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主人公コウのかすかな喜びとのっぺらぼうの天使族




未だにガッカリしている俺をキマイラ猫達が慰めてくれた。



「にゃ~ん!」



「にゃあ~ん!」



ありがとう。



おかげでかなり気持ちが楽になった。



俺が予想以上に落ち込んだのを危惧した木人形とジェニーたち、

これはまずいとばかりあるミニチュアを緊急生産することに・・

完成後木人形とジェニーたちが俺の事務所に訪れた。



「コウさんお喜びください!希望の品が出来ました!」



それは・・



聖●士●矢に出てくる鎧の精巧なミニチュアだった、それも全種類、

さらに専用の棚も用意してくれた、俺は喜びに溢れていた。



ところで・・



マジの●衣は造れなかったのか?と尋ねてみると・・・



技術的には作成は可能だが大きな問題があるとのこと。



まず共通部品がほぼ無いので完全オーダーメイド、修理が大変らしい、

一度砕かれるとその部分は新たに作成するので膨大な手間がかかる、

それなのに防御力はイマイチなので普通の鎧の方が適してるとのこと。



さらにこの世界のオリハルコンは加工するとただ硬いだけの金属、

自動分割装着、分離合体は無理で術者が膨大な魔力で行う必要がある、

困るのがトイレで翼などが邪魔するので全部脱がないとまずいらしい。



一番の懸念は・・



狭い艦の中であれだけ複雑な鎧を纏うと動きが鈍くなり正直邪魔、

戦いの最中膨大な魔力を使ってまで装着する必要はないそうだ、

そのため携帯用の武器や鎧は普通のデザインで制作することとなる。



・・・



まあ確かに複雑だから実戦には不向きなのは理解できる、

ただ鎧にある程度●衣のデザインを取り入れることは可能らしい、

俺は要望を伝え自分用の鎧を造ってもらうことにした。




木人形とジェニーたちが去った後俺は棚の鎧を見て気持ちが高騰、

昔軍艦や車等のプラモを自分の部屋で飾っていた気持ちを思い出す、

俺は子供のようにはしゃぎミニチュアを観察しまくっていた。



それを隠れて見ていたエマたちは・・





何やら閃いたようだ!




翌日・・・




俺の部屋に突然ジェニー達が押し入り棚のミニチュアに番号をつける、

そして俺を抱えて急ぎ王城の大会議室に連れて行く、俺は当然抗議・・

ジェニー達は俺の顔に胸を押し付け強制的に黙らせた。



背広に着替えさせられた俺は大会議室の教壇に立たされる、

その横には●衣のミニチュア、なぜかデーヴィド達が集結している、

訳がわからない俺を尻目にアナウンサーが言葉を発する。



「これよりコウ様から各種族の代表に記念品が贈呈されます!」



えっ??なんで?



俺の疑問を無視するようにアナウンサーが進行を続ける。



「この度の記念品贈呈は各種族の方々の皆様の苦労を労うものです、

呼ばれた方は教壇に上がり希望番号を伝え記念品をお受け取りください」



なんだそれ?



俺は躊躇ためらい・・





軍所属の時に体験した勲章受章を思い出した、あの時はたしか・・

俺が洪水の時2人の子供を命がけで救出したことで表彰された、

この状況はあの時と同じ、ただ俺が表彰する側になっている。



「デーヴィド様!教壇におあがりください!」



デーヴィドが教壇に上がり希望番号を伝える、そのミニチュアは・・

彼の星座のミニチュアだ、それをジェニーたちが棚から持ってくる、

そして俺は・・なぜか労いの言葉とミニチュアをデーヴィドに贈呈。



彼は喜び・・ミニチュアを大切に持ち席に戻った。



続けてクリスティーナ達が次々と教壇に上がり希望番号を伝えていく、

俺はそのミニチュアを次々と贈呈して労いの言葉をかける、皆笑顔だ、

どうやらこのミニチュアを勲章代わりにしているようだ。



俺は当然納得はいかない。



ただ・・



皆の嬉しそうな顔をみて・・




とても贈呈の中止は言えなかった。




最後の一人に手渡した後俺は各種族に労いと感謝の言葉を送る、

皆が去ったあと棚を見ると・・4つだけミニチュアが残っていた、

その時エリーナ達が爽やかな笑顔で俺の傍に詰め寄る。



「次は私達への表彰ね」



「浮気はダメですよ!私達を見てくださいね!」



「喜びの笑顔は私達にだけ向けてね」



・・・



もしかして彼女達はミニチュアに嫉妬していたのか?



それを振り払うため勲章代わりにして散布したのか?




「そんなことないわよ!」




妻たちは声を揃えて否定したが・・目はしてやったりと言っている、

俺は呆れながらも彼女達にもミニチュア贈呈し労いのキスをした、

事務所に戻ったら専用棚は撤去され一体だけが残っていた。



それは俺の星座・・双子座のミニチュアだった。



・・・



俺はそれを専用ケースに入れモニターの横に飾った。




翌日・・



ドワーフの村で待機しているリリーとララーから連絡が入る、

サラマンダー達が慌ただしく動き島から脱出してるとのこと、

嫌な予感がするので増援をお願いしたいと連絡が入る。



増援に関しては相談の結果俺達異世界軍が行くこととなった、

俺達は艦隊を2つに分け急ぎドワーフの村に向け出港した、

今回は俺コウが出向きデーヴィド達がルーム島に残る。



ドワーフの村に向かう艦は以下の通り。



● 戦艦 アリゾナ・オクラホマ・紀伊。


● 航空母艦 蒼龍・飛龍。


● 重巡 最上。


● 軽巡 阿賀野・酒匂。


● 駆逐艦 雪風。



アリゾナとオクラホマは改装が終ったのでエルフ軍に戻す、

それまではアリゾナを旗艦として俺コウが指揮を取る、

帰りは紀伊を旗艦として戻ることにした。



この際武蔵を出そうかと話も出たが今回は見送った、

まだ戦いになると決まったわけでもないので切り札を温存した、

万一の時は大和を出して対応するそうでデーヴィド達が残った。



「全艦出撃!ドワーフの村に向かう!」



各艦の雄叫びの様なエンジン音が港に響く!



艦隊は戦艦3隻を中心として後ろに航空母艦と駆逐艦、

横は軽巡が護衛し戦闘は最上が先行する。



西の大陸の川では艦隊は縦並びとなりドワーフの村に向かう、

川は巨大な紀伊でも通れるがそれほど余裕はなく神経を尖らす、

各地のサーベルタイガーが援護してくれたので交戦は無かった。



ドワーフの村には大きな港が出来ていて紀伊でも余裕で入れた、

アリゾナから降りた俺達をドワーフの長老たちが出迎えてくれた、

リリーとララーの待つ集会所に各種族の幹部も集結している。



俺達は挨拶を交わした後皆でサラマンダーの島を人工衛星で偵察する、

中は黒雲で覆われて見えなかったが・・その中に何かが入っていく、

どうやらサラマンダー達はその何かと戦っているようだ。



突然・・



「ドドドドドドドド・・ドカーン!」



何かの爆発音が突然鳴り響く、その襲撃はすざましく村まで届いた、

地震の様な揺れが生じた後サラマンダーの島が大爆発を起こす、

急いで南の方に逃げるサラマンダー達、だが大半は何かに落とされた。



そして・・



サラマンダーの島はさらなる大爆発を起こし跡形もなく消えた、

その煙の中から何かが大量に出てきて不気味に目を光らす、

その姿は・・乳白色の身体を持つワイバーンの様な生き物・・



同行していたワイバーンのアデールに確認してもらった、

だが彼女はワイバーンは乳白色の個体は無いと言い切った、

ならこの生き物は・・?



すると煙の中から翼の生えた女性らしき人物が複数見えた。



もしかして天使族か?



すると・その中の一人が人工衛星に気づいたらしく上空を見上げる、

その顔は・・ない?



「えっ?のっぺらぼうなの?」



エリーナが驚きの声を出す、するとのっぺらぼうは雲を呼んだ、

雲は彼女達を隠すかのように割って入り人工衛星の視界を遮った。



俺達は危機を感じ・・



急ぎ各部隊に戻り戦闘態勢、各艦も出港して沖合いに移動する、

航空母艦から全戦闘機を離陸させガルーダ―達も全員空で待機、

各艦サラマンダーの島に砲を向けて迎撃態勢を整える。



乗務員には急ぎおにぎりなど簡易食を配布し皆がそれを食べる、

長期戦の可能性もあるので腹ごしらえをしてその時を待つ。



しばらくしたら・・・



無数の乳白色のワイバーンと天使族らしきものが・・



こちらに向かって飛んできた。


















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