ディャーヴォルの噂とアリエノールの嫌な予感
リディア・ディャーヴォル、彼女は一目見ると清純系の美少女、
髪は腰まであってその白髪は例えて言うならパールホワイト!
まさに真珠のような美しい髪に幼さが残る17歳の女性だ。
だが・・・
彼女の幼少期は誰も知らない、突如山から下りてきて軍に志願したらしい、
その際手土産として現地で恐れられていた巨大熊を狩って首を持ってきた、
それを見た司令官は即座に認可、更に特例として少佐の階級も与えたのだ。
そして軍での挨拶、皆はあまりにも若いのでその実力を疑ったが・・
だがリディアは笑顔で手土産の熊の首を見せ・・皆は震え上がる。
「リディア・ディャーヴォルです!よろしくお願いしますね~~~~!」
さらに彼女が名乗った・・リディア・ディャーヴォルと言う名前・・、
ディャーヴォルとは現地で悪魔と言う意味でその名を持った男?がいる、
そいつは取引は普通に行うが現地では死神の使いと噂され恐れられていた。
というのも・・
その昔当時の王がディャーヴォルを捕らえたら懸賞金を出すと言った、
それはディャーヴォルが働いていないのに高額取引を行うので王が疑問視、
住処に隠し財産があると考え奪おうとディャーヴォルに懸賞をかけたのだ。
だが・・
・・・
懸賞金目当てに集まった大勢の冒険者や賞金稼ぎ等は誰も帰ってこなかった、
さらにその王も数日後突然死、その顔は恐怖に怯え見るも無惨な姿となった、
以降現地では取引こそ行うが誰もディャーヴォルに深入りはしなかった。
そのディャーヴォルの名を名乗る謎の女性・・・
軍の司令官はリディアがディャーヴォルの娘だと考え特権階級を与えた、
もしそうであれば・・逆に何かあった時駆けつけるかも知れないと考えた、
悪魔と噂される男?を間接的に味方にして置く事に損は無いと考えたようだ。
そうしてリディアは軍に配属、次々と盗賊達を蹴散らし死神姫と恐れられた、
現時点彼女と対峙した盗賊は誰1人生きていない、全員即座に斬り刻まれた、
その強さは正に無双、あらゆる腕自慢達も挑んだが全員この世にはいない。
その彼女には側近が2人、司令官が気を利かせ同年代の軍師候補の男性、
もう一人はミディアムヘアの女性でどちらも軍貴族出身のエリートだ、
なにせリディアは戦闘こそ無双を誇るが他は大雑把なのでサポートさせた。
ちなみに軍師候補の男性の名はアンドレイ、女性はディアナと言うそうだ、
アンドレイはリディアに命じられ罠の準備、ディアナはリディアと打ち合わせ、
どうやって俺達をおびき寄せるか・・リディアはある作戦を考え伝えた。
「ねえねえ!あいつらの船凄く大きいんでしょ?」
「ええ・・密偵の報告だと200mを超えるのもいるそうです」
「ならこの地におびき寄せようよ!そうして動かせないようにして白兵戦、
さらに猛獣や魔物達にも襲わせれば案外早く片がつくと思うよ!」
「それは妙案ですが・・どうやって動かせないようにするのですか?」
「忘れたの?ここから北の海に向かったら氷山が沢山あるでしょ?
それを魔物達に運ばせて風上から一斉に流せばあの船達は動けなくなるわ、
さらに氷山の中に精鋭達を隠しておけば即座に踏み込めるでしょ?」
「そ・・そうですね!それならあの巨大船も止められそうですね」
「既に部下達に用意はさせているわ、あとはあいつらを誘き寄せるだけ、
だから貴方が適当に攻撃してここに誘き寄せるように逃げるのよ、そして・・
船を止めたら私達が一斉に踏み込むわ、貴方は引き返して後に続いて!」
「わ・・・わかりました!すぐに動きますね!」
ディアナは鼻息荒くして軍勢を整え千鳥列島に向かって軍を進めていく、
それを見たリディアは奇襲の準備、アンドレイと入念に打ち合わせをする、
あとは俺達が来るのを待つだけ、リディアはお菓子を食べながら待ち構える。
そのころ・・・
「えっ?10km縛りはそのままですか?」
「ええ、そのミワという子がまだ信用出来ないからそれは続けて!」
リィブラは神族のアテナにミワの存在を伝え10km縛りの解除を求めた、
人工衛星は無理としても10kmより先に飛べれば偵察が容易になるからだ、
だがアテナはまだミワは信用出来ないと考えリィブラの訴えを退けた。
なので・・・
10km縛りは継続、これが俺達にとって一番の厄介事となっていた、
特に戦闘機の使用が制限されるのでリィブラはもの凄く悔しがった、
止むなく彼女は乗組員達に報告、乗組員達も黙り込むしかなかった。
だが10km以内ならレーダーも使えるので周辺の監視は怠らない、
そして見つけた密偵達、近くの島に隠れているのは見つけている、
だがあえて攻撃はしない、逆に相手の出方を待つことにしている。
翌日・・・
罠の準備が整ったリディア達、あとは俺達を誘き寄せるだけ、そして・・
俺達を引きつけるためディアナは俺達に向かって丘から攻撃してきた!
「目標謎の船隊!全部隊投石機で攻撃せよ!!!!」
ドシュドシュドシューーーーーーーーー!!!!!!
巨大な投石機が次々と現れ石を飛ばしだが魔法で勢いを加え攻撃してきた、
俺達は海岸から5km離れた位置にいるのだが石は勢いよく飛んでくる、
ここはアイスシールドで・・アリエノールが突如叫び艦隊は後退する。
「各艦射程外に退避!アイスシールドや迎撃はしないでください!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
12隻は即座に後退、射程外に逃げた後武蔵艦長代理アリエノールが語り出す。
「皆さん聞いてください!おそらくあの軍勢は私達を誘き寄せるつもりです、
そのためあえて遠方から攻撃して私達の気を引き即座に撤退するでしょう、
そしてその先には罠があるはず・・私が昔行ったやり方です・・・」
アリエノールは・・何とも言えないような顔をしている、それもそのはず、
敵対してた時隣にいる部下だったソネットを生贄にしようとしてまで行った罠、
思い出したくない記憶ではあるが・・即座に危機を感じ迷わず叫んだ。
「ご・・ごめんなさい・・私取り乱して・・でも嫌な予感がするのです、
今こちらの手を見せると後々響きそうで・・ご・・ごめんなさい・・」
アリエノールはひたすら謝る、だが乗組員達は・・
「いい判断だと思いますよ、相手は未知数ですからね!!」
「そうですね、用心に超したことはありません、気にしないでください!」
乗組員達はアリエノールを励ます、それは大和にいるリィブラ達も同じ、
未知の地に向かうからには用心に超した事は無いとアリエノールを励ます、
その言葉を聞いて安堵するアリエノール、その横でソネットも励ましていた。
すると・・・
「敵攻撃隊撤退して行きます!」
ディアナ達はわざとらしく撤退、だがその姿は俺達の方面からだと丸見え、
明らか様についてこいという素振りで逃げていく、それを見たリィブラは・・
「アリエノールの言う通りあの先に罠があるわ、でも私達は引き返せません、
なのであの軍隊の後を追います、もちろん罠は用心しますけれど・・
いざとなったら罠ごと吹き飛ばせばいいのです、その力は十分にあります!」
これを聞いたアリエノールは・・
・・・
今乗っている艦、戦艦武蔵とその隣にいる大和は自分達の罠を吹き飛ばした、
あの時とは状況は異なる、最強2艦の強さと恐ろしさは自分がよく知っている、
その力が今の自分にはある、さらに僚艦も大勢いる、焦ることは無いと悟る。
「あ・・ありがとう、おかげで落ち着いたわ」
その言葉を聞いたソネットは安堵、そして各艦一斉に動き出してディアナ達を追う、
それを見たディアナはニヤリと笑い一目散に罠のある海域に向かって走っていく、
二時間後に艦隊は下関の関門海峡のような海域に辿り着き・・
「ふふふ・・かかったわね!」
次の瞬間!!!!!!
ザッバーーーーーーーーーン!!!!!
突如前後に巨大な氷山が現れ・・艦隊は閉じ込められてしまった、
次の瞬間無数の数の矢や投石、魔法弾や氷山の塊が飛んで来て・・
・・・・
俺達は八方から攻撃されるのだった。




