ホワイトエンジェルとブラックエンジェルとの因縁
天使族との交戦から翌日、彼女達は飛龍の会議室で爆睡中、
サラマンダーとの交戦に加え俺達との交戦で疲労が嵩んだ、
さらに食糧の捜索もあったので相当疲れていたようだ。
だが・・
ピンポンポンポ~ン!
「ただいま朝食準備が整いました!皆様食堂にお越しください」
このアナウンスを聞いた天使族は即座に起き一目散に食堂に向かう、
慣れた手つきで綺麗に整列して食堂の窓口から朝食を受け取っていた。
「いただきま~す!」
教えたわけでもないのにきちんと手を合わせ挨拶して食べてる、
この動きからすると・・白の大陸にも異世界人がいるようだ、
それも日本人が・・食事の後俺はレティシアと会話する。
「どうして寝床に来てくれなかったの?待ってたのに・・」
・・・
あんた思いっきり爆睡してただろ~が!
気持ちを切り替えて・・俺は真剣な目でレティシアを見る、
すると・・・
「素敵~~!」
・・・
話が続かないので俺はショウコさんに交代してもらった、
彼女も俺の真剣な顔に見惚れていたようだが・・
「お願いがあります、白の大陸まで私達を乗せていってください」
ショウコさんの方が代表に相応しいのかもしれない・・
「それは構いませんが・・艦は飛ぶ速さに比べたら遅いですよ、
あなた達が探した食料を待っている方々がいるのでは?
その方々のために早めに帰った方がいいのではないのですか?
「それが・・」
彼女は涙眼をしている・・
詳しく話を聞くと・・
当初西の大陸のサラマンダーの所まで食糧探し・・ではなかった、
本当は迷ってしまい闇雲に飛んでいたら西の大陸まで来てしまう、
そこでサラマンダーと遭遇、大規模な戦闘になったそうだ。
その際空腹もあり食料等を使って魔力補給、召喚支配魔法を乱発、
ワイバーンゴーレムを山ほど造ってサラマンダーを蹴散らした、
その後俺達と交戦、結界まで破られたので急ぎ休戦を唱えたそうだ。
ということは・・
「お察しの通りです、私達には食糧がありません、いえ・・
魔力を含むあらゆるものを先の戦いで使い切ったので・・」
なるほど・・手ぶらではさすがに帰りにくいか・・
「今・・私達は明日食べる食料もありません、なので・・
このままこの艦に乗せてもらえるとすごくありがたいのです、
見返りには貴方様に私の身体をささげますので・・」
・・・
俺の後ろには・・エリーナ達が鋭い眼を光らせていた。
「いえ・・身体はご遠慮します、わかりました、乗艦は許可します、
ただ別の条件があります」
「なんでしょう?」
「あなたが話せる範囲で構いませんので白の大陸のこと、
他にも関連する情報を提供してほしいのです、その代わり・・
あなたたちの乗艦と一日3食の食事は保障します」
「あの・・出来れば白の大陸への食糧も分けてほしいのですが・・」
「それは情報の内容によります」
「わかりました、お話しします!」
ショウコさんの話によると・・
東の大陸と隣接している白の大陸には2種類の天使族がいる、
東側には純白の身体を持つ白の天使たち、通称ホワイトエンジェル、
西側には黒ずんだ身体を持つ天使、通称ブラックエンジェルがいる。
ホワイトエンジェルたちは基本穏やかで戦闘になると好戦的になる、
ブラックエンジェルは戦闘意欲が高く何らかの戦いを繰り広げている、
エニウェアと頻繁に戦っていたのはブラックエンジェルの方らしい。
昔はどちらの天使族も戦力と知恵を求め召喚魔法を繰り返していた、
その結果異世界の人間を多数召喚し白の大陸の東側は変化した、
雰囲気を描いてもらったら・・中世ヨーロッパの様な感じだ。
日本やアメリカ、ヨーロッパ人など様々な人間を召喚したらしい、
ただ俺達とは異なりはるか昔の江戸時代や革命時代の人間のようだ、
描いてもらった絵に帆船や刀等が多数あるので間違いないだろう。
だが・・
俺と同じ異世界人なら農耕を知っているはずだが?
「私たちが召喚した人間のほとんどは戦士騎士等の軍関連です」
そういうことか・・
「今は結界で区切ってますが・・昔は西との戦闘が頻繁でした、
戦力を増やすために戦える者ばかりを召喚してたものですから・・
それらを支配魔法で操り敵と戦わせていました」
「ということは・・農耕の余裕がなかったということですか?」
「そうですね、農耕だと時間がかかるので後回しにしていました、
私達の場合東の大陸が近いので植物系はそちらから密輸しています、
それが結界で遮断されたので各地に出向いたわけです」
「ご質問があります、我々はレーダーという敵の捜索能力があります、
戦闘になるまであなた達を見つけることは出来なかったのはなぜ?」
「ああ・・あの空に浮いていた謎の物体のことですか?、そうですか・・
あれはあなた達の仕業なんですね、気付いたので身体を透明化してました」
「もう一つ、あなた達がジェニー達の顔をコピーしたのはなぜですか?」
「私達は特定の顔を持ちません、気に入った顔を取り入れるのです、
ただそれは相手が生存している場合のみ、前にコピーした人間達、
それらは前の戦いで死んだので顔が消えたわけです」
そんな能力があるのか・・
「他にご質問はありますか?」
「あなた達とブラックエンジェルとの関係を教えてください」
「はるか昔私達は一緒に暮らしていました、ただある日を境に対立、
ブラック達が全員西側に逃げ結界で私達の交流を遮断したのです」
「それはどうしてですか?」
「私達の当時の代表達はブラック達を見下してこき使い・・
それで贅沢三昧の毎日、それが年々過激になりさらなる要求、
さすがにキレたブラック達は西側に逃げたのです」
・・・
問題の根源はホワイトエンジェルの方なのか?
「代表達は軍を出し力ずくでブラック達を戻そうとしました、
ですが贅沢三昧で力の落ちた我々と必死のブラック達・・
力の差は歴然で分裂しそれ以降お互い交流を遮断しています」
・・・
「ブラック達がいなくなった以降我々の力は大幅に落ちました、
さらに我々に不満を抱いていた配下も次々と刃向い大陸は内乱状態、
切羽詰まった我々は異世界人を召喚し戦力として使っていました」
「その後どうなったのですか?」
「このままでは共倒れなので配下たちに休戦の申し立てをしました、
主な原因は贅沢三昧を繰り返した代表達なので責任取らせ追放、
戦闘意欲のない代表を新たに設けることである程度落ち着きました」
「戦闘意欲のない代表?」
「あちらに・・」
俺とショウコさんの目線の先には・・
「あ~美味しいわ~~」
おやつを食べながら幸せな顔をしているレティシアがいた。
「それ以降内乱は収まりましたが食糧不足が深刻になりました、
我々も透明と変化魔法を使い東の大陸から雑草を密輸してました、
それを家畜に与え何とか凌げていたのですが・・」
「状況はわかりました、あとお尋ねしたいのが異世界人なのですが・・」
「昔の戦闘で大多数は命を落としました、残っているのは子供達です、
ただ全員女性です、男性とその親は戦いに出したので全滅しました」
ひどい話だな・・
その後も話は続き・・
俺達は白の大陸まで行くこととなった。
レティシア達が食糧と引き換えに全面協力してくれると約束、
ここで白の大陸の驚異を除く必要があると判断したからだ。
全艦急ぎルーム王国まで戻る、そして緊急会議を開く。
各種族との話し合いの結果俺達異世界軍が行くこととなる、
ただエニウェアの驚異もあるので出す艦は4隻だけにした、
留守中はルーム国王、カオス、レイナが全軍の指揮をとる。
俺は鍾乳洞の造船所に向かい・・命令を出す!
「大和と武蔵の黒布を外せ!出港させる!」
2隻の黒布が外され・・
雄叫びのようなエンジン音が鳴り響いた。
次回更新は5月7日(金曜日)夜の予定です。
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