよそ500m位離れ同士討ちを防ぐ行動に出る。
正面の大和が敵に対空砲火の嵐、雷の特級魔法が敵を落とす、
さらに水しぶき、それが鋭利な刃物となり敵を切り裂いていた、
サラマンダー達も反撃するが対空砲火の前では無力だった。
右の信濃は戦闘機は出さず棘弾と対空砲火でキマイラを撃ち落とす、
対空砲火で敵をけん制し変幻自在の棘弾がキマイラの急所を突き刺す、
キマイラの無数のブレス攻撃はサユミが全部凍らせ弾き返していた。
左の紀伊はデビルガーゴイルを最小限の弾で息の根を止めている、
紀伊に乗っている大勢の狙撃手が正確に敵の額を打ち抜いていた、
デビルガーゴイル達は紀伊に近づくことも出来ず海に落とされていた。
武蔵は反転せずそのまま巡航、後ろの砲だけで敵を叩くことにした、
ただ特級魔法は魔力消費が激しいので俺の魔力だと2~3発が限度、
だが・・
俺は閃いた!!!
武蔵がある今なら・・もしかしたら・・
「孫よ!それをやってみろ!武蔵なら十分耐えられる」
見透かされたように祖父から激励をもらう。
「よし!」
まず小さな特級魔法を武蔵に送る、そして増幅した魔法を再吸収、
これにより俺は最小限の魔力消費で最大級の特級魔法を撃てる、
武蔵の魔法増幅装置のおかげで10発以上撃てるようになった。
さらに小さな特級魔法を複数武蔵に送る・・全部増幅されていた!
魔法増幅装置は何事も無かったかのように余裕で稼働していた、
これなら万を超える敵が来ても蹴散らすことが出来る。
増幅した魔法を身体につめた俺はそのまま後方に移動する、
武蔵の三番主砲の上に乗り・・光の特級魔法を身体から出す。
敵の奇襲に供えエリーナは炎、ソニアは氷の盾の準備をしていた。
10秒後巨大なシーバジリスクの群れが深海から飛び出してきた、
こいつらを放置してたら仲間が危険だ、今蹴散らす必要がある、
俺は身体から出した無数の特級魔法を相手に向けて・・
・・・
何故かジェニー達が魔法を放出するのを止める。
「コウさん!必殺技の名前を唱えてから攻撃してください!」
・・・
「それは・・今必要なのか?」
「もちろんです!」
ジェニーたちの真剣な・・期待の眼差しを見た俺は急ぎ考えた、
エリーナ達が急げとせかす、なぜか彼女達も必殺技の名前を待望、
俺は急ぎ考え・・これならいいかな?と叫んでみた!
「 閃光の隕石!」
俺が必殺技を唱えシーバジリスクの上空に無数の光を放つ、
それらは敵の頭上で光の隕石となり広範囲に降り注いだ、
それらがシーバジリスク達に直撃、敵は穴だらけになる。
ギャァァァァァァァァ・・・
シーバジリスクの群れは反撃する間もなく穴だらけになり息絶えた、
それ見ていたレティシア達は・・俺を見て震えていた。
「な・・なにこの人?こんな力があったのですか?」
驚きを隠せないショウコさんが祖父木人形に質問の嵐、
祖父は笑いながら・・真剣な顔になり説明する。
「我が孫コウは・・異世界に召喚された時新たな力が加わっていた、
それに加え光の特級原核を取り入れ能力が大進化したんだ」
「新たな力?」
「我々木人形を召喚した際魂の受け皿となり新たな力が加わった、
それは木人形の・・ほんの僅かな魂の一部がコウの魂と融合した、
それが10万を超える・・とんでもない力が加わったんだ」
「道理で・・あれだけの魔法を使いこなせるのですね、でもなぜ?
あれだけの力があるのに前の戦いの時使わなかったのですか?、
あの閃光なら私達の結界も容易く蹴散らせたはずです」
「あの子は優しすぎるんだよ、ほんと驚くほどにね、
本人もその力は気づいていたが・・優しさゆえに使わなかった、
種族関係なく相手を傷つけることを嫌うので封印してたんだ」
レティシアとショウコさんは・・理解したようで静かに頷く、
それと同時に・・
「この方こそ!!!私達が待っていたご主人様!」
と心で確信したようだ。
敵を蹴散らした4隻は元の隊列に戻り巡航を始めた、
少し疲れた俺は自分の部屋に戻り・・いつの間にか寝ていた、
1時間位して目を覚ますと・・
「お疲れ様!お茶をどうぞ!」
エリーナ達妻がお茶を用意してくれていた。
「ありがとう、頂くよ!」
俺はそのお茶を飲みながら・・
妻たちと談笑していた。