あえて囮となったミユキとアズミ達第5艦隊の到着
第2艦隊はミッドウェーに上陸、散策したが殆ど手つかずの島だった、
あの巨大魔物もここを住処にしてたわけでは無く召喚されたようだった、
その証拠に島内部を食い荒らされた形跡も無かったので間違い無さそうだ。
「ミユキさん!第5艦隊から連絡ありました!もうすぐ来るそうです」
「わかりました!急ぎこちらも準備してください!」
「了解です!すぐに島を整備しますね!」
精鋭達は急ぎミッドウェー島を軍備化して行く、ここは完全な無人島、
在来種は小さな獣・・リスぐらいの生物と蛇やトカゲなどがいる程度だ、
なので俺達が知っているミッドウェーとは異なり手つかずの島だった。
ミユキ達第2艦隊は急ぎここを要塞化して後から来る第5艦隊を待つ、
第5艦隊は2日後には来るそうなのでミユキは安堵してしばらく眠った、
その夢の中で・・なぜか自分が攫われる夢を見る。
「うふふあなた戦術に詳しそうね・・しばらくその身体を借りるわよ!」
「い・・嫌よ!あ・・あああああああ~~~~!!!」
!!!!!!!!!!!
ミユキは飛び起き・・扶桑の艦長室で汗びっしょりになっていた、
その時給仕係が部屋に入ってきて驚きながら尋ねる。
「あらミユキさんどうしたのですか?汗びっしゃりですよ?」
「え・・・ええ無性に怖い夢を見たので・・」
「それは災難でしたね、気分転換にシャワーでも浴びたらどうですか?」
「そ・・そうね・・そうさせて貰うわ」
サァーーーーーーーーーーー!!!
ミユキはシャワーを浴びながら考える、もしあの夢が正夢だったら?
自分がもし捕獲されたら第2艦隊・・いや全体の艦隊を把握している、
これらの詳細が敵に知られるとまずい・・モヤモヤが消えなかった。
シャワーを浴びた後・・
やっと目覚めたヒミコとステファニーが大急ぎで艦長室に来た、
そしてミユキに尋ねる。
「指揮官お疲れ様、駆逐艦の事は聞いたわ、役に立てずゴメンね」
「いえいえお二人があの攻撃を凌いでくれなかったら全滅してました!」
「そう言って貰うと嬉しいわ、ところで何か気になる事でもあるの?
さっき給仕係から聞いたわよ、貴方が汗びっしゃりになってたとか・・」
「ええそのことなのですが・・」
ミユキは夢の内容を2人に話す、するとヒミコとステファニーは・・
「あり得ない話では無いわね、私が敵なら同じ事考えるから・・」
「それはあるわね、相手は私達を相当見下しているとも見えたからね、
でないとあの巨大魔物とガーゴイルだけで攻めてくる筈が無いわ、
それにこの島手つかずだったのでしょう?間違い無いと思うのよ」
「それ故に気になるのです・・・どうしたらいいでしょう?」
・・・
三人はしばらく黙り込んでいたが・・ステファニーが驚く案を出した!
「ならミユキが攫われる前提で私達も動きましょう!!」
「えっ?どういうこと?」
「ミユキは仮に攫われても自分の身を最優先にして問われたら答えるの!
私達は貴方が喋るであろう情報を逆手にとって作戦をその都度変えるわ、
幸い次に来る第5艦隊にはアズミさん達がいるから作戦変更は容易よ!」
実は・・・
「面白そうだから私も行くわ、ジュリアとアイリスとエミリアもね!」
第5艦隊の旗艦・・戦艦霧島の艦長のショウもこの戦いに参加していた、
というのも・・彼は先日サユミ達の援護に向かったが相手が弱すぎた、
なので暴れることができずに帰宅、うっぷんが相当溜まっていたらしい。
だが冥界の地球に行くことは当初消極的だったが・・
「えっ?駆逐艦5隻がやられた?・・なら僕もそこに行くよ!!」
スノードラゴンのショウでも一目置く駆逐艦隊がやられたことに戸惑う、
それと同時に・・相手はかなり強敵だと判断して今回の戦いに参加した、
駆逐艦隊がやられた位だから強敵・・相手に不足はないと決意していた。
このように・・あまり戦う事を好まないショウも参加している。
俺達は百戦錬磨の駆逐艦5隻を失った事で相当なショックを受けていた、
それと同時に・・冥界が侮れないと改めて認識し戦闘意欲も急激に高まる、
平和になっていたことで封印していた闘争本能が再び芽生えてきたのだ。
そのためか駆逐艦を失った後に参加希望者が次々現れた、ショウもその一人、
穏やかな性格ではあるが・・本来は最強の一角スノードラゴンの孫でもある、
そのため潜んでいる闘争本能は半端ない、それが今回その血が疼いたようだ。
その様子を見ていた妻のアズミ達も参加を決意、主な理由は夫の援護、
だがアズミ達はこの冥界の地球を見て新たなビジネス地になるとも考えた、
殆どが未開拓と見て・・往来できれば強大な商売市場になるとも考えていた。
「うふふ・・謎の地球は当分見込めそうにないからここを・・うふふ!!」
・・・
まあアズミはこういう性格だから・・
さらにジュリアとアイリスとエミリアも同行していて野望を燃やす!
「久々の開拓となりそうね、先駆者となってしっかり儲けましょう!」
「ええそうね、ここは北東の大陸に比べれば容易そうだわ・・」
「久々に大きな取引先が出来そうだわ!そして大儲け!うふふ・・」
・・・
夫のショウと共に参加を決意、尚ジュリアとアイリスとエミリアは元事務員、
アズミと共にギルドを立ち上げた経歴があるだけに商売に関してはプロ級、
さらに未開の地を開拓すれば儲かることを知っているので迷いがなかった。
・・・
だが驚いたことに・・
「・・・久々の戦い・・大暴れしたい・・」
戦艦榛名の艦長レイミも参加していた、主な理由は兄のショウとほぼ同じ、
それと愛娘の麗利を俺に預け身軽になったので闘争本能が疼いたようだ、
久々に大暴れしたいという本能も働き急ぎ戦艦榛名に乗り込んでいた。
「あははおとうさ~~ん!!!あははははははは!!!!!!!!!」
ふぎゃあああああああああ~~~~~~!!!!
ちなみに俺は・・休暇ではあるが子供達の世話をしているのでめちゃ忙しい、
麗利とショウの子響も俺に懐いている、さらにサユミの子紫依梛達も加わる、
なので俺は子供達にてんてこ舞い、寝る時も抱きつかれ苦しい日々を過ごす。
話を戻して・・
第5艦隊が冥界の地球に来たがすぐに出港してミッドウェーに向かった、
この後に来る第6艦隊にこの拠点を任せるので自分達はすぐに動いた、
大急ぎでミッドウェーに向かう第5艦隊、尚睡眠は交代で行っている。
その日の深夜・・
サァアアアアアアーーーーーーーーー!!!!
本日2回目のシャワーを浴びたミユキ、急ぎ髪を乾かし奇襲に備える、
もし自分なら・・この深夜に狙うだろうと考えあえて無防備にしている、
仮に攫われてもそれを補ってくれるアズミ達が来ることを聞いたからだ。
「念のため置手紙を置いた方がよさそうね・・」
そして彼女は今思いつく戦術を紙に書きまくりそれを金庫にしまった、
その後扶桑から離れ海岸を散歩、表面上は地形を調べるフリをしている、
そして一人になった時・・突如背中に黒い渦が現れ・・
「うっ??ううううううううう・・・」
「ごめんなさいね・・あなた優秀そうだから攫わせてもらうわよ!」
ギュルルルルルルルルルルーーーー!!!!
時間にして数秒だが・・ミユキは口を塞がれ眠らされ攫われてしまう、
それを遠くで監視していた精鋭達、ミユキの夢が正夢だと判断した、
即座にミユキの部屋を捜索、金庫に置手紙を見つけ対策を講じる。
翌日・・・
皆は不安ではあるが・・ミユキがどこに攫われたのかはわからない、
だがミユキの置手紙には・・三日後にここが攻められると書いてあった、
なので防御を急ぐ、尚空間渦は結界を敷き二度と展開できないようにした。
翌日・・・
第5艦隊が到着、アズミ達はヒミコたちと合流しミユキの手紙を見ている、
おそらく自分は操られこう進言すると予測した戦術を置手紙に記載していた、
それを見たアズミは・・決意を固める。
「いい?ミユキさんを絶対に救出するわよ!!」
「ええもちろんです!!!」
皆は気合いを入れ・・
あえて捕虜となったミユキを絶対に救出しようと・・
・・・
その気合は半端なかった。