天使族の猛烈なプロポーズの深い意味
俺達と天使族は机を挟んで対峙している、まずは様子見・・
・・・
なぜか天使族全員が俺を見て顔を真っ赤にして照れている。
・・・
相手が話す気配が無いので俺がまず口火を切った。
「君達は天使族に見えるんだが間違いないですか?」
すると・・・
天使族の代表らしき女性がもじもじしながら話し出す!
「あなたが好きです~・・・いえ愛してます~~」
・・・
何言ってるんだこいつ?
初めて会った相手だぞ?
俺はさっきまで君達と戦っていた敵なんだぞ?
俺の心のツッコミを安全無視した代表らしき天使族が衝撃発言!
「あの~あなたに妻はいますか?いなければ私達を妻にしてください~」
・・・
なぜかは知らないが天使族は全員俺に一目惚れしたらしい、
この異世界に男が少ないのは知っていたが・・一応返事!
「いいえ、俺・・いや私には妻が3人いますが?」
「それなら私達も妻に~側室でも愛人でもいいです~」
・・・
俺は気持ちを切り替え・・彼女達に質問する。
「失礼ですが・・天使族に男性はいらっしゃるのですか?」
「いいえ・・天使族は皆女性です~!」
・・・
もしかして男性が珍しいのか?男性を見るのは初めてなのか?
こういう展開は初めてなので俺が躊躇してたらソニアが援護、
俺に変わり彼女達に質問してくれたが・・
「ねえあなた達!もしかしてコウに惚れたの?」
その質問おかしくないか?
「そうで~す!!!私達全員コウさんを愛してます~!!!」
天使族20人は見事に声を揃えて俺に告白してきた。
すると・・
ソニアは立ち上がり天使族達にも立ち上がらせ・・
なぜか全員と握手、ハグまでしている。
「その気持ち痛いほどわかるわ~~」
なんなんだよ!
話が進まないので俺はエマに一任して一旦席を外す、
天使族は冷静になったようでエマと真剣に対話をしていた、
俺は飛龍の艦長室で待機してると数時間後エマが戻ってきた。
エマは天使族とのやりとりを説明、エリーナとソニアは・・
なぜか天使族と意気投合したようで別室で談話していた。
「天使族は全員ご主人様に惚れたようです!」
それはわかるが・・何で突然俺をご主人様と呼ぶんだ?
「こう言わないと天使族が怒り納得しないからです!」
意味がわからないな・・
エマの話をまとめると・・
天使族が住む白の大陸は・・東の大陸とほぼ同じ大きさらしい、
大陸の中には2種類の天使族がいて西と東に分かれている、
今回俺達と戦ったのは・・東に住む白の天使族だそうだ。
白の天使族は基本穏やかだが戦闘に関わると好戦的になるそうだ。
サラマンダーの島を攻撃したのは食料探しの最中攻撃を受けたから、
東の大陸に新たな結界が出来たので仕方なく各地に出向いたそうだ、
だが食料が見つからず捜索範囲を広げていたら遭遇、攻撃を受けた。
一応サラマンダーと話をしようとしたが無視され仕方なく反撃、
戦っているうちに気持ちが高揚し戦いに熱中したそうだ、
気持ちが冷める前に俺達を見つけ・・敵だと思い攻撃したそうだ。
「それはわかるが・・何で俺に一目惚れしたんだ?」
「ご主人様を一目見た時・・神々しい光を感じたそうです、
白の大陸には伝説があるらしく・・天使族を繁栄させる存在、
巨大な力を従える男性が現れた時子孫を設ける事ができると・・」
・・・
つまり・・俺が白の天使族の伝説の存在なのか?
「天使族の言い伝えだと・・そう見えたようです」
・・・
「この方こそ私達に子孫を授ける存在だと彼女達は確信したそうです、
天使族は長らく男性が不在で子孫を設けることが出来なかったそうです、
そのためコウ・・いやご主人様を見て一目惚れしたようで・・」
「ご主人様は照れ臭いな・・」
「私もです、ですか彼女達はご主人様と言わないと怒り出します、
自分達に子孫と繁栄を授けてくれる神の様な存在を称えるのは当然、
それでも妻なのかとこっぴどく叱られました」
・・・
「大体わかったが・・なんで東の大陸の結界が関係してるんだ?」
「天使族は自分達が展開した結界は自由に往来出来るそうです、
今迄は様々な魔物に化け隠れて東の大陸から食料を調達してたけど・・、
新たな結界のせいで往来できなくなり各地に出向いたと言ってます」
なるほど・・
道理で今まで音沙汰が無かったわけだ、秘かに往来していたのか・・
この話から推測すると白の大陸も食糧事情はかなり厳しいようだ。
「それで?天使族とは友好を結べそうなのか?」
「それは可能だと思います・・ですが問題が・・」
「なんだ?」
「全体の天使族はわかりませんが彼女達はご主人様に惚れてます、
今すぐにでも妻にしてほしいと懇願してるので・・・」
・・・
「確かに問題だな、ここで軽はずみな行動を取ると厄介になりそうだ」
「そうですね、天使族は謎だらけなので真意は別にあるかもしれません、
ここは一旦仮同盟という形をとって天使族を知ることが重要かと・・」
「わかった、俺が話をつける、彼女たちを集めてくれ、それとな・・」
「どうしたのでしょう?」
「エマ、君達は今迄通り俺を名前で言ってくれ・・」
「わかりました!コウさん!」
俺とエマは照れあって・・そっと唇にキスをした。
天使族を再び会議室に集め俺が彼女達の前に座る、
皆顔を真っ赤にして照れてるが・・俺は無視して話をする。
「君達の気持ちは嬉しいが・・今まだ俺達は敵対関係にある」
この言葉を聞いた天使族はどよめいた。
「君達はわかるが・・全体の天使族が俺達に好意があるとは限らない、
俺は総司令官として皆の命を預かる身だ、軽はずみな行動はできない、
俺達は交戦する気はないが・・君達が敵対するなら容赦は出来ない」
天使族は俺の立場をある程度理解したようだ。
「まずは君達天使族の代表と話がしたいんだが・・」
「代表は私です~~」
・・・
「失礼ですかあなたのお名前は?」
すると代表は訳の分からない呪文のような言葉を発した、
これが彼女の名前らしいが・・理解不能なので俺は紙を用意した、
それに思いつく名前を書きまくり・・仮の名前として提案した。
「これがいいわ~~」
彼女が選んだのは・・なぜかレティシアだった。
それを聞いたエリーナは複雑な顔をしていた、彼女の苗字だからだ。
「ではレティシアさん、天使族の考えを教えてください」
「あなたの妻になりたいの~」
・・・
どうやら総代表は天然系らしい、すると部下の一人が交代、
さすがに見ていられないようで代表に変わり俺と会話を始める、
彼女も意味不明な名前なので仮の名としてショウコと呼んだ。
「我々天使族も交戦は望みません、だけど条件があります」
「ショウコさん、その条件を教えてください」
「飢餓ほどではありませんが我々の大陸では食料が不足しています、
配下を養うためどうしても広範囲での食糧調達が必須なのです、
今迄は東の大陸から調達していたのですが結界が出来たので・・」
「天使族の大陸では食料の栽培は難しいのですか?」
「天使族はじめ配下は狩猟民族なので農耕の知識はありません、
何度か挑戦しましたが失敗続きでお手上げ状態です、それと・・
東の大陸からある程度欲しい物は調達出来てたので・・」
「東の大陸から調達していた食糧とはなんですか?」
「家畜に食べさせる雑草や野生の野菜や果物、魔物の肉などです、
これらが確保できないと困るので我々は結界の解除を求めます」
「それは理解できますが・・ただあなた達も結界を展開してますが?」
「東の大陸にはドラゴンが多いので用心の為展開していただけです、
ドラゴンの力は強大なので結界が無いと防ぎきれないからです」
「なるほど、ではそのドラゴン達が和睦を求めたら応じますか?」
「えっ?東のドラゴンと知り合いなんですか?」
「ええ深い仲です、よろしければ仲介しましょうか?」
「それは・・ぜひお願いします!」
俺達も天使族も戦いの疲れが出たので一旦話を打ち切った、
すると・・・
「ぐぅぅぅぅぅ~~~」
天使族のお腹から賑やかな音がしたので食事を提供した、
今日の飛龍の献立はハンバーグと鶏のから揚げ定食とワイン、
見たこともない料理に戸惑う天使族だったが・・
「おかわり!」
満腹とワインに酔って・・
その後会議室で全員爆睡したので・・
ジェニー達が急ぎ布団を用意して寝かしていた。