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エニウェアの領地と新たなる敵の存在




初級エニウェアドラゴンの年長者が静かに語り始めた。



「まずは我らの領地を説明させて頂きます」



年長者はサーラのお供の女性に指示を出す、すると・・

彼女は収納魔法を展開して大きな地図を出してきた、

あれは最初に出会った時に見た大きな紙だ。



それを木人形が預かりカメラを通してモニターに映す、

大画面に映し出された地図には各地の地形が書かれていた、

気になるのは南と東の大陸の後ろにある謎の大きな大陸だ。



「この大陸が我らエニウェアの領地となります」



南の大陸の後ろの大陸がエニウェアドラゴンの領地らしい、

大きさは北の大陸とほぼ同じでかなり広い。



「我らはここを「黒の大陸」と呼んでおります!」



「黒はエニウェアには最高の色なので大陸名も黒にしています、

エニウェアドラゴンの首領はじめ特級レベルは皆漆黒の身体、

漆黒が支配していることから「漆黒の大陸」とも言われています」



と言われても・・



俺はじめ各種族は初めて聞く名前だからな・・



俺が振り返ると・・



同盟仲間も俺と同じ気持ちらしく静かに頷いていた。



「無理もありません、南の大陸の後ろは結界で遮断しています、

漆黒の大陸に行けるのはエニウェアとその支配下の魔物だけです、

他は特殊な魔法結界で遮断するので存在を知らないのは当然です」



なるほど。



年長者の話は続く・・



「漆黒の大陸には我らエニウェアをはじめ配下の魔物がいます、

具体的にはデビルガーゴイル・サラマンダー・ブラックキマイラ・

シーバジリスク・レッドフェルリン・ヒドラ等です」



ここでクリスティーナが年長者に質問する。



「黒の大陸には大人しい魔物はいないのですか?」



「いますよ、例えばそこにいるホーリーキマイラが大人しいです、

他にもユニコーンやペガサス、セイレーン等多種多様な生物がいます、

これらは治癒魔法が得意なので我らや魔物たちの治療をさせています」



ここで俺は疑問を感じたので年長者にある質問をする。




「それらの中に死者蘇生魔法が使える魔物はいますか?」




「漆黒の大陸の中にはいません、ただここ・・」




年長者は黒の大陸と謎の大陸の中間にある島を指さした、

日本の四国位の大きさで周辺には小さな島が無数にある。



「私は見たことはありませんが・・ここにフェニックスがいます、

この鳥が死者蘇生の魔法を使えると祖父から聞いたことはあります、

祖父たちはこの島をフェニックスの大陸だと教えてくれました」



この言葉に俺を含む各種族は驚いた、そして質問の嵐が飛び交う、

それら質問に知る範囲で答える年長者、要点をまとめると・・



● 死者蘇生はその生物一体につき蘇生は一度だけ。


● 死後2時間以内で身体が行動可能な状態であること。


● 寿命での死は蘇生できない。


● フェニックスの住処内でないと蘇生魔法が使えない。


● 死者蘇生の確率は30%位、魔法が効かない事もある。


● 島には強力な結界があるらしくエニウェアでも入れない。



年長者もこれ以上は知らないらしく死者蘇生の質問はここで止めた、

その後他の質疑応答に入り年長者はそれに答えてくれた。



まずエニウェアドラゴンの食糧事情はそれほど悪くないらしい、

配下の魔物が黒の大陸周辺で狩りをしてるので飢えることはない、

それと首領が役立たずは処分するので皮肉にも数が調整されている。



ただ味に関しては・・



「美味しいとはとても言えません」



エマツー達が揃って声を出す、ほとんどが魔物の生肉なので血の味、

それに加え格下は余りや腐りかけの肉ばかりでとても不味いらしい、

俺達の味を知った今は・・・もう二度とあれは食べたくないそうだ。



ここで休憩を入れておやつを出すと・・



初級エニウェア一族は飛び上がって喜んでいた。



それに加え・・



レイナたちも同じように喜んでいた。



・・・



この時ばかりはエニウェアも他の種族も手を取り合って喜ぶ、

大量のおやつを造った料理人木人形達が挨拶に訪れていた、

各種族は料理人木人形たちを神様のように崇めていた。



・・・



この世界では胃袋を掴んだものが最強なのかもしれない・・



休憩が済んだあと漆黒の大陸の気候や日々の活動等の話となる、

気候は南の大陸とほぼ同じで少し暑い、地形は山脈が多いらしい、

他にも闘技場や訓練所が至る所にあり鍛練を欠かさないそうだ。





十分強いはずのドラゴンなのに訓練をしているのか?

それにエニウェアドラゴンは好戦的なんだろう?はて?

日々戦ってるので別に訓練する必要はないと思うんだが?



俺の疑問を察したかのように年長者が答えてくれた。



自分達は確かに好戦的ではあるが・・訓練には理由がある、

ある敵との戦いに備えて日々鍛えておく必要があるらしい

年長者は東の大陸の後ろにある大陸を指さして力説する。



「この大陸、我々は「白の大陸」と呼んでいます、ここには・・

我らの天敵とも呼べる厄介な種族が住んでいます」



「その敵とはなんですか?」



「天使族です」



・・・



まあ魔族やドラゴンもこの異世界にいるから不思議ではない、

ただ俺のイメージだと天使族は背中に羽の生えた美女のイメージ、

さらに民衆に優しく戦いを好まない種族だと思っていたが・・



この世界は違うらしい・・



「天使族は凶暴で残忍な種族です、過去に何度か戦いました」



俺のイメージとは真逆だな・・



「その戦いにあなた達も参加されたのですか?」



「いえいえ・・我らは配下の魔物にも勝てない足手まといです、

天使族と戦えるのは最低でも中級以上のエニウェアと魔物達です、

相手の指揮官クラスになると特級エニウェアでも苦戦しますから・・」



天使族は相当な強さらしいな・・



「今の所天使族が漆黒の大陸に攻める気配はありません、ですが・・

新たな敵・・あなたたちの存在が出たのでエニウェアは板挟み状態、

首領も今はあなた達との戦いは避けるよう命じているそうです」



ここでエリーナが年長者に尋ねる。



「でも先日攻めてきたじゃない?それもあなた達を盾にしたわ」



すぐさま年長者が答える。



「あれは指揮官エニウェアの独断です、我らの管理の責任者です、

サーラが投降したので我らの弱点を調べられることを恐れたのです、

それゆえ血相変えて我らを招集してこちらに攻めさせたのです」



どうやら特級エニウェアのリーダーが言ったことは本当のようだ、

今は戦う気が無い・・と言ったのは天使族の奇襲を恐れたと見る、

さすがのエニウェアも俺達と天使族と同時に戦うのは避けたようだ。



つまり・・



今の俺達はエニウェアが警戒する天使族と互角の力を持っている・・



と言える。



自分の妻や子を容赦なく殺す残忍な首領でも俺達と戦いを避けた、

今なら南の大陸を奪還して漆黒の大陸にも攻めれるかもしれない。



だが・・



天使族が味方とは限らない。



どうかしたら俺達に奇襲をかけてくるかもしれない。



・・・



悩んでいる俺にレイナがアドバイス。



「エニウェアが戦いを避けるなら・・こちらも戦う必要はないと思うの、

天使族も味方とは限らないし元南の大陸の種族も戦いは望んでないわ、

今は皆で備えを増やすべきよ、戦いはそれからでも遅くはないわ」



このアドバイスを聞いた皆が頷いた。



それを見た俺はレイナのアドバイスを採用することにした。



その後も話は続き・・



当面戦いは避け状況に応じて臨機応変に対応することとなる。



初級エニウェア達には同盟締結後異世界軍に配属することを提案、

しばらくの間見習いとして各部署で働いてもらい適性を見極める、

具体的には艦の操舵や戦闘機の操縦、整備等を考えている。



あとレイナたち希望の本体召喚魔法の提供などもお願いした、

それとエニウェアの首領等にテレパシーが盗聴される可能性がある、

そのためテレパシーは使えないよう封印させてもらう。



対価として個々の住処や食料の無料提供、各地の移動許可等、

テレパシー代わりのスマホ提供やカラオケ、温泉などの娯楽施設、

それらの使用許可や勉学など希望に応じて提供することを約束した。



これらの話を聞いた初級エニウェア達は・・




同盟を快諾した!




俺達とサーラ達は円陣を組み皆で手を繋ぎ宣言する!




「これより私達は皆仲間である!共に助け合い発展しよう!」




こうしてエニウェアとの同盟は成立となる!




「これからもよろしくね!」



「こちらこそ、宜しくお願いします!」



皆笑顔であいさつしたあと・・



料理人木人形が山ほど料理を出してきて・・



楽しい宴会がはじまった。





















次回の更新は4月25日(日曜日)の予定です。



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