復讐を果たしたルーム国民と5匹の特級エニウェアたち
指揮官らしきエニウェアドラゴンが俺達の攻撃に翻弄されてる、
右側のルーム国艦隊がその存在に気づき怒りをあらわにする、
数多くの仲間を殺した張本人が目の先にいるからだ。
その中から戦艦長門が単独で出てきた。
俺をはじめ各部隊の隊長たちは気持ちを察知し露払いに徹した、
長門と指揮官エニウェアには誰も近づけないように攻撃続行、
それを見た長門艦長のリシャールは感謝の敬礼で応えた。
「いくぞアイザック!あいつを叩き落とす!」
「ああリシャール・・八つ裂きにしてやろうぜ!」
戦艦長門は怒るように赤く輝きエニウェアに近づき砲撃体制、
指揮官エニウェアは長門だけが自分を攻撃すると察したようだ、
エニウェアはいきなりブレスで長門を攻撃してきた。
「 氷の盾」
レイミが造った氷の盾を展開しブレスを寄せ付けない、
驚いた事に氷の盾は蒸発することなく形を維持している、
横から長門がお返しとばかりに主砲以外の砲で攻撃を始めた!
「ドカカカカカカ・・・」
「ドコーン!」
長門の機銃と副砲、それとロケットランチャーがエニウェアを襲う、
すぐに結界を出しそれらから身を守るエニウェアだが・・
長門はすぐさま横向きになり全主砲をエニウェアに向ける。
さらに・・
前の主砲の上にリシャール、後の主砲の上にアイザックがいた、
彼らは氷と炎の上級魔法を放つ体勢で主砲の真上に飛んだ、
飛んだ瞬間長門の主砲・・結界増幅弾がエニウェアに放たれる!
「バシーン!!!」
エニウェアの結界は風船のように破裂して丸裸の状態になる、
すぐさまリシャールとアイザックが上級魔法で攻撃した!
「キィーン!!』
氷と炎がエニウェアに目がけて飛んでいく、そして衝突、
極度の温度差の2つが混じったことで大爆発が起きた、
それをまともに食らったエニウェアは・・絶命して堕ちていく。
リシャールとアイザックは主砲に着地し・・ガッツポーズ!
それを見たルーム国の兵士たちが雄叫びを挙げる!
「みんな~~~仇は討ったぞ~~!」
すぐさま長門から全種族に仇討ち成功の報告が入る。
歓喜に沸くルーム国艦隊はじめ国民たち、国王も歓喜の涙だ、
堕ちていくエニウェアを皆が見ていたが・・止まった?
指揮官エニウェアは絶命しているが・・なぜか空に浮いている。
そこには・・
「やれやれ・・こいつもあっさりとやられたな・・」
「まあ上級レベルだとこんなもんだろう」
「また負けたな、首領が怒るぞ・・まいったなこりゃ」
「じゃお前が次あいつらと戦うか?」
「おい待てよ、俺一人でこの大軍と?そりゃないぜ・・」
俺達の視線の先には・・
首領に似た漆黒のエニウェア・・それも特級レベルが5匹もいた、
すぐさまサユミとタケシ、ショウとレイミが本体に戻り戦闘態勢、
それと特級ガルーダのカオス、グリフォンのレイナも本体に戻る。
危険を感じた特級ワイバーンのアデールもこちらに飛んできた、
上級のジセル・ルミナ達は震えていたので後ろに下がるよう命じた、
双子の特級ガルーダのシルヴィとソフィアは後方で待機させた。
俺はソニアの転移魔法で急ぎ紀伊の艦橋に移動した、
デーヴィド達は信濃に移動し戦闘態勢で待機している、
サユミとタケシが本体で待機したので2隻は俺達が指揮する。
信濃と紀伊はゆっくり前に出て特級エニウェアの攻撃に備えた。
「長門は後退して後方艦隊の指揮を取ってくれ!」
「了解、指示に従います」
俺の指示に従い長門は後方に下がり後方部隊と合流、
ビスマルク達と共に戦闘態勢のまま待機している。
さてどうするか・・・
戦力はこちらが上だと思うが、相手の強さは未知数だ、
戦えばこちらの被害も相当だろう、それは避けたいが・・
「そちらの指揮官と話がしたい」
5匹の中のリーダーらしきエニウェアからテレパシーが届いた、
俺コウが返事を・・ソニアから名を名乗るのはやめろと言われた、
俺は頷き木人形を経由して返事を送る。
「俺が指揮官だ、用件を聞こう」
「我らは今回争う気はない、攻撃をしなければすぐに退く」
「先に攻めてきたのはそちらの方だが?」
「部下はサーラ達を取り返しに来ただけだ」
「俺達はサーラ達を返す気はない、奪う気なら戦うまでだ」
・・・
リーダーらしきエニウェアはしばらく考え・・・
「よかろう、お前たちがこれ以上攻撃しないのなら撤退する」
「それでいいのか?」
「我らは部下を連れ戻しに来ただけだ、他に命令はない」
「わかった、撤退するなら攻撃はしない、だが備えはさせてもらう」
「わかった」
特級エニウェア達は仲間を回収した後約束通り撤退していった、
それらを人口衛星で監視しながら全軍戦闘態勢のまま待機させた、
5匹の特級エニウェアは南の大陸の方に飛んで行った。
俺達は人工衛星で特級エニウェア達がどこに行くのか注視していた、
南の大陸を過ぎたはるか先には・・
黒い雲に覆われた謎の大陸があった。
特級エニウェア達がその大陸の中に入っていく・・
それ以降は見えなかった。
敵がいなくなったことを確認した後俺は戦闘態勢を解除した、
各艦それぞれの拠点に戻り整備を受け各種族は休憩に入った、
俺達も拠点に戻り休憩に入ろうとしたが・・連絡が入る。
「コウさん、鍾乳洞に連れてきたエニウェア達が目覚めました、
コウさんはじめ各種族の代表者と話がしたいと言ってます」
「わかった、すぐに向かう」
俺とデーヴィドはじめ各種族の代表も急ぎ駆け付け鍾乳洞に向かう、
30体ほどのエニウェアドラゴン達はサーラとの再会を喜んでいた、
全員人間姿で本体は異空間に収納している。
かなりの大人数になったのでルーム国城の大会議室に移動した、
ここでの視聴は警備以外の各種族にスマホでチェックできる、
同時に録画も行い後からでも閲覧出来るようにしている。
ちなみにメディ達もルーム国に戻らせ話し合いに参加させた、
まだ艦の扱いに慣れてないのと特級エニウェアの驚異があるからだ、
サーラの知り合いから詳細を聞いてから次の行動を考える。
舞台を急ぎ造り俺を含む各種族の代表1人が丸いテーブルに座る、
エニウェアのサーラとエマツー、年長者3人が対面に座る、
他のメンバーは舞台の下の椅子に座ってもらい視聴してもらう。
まずは・・
エニウェアを代表してエマツーが各種族に感謝の意を述べる。
「私たちを助けて頂きありがとうございます」
次にサーラが今までの経緯と今回の行動を詳細に説明した、
他のエニウェア達はその話を聞き俺達に感謝の仕草を見せる、
説明が済んだ後エニウェアの年長者が俺に質問してくる。
「我々は今後どうしたらいいのでしょうか?」
「こちらとしてはサーラと同様あなた達との同盟を望みます、
現時点考えているのはエニウェアの情報と労働を頂きたいのです、
こちらは対価として食料と住処の提供を考えています」
「我らは力を奪われた役立たずです、ご期待には・・」
「私はそうは思いません、目線を変えれば新たな発見もあります、
例えばあなた達が展開している本体の異空間収納魔法が一例です、
これは我々にとってはとても魅力的なのです」
今迄ガルーダ達の本体は航空母艦等に収納することが多かった、
だが大幅に場所を取るため当人たちも気兼ねしていた、さらに・・
分身が出た本体は無防備なので攻撃されたらひとたまりもなかった。
そのため軽巡や駆逐艦、プロペラ機等は本体を守ることに専念、
だが異空間に各種族の本体を収納できれば襲われる危険が減る、
さらに必要な時に本体を召喚出来れば様々な戦局にも対応できる。
これに関してはサーラの召喚を見たレイナたちが興味を示していた、
出来ればこの召喚魔法を獲得したいので話を持ちかけてほしい・・
俺はレイナたちから事前にこのことを聞いていた。
だが念の為・・
俺は新たなエニウェア達の心境を確認したいのである質問をした。
「我々はあなた達がサーラの大事な友人知人と聞いております、
サーラ達の要望に沿い麻酔弾を使いこちらに来てもらいました、
ただあなた達が元の場所に帰りたいのなら引き留めませんが・・」
俺の質問に対してサーラが速攻の返事!
「コウ兄ちゃん大丈夫だよ!みんな私と気持ちは同じだから!」
・・・
「わかった!俺はサーラの言葉を信じる」
「うん!ありがとう!」
サーラは満面の笑みで喜んでいた。
サーラの笑顔を見た初級エニウェアたちはものすごく驚いていた、
格下エニウェアは皆の前で笑うと上から睨まれ厳罰にされるそうだ、
だがサーラは・・
「ここではそんな怖いことはないよ!」
とばかりに笑顔でコウに寄り添っている。
そして・・
サーラを信じて一緒に笑う総司令官コウに皆が魅了した。
俺達が信用に値すると感じた年長者たちは・・
エニウェアの事を語り始めた。
次回は4月23日(金曜日)夜の予定です。
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