ワイバーンゴーレムとの交戦と天使族の特殊能力
ワイバーンの様な乳白色の生き物?と謎の羽の生えた女性?
?が頭の中で入り乱れるが・・それよりも肝心なのはその数、
ワイバーンもどきは大雑把に見ても3000を超える。
サラマンダーのいた島は消滅しその上空に謎の生き物たちが集結、
俺達の存在に気づいたらしくこちらに向かって勢いよく飛んでくる、
射程距離に入った・・ワイバーンもどきが先に総攻撃をしてきた。
「ズガーーーーン」
先頭にいた阿賀野と酒匂が被弾、煙が出て急ぎ乗務員が消火する、
相手の出方がわからなかったので2隻は氷の盾の展開が遅れ被弾する、
急いでこの2隻を各艦が援護、後方に下がらせ俺は反撃の指示を出す!
「天使族は敵だ!全軍あいつらを蹴散らせ!」
「了解しました!!!!!」
各艦一斉に反撃開始、噴水の様な猛攻撃を海上から浴びせ敵を落とす、
敵も火の球などで攻撃、だが氷の盾と魔法の盾がそれを弾き飛ばす、
その横から戦闘機隊が敵に向かって空対空ミサイルで攻撃する。
「ボカーン!!!」
ワイバーンもどきは悲鳴はなくレンガが砕けたように崩れた、
どうやら生き物ではないようだ、それを見たアデールが叫ぶ!
「あれは・・ワイバーンの形をしたゴーレムだよ!」
ゴーレム?
俺が知ってるゴーレムは石の巨人だが?
「あんなゴーレム見たことない、天使族が操ってるよ!」
元祖ワイバーンのアデールが宣言するんだから間違いなさそうだ、
ワイバーンゴーレムは結界は出せないようで被弾すると粉々に砕ける、
数は多いが確実に壊せるので俺達は対空砲火を徹底した。
次から次へと現れるワイバーンゴーレムだがその都度叩き落とす、
ただ魔法攻撃は効かないのでガルーダとグリフォンは一時退却、
航空母艦に戻りロケットランチャーと空対空ミサイルを装備した。
これは戦闘機の武器を見たガルーダたちが提案した新たな装備品、
背中にリュックの様なものを背負い空対空ミサイル2発を発射できる、
足にはロケットランチャーが入った箱を掴んで離陸する。
ガルーダとグリフォンはこれらを装備したら航空母艦から離陸する、
敵が見えたらまず足のロケットランチャーを一斉発射して弾幕を張る、
発射後は箱を離して身軽となり航空戦、背中のミサイルで敵を撃つ。
ただ弾が2発しかないので単独では動かず編隊を組んで敵を撃つ、
あまりミサイルを搭載すると重く飛ぶスピードが大幅に落ちるそうだ、
それだと危険なので影響の少ない2発だけ背負い攻撃している。
このリュックには機銃を搭載する案も出たが・・それは見送った、
機銃だと弾が尽きても本体が残るので重量はほとんど変わらない、
そのため機銃は見送り発射後軽量になるミサイルだけにした。
それとリュックには盾の効果もあり背中を守るようになっている、
もし被弾してもリュックが代わりに砕け本体には傷を負わせない、
一度戻る必要はあるがすぐミサイル装填できるので採用となった。
各航空母艦はガルーダとグリフォン、航空機の弾補給に大忙しとなる、
他の艦は対空砲火を行い航空母艦に敵を近づけさせない、それと・・
ある程度集まっている敵は戦艦の主砲でまとめて迎撃している。
30分程経過したら敵の数が減ってきた、こちらは死傷者はいない、
だが何隻かは被弾、航空機もかなり失ったがパイロットは皆無事だ、
被弾した艦は後退させ消火・簡易修理後航空母艦の護衛をしている。
さらに30分経過、ワイバーンゴーレムは目で数えられる位減った、
その奥には天使族らしき人物が20人ほどいるのをレーダーが見つけた、
各戦艦はイージスミサイルを装填、天使族に向けてロックオンした!
「各艦イージスミサイル発射!」
複数の艦からイージスミサイルが発射される、狙う敵は天使族だ、
ミサイルは一度空高く舞い上がり急降下して天使族に向かっていく、
ミサイルに気づいた天使族は驚きの表情を見せ即座に結界を張る。
「ズガガガガガガガガ・・・」
無数のミサイルが天使族に命中、だが結界でミサイルは全部砕ける、
天使族は無事なようだが・・相当驚いたようで焦りの動きも見える、
それにしても人間サイズがイージスミサイルを全部砕くとは驚いた。
エニウェアたちが天使族を警戒するのがわかった気がする。
ならばと・・戦艦紀伊に結界増幅弾を主砲にセットさせた。
紀伊の動きを見た各戦艦は全砲門を天使族に向けた、紀伊の攻撃を待つ、
結界増幅弾の発射後に集中砲火を浴びせ天使族を一気に叩き落とす。
紀伊は45度横向きになり全主砲を天使族に向け・・
俺は戦艦紀伊に増幅弾を撃つよう命を出す!
「結界増幅弾発射!」
「ドガガガガガガガガガガガ!!!!!!」
紀伊の全主砲から結界増幅弾が発射!さらに増幅弾を撃ちまくる、
複数いた天使族の結界にそれらの弾が接触!結界を増幅させる。
「バシーン!!!」
結界は風船が破裂したように砕け天使族は全員丸裸状態となる、
彼女達は結界が消えたことで防御力を失い焦りの色が濃くなった、
すぐに新たな結界を展開・・魔力が落ちているのか展開できない。
それを見た各戦艦がチャンスと見て・・
艦体を横向きにして全砲門を天使族に向け一斉発射・・・
「ちょっと待って~!!タンマタンマ~~!!」
女性の声が俺達の頭に響く、どうやら強力なテレパシーのようだ、
俺達は攻撃を一時中止、だが全部隊攻撃体制のまま待機させた。
「あなたたちとお話がしたいの~!応じてくれる~?」
俺達は・・少し考えた。
「ちょっと待ってくれ!皆と相談する」
「おっけ~~~~」
軽いノリの声に疑いは増すばかり、さらに先制攻撃されている、
おそらく俺達の強さにビビり慌てて和解を申し込んだのだろう、
叩きのめすにはいいチャンスだが・・まずは皆の意見を聞いた。
敵であることは間違いないので攻撃を再開すべきだとの声、
反面話ぐらい応じましょうよ!という声が半数ずつ聞こえた。
さて・・どうするべきか・・
俺は考えた後条件付きで話をすることにした、
木人形を経由したマイクを持ち天使族に返事をする。
「そちらが武装解除するなら話に応じてもいい」
「え~~~私達を襲うつもりなの~?エッチね~~」
頭が痛くなった・・
「ふざけるなら話は無しだ、今から攻撃を再開する!!」
「じょ・・冗談よ~そっちが攻撃やめたら武装解除するわ~」
「俺達は自衛のため攻撃したまでだ!先に撃ったのはそっちだ!」
「あれは部下が早とちりしただけよ~てっきりあなた達が~~、
サラマンダーの仲間だと思って攻撃しただけよ~~悪意はないわ~、
先に撃ったのは謝るから攻撃はやめて~~!」
この声を聞くと・・
真実でも嘘のように聞こえる・・
「なんか信じられないな~」
いかん・・うつった!
「とにかく~攻撃はやめて~話ぐらい聞いてよ~野蛮人ね~」
・・・
なんかサーラと出会ったことを思い出す、ふと隣を見ると・・
そのサーラがニヤリと笑いマイク音量最大にして天使族に返事する。
「話の見返りに・・何を出すのよ?」
俺達はサーラを急いでマイクから離して縛り上げ・・さるぐつわ!
俺達は貢物が欲しいわけではない、話をややこしくするな!
すると相手から誘惑の様な返事が返ってくる・・
「え~~っ?私の身体でよければ喜んで出すわよ~、
さっきの男の人が望むなら昼でも夜でもお相手するわよ~!」
・・・
さらに頭が痛くなったので・・
とりあえず攻撃はお互い中止することを提案、相手も了承する、
天使族が話をしたいと繰り返し言うので急ぎ飛龍の甲板を空にした、
飛龍の甲板に来るようにと伝えたら10分後全員飛んできた。
飛んできた天使族は端から見ると長身のモデルの様な綺麗な体型、
その背中には白く美しい翼がありそれを広げて優雅に飛んでいた、
ただ顔は・・全員のっぺらぼうだった。
飛龍の誘導灯を点灯させ天使族を誘導し甲板の上に着陸させる、
他の艦には念の為スナイパーを待機させ天使族に向けて狙撃準備、
妙な動きをしたら全スナイパーに天使族を撃つよう指示した。
甲板に降りた20人の天使族、飛龍はじめ各艦の大きさに驚いていた、
まずが俺が・・その前にジェニーたちが完全武装で甲板に移動、
大人数で天使族を囲み銃を向け動くなと命令している。
すると・・?
「あらあなたたち可愛いわね~ちょっとお顔コピーするわよ~」
20人の天使族の身体から謎の光の球がたくさん出てきた。
それがジェニーたちの顔に接触、するとパックのように顔を覆う、
次の瞬間・・光のパックは消え天使族の顔に変化が現れる。
今迄のっぺらぼうだった顔が・・・
「う~ん久々の顔ね~気に入ったわ~!」
全員ジェニーたちの顔を混合したような美しい顔になっている、
当のジェニーたちは驚き顔を触る・・特に変化はないようだ、
さらにスマホの鏡アプリで確認・・変化なく顔が映ってる。
安堵の表情を見せるジェニー達・・
気持ちを切り替えて尋ねる!
「あなた達!!!私達の顔に何をしたのよ?」
「言ったでしょ~?コピーしただけよ~美しいでしょ~」
コピーだと?
なんで異世界の言葉を知っているんだ?
疑う俺達の心境を笑うように天使族の代表が微笑む、
そして・・
「そちらの代表と話がしたいわ~」
「いいだろう、俺が話をつけてやる!」
天使族を飛龍の会議室に招き・・
お互い向き合って席に座った。