銀山を狙うアデール達とルア達の狙い
臨時総司令官のアデールは艦隊をジャポン方面に向け巡航させていく、
聞いた情報を元に検討した結果その青年が怪しいと見たからだ、というのも・・
特殊な剣があるとは言え人間が竜を操るのはにわかに信じられないからだ。
もう一つの情報・・
白髪の死神姫に関しては現時点保留、相当離れているので後回しでもいいと判断、
通常なら艦隊を2つに分け同時進行すれば時間を短縮出来るが10km縛りがある、
なので全員ジャポンに向かうしか無いので全艦ジャポンに向かっている。
尚大和と武蔵に関しては海底に潜んだまま、本来は浮上させたいがあえて隠す、
そのため全速でも25ノット(約46.3キロメートル)程度しか出せないので・・
ジャポンに到着したのは2日後、現時点は宮崎県辺りの無人島で一旦休んでいる。
アデールは応援に駆けつけたアクワリオと今後の動きを考えていた。
「さてどうしょうかね~謎の青年は日本で言う神奈川県辺りにいるからね~」
「ええこのまま向かうのが無難ですね、気になる所もあるのですが・・」
「そうなると瀬戸内海方面は行けないね、かなり遠回りになるよ~」
「個人的には広島・岡山方面に向かいたいのですが・・」
「あああの辺には銀山がある、この世界では銀が重宝されてるからね~」
これは先般重鎮から聞いた話、この近辺では通貨は銀が使われているらしい、
一応俺達の異世界でも銀は取れるがこの世界の銀とは大きな違いがあった、
それは結晶構造、異世界とは大きく異なるので色あいがかなり違っていた。
一応専門家ライアン達に同じ銀が作れるか尋ねた所出来るがかなり質が下がる、
さらに手間も膨大で大量に必要ならば現地調達の方が格段に安上がりらしい、
なので先の事を考えたら現地調達出来る場所を抑えたほうが無難と考えた。
・・・・
地獄の沙汰も金次第という諺がある事から金銭は何だかんだと言っても必要、
特にこの先未知の領域に行くことからも大量の銀が欲しいのも正直あった、
しかし現時点から瀬戸内海方面に向かうのは相当な遠回りとなってしまう。
・・・
2人は頭を悩ます、自分達の銀は光沢が多いので一見すると別物に見える、
重鎮に見せた所別物扱いされた事からも現地の銀は抑えておく必要があった、
だが予定より進行が大幅に遅れているのもあるので2人は結論を出せなかった。
「これは私達だけでは結論出せないね~みんなから意見聞こうか?」
「ええその方がいいと思います、現場の方が現実を見れますから・・」
なのでアデールは各艦乗組員に事情を説明して意見を聞くことにした、それは・・
このまま太平洋を直進して神奈川方面に向かう案と銀山方面に向かう案を出した、
それは一斉メールされ返答を待つ、10分後全ての乗組員から返答が来た。
ちなみに昔の日本では銀が大量に取れていた、主な銀山は延沢銀山(山形県)、
生野銀山(兵庫県)、石見銀山(島根県)の3つだ、内2つは瀬戸内海方面にある、
もしどちらかを抑えれば資金の心配は減るので今後の活動に大きく影響する。
乗組員からの返答を見るアデール達、尚これに関しては神族達にも通達している、
その返答内容は以下の通り。
● お金はあるに超したことはないので遠回りでも伺うべき(74%)
● 時間がかかり過ぎるのと陸地の奥にあるので避けるべき(26%)
となった、尚神族やカオス達も資金は抑えておく必要があると回答している、
これで進行方向が決まる、尚反対派の意見も参考になったので皆納得している、
確かに地図で見る限り両方とも瀬戸内海から離れているので悩みの種だった。
尚石見銀山に関しては日本海方面に向かえば海からそう遠くないが迂回となる、
さすがにそこまで遠回りは出来ない、だが先に生野銀山に向かうには問題もある、
それはもし銀が取れなかった場合引き返す事になるので先に石見銀山に向かった。
「各艦碇を上げろ!これから我々は石見銀山に向かうよ!!」
ガラガラガラガラーーーーー!!!!!
各艦碇をあげ広島方面に移動、尚現地に着いたら全艦浮上して現地に向かう、
具体的には可能な限り最短距離で空を飛び銀山に着いたら精鋭達が降りる、
そして銀を発掘したら即座に瀬戸内海に戻り神奈川方面に向かう予定だ。
もし銀が取れなかった場合即座に生野銀山に向かい同じ行動を繰り返す予定だ、
最悪両方とも取れなかった場合は採取を断念して神奈川方面に向かう事となる、
さすがに延沢銀山は遠すぎるので先に青年の問題を抑えてから向かう事となった。
一応最悪に備えて専門家ライアン達には現地の銀を作る様に指示は出している、
だが質を下げるのは相当な手間らしく最短だと2000万円相当が精一杯らしい、
かといって他の銀山を探す余裕も無いので当面はそれで凌ぐことにしている。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
石見銀山に向かう各艦、だがアデール達は気が重かった、というのも・・
10km縛りの問題があるので陸地を飛んで行くには大和武蔵も当然向かう、
折角隠しているのに浮上させるとなるとその存在を知られてしまう。
なので・・
出来るだけ人目が着かないように深夜動くことにした、さらに雨が望ましい、
瀬戸内海は島が多いので昼間は島に隠れ夜間に空を飛び現地に向かう段取りだ、
そのためここからは昼間島に隠れ夜に動く生活が当分続くこととなる。
「雨雨降れ降れもっと降れ~~~~~~~!!!!」
しばらくの間雨乞いをする行動が見られた、だがそれは見事な空振りとなった、
丁度梅雨が明けた時期だったらしくこの時期は全然雨が降らなかった、なので・・
乗組員は必死な願いが届かなかったので相当落ち込んでいた。
そのころ俺はと言うと・・・
「あはは~~~~キャキャキャキャ~~~~!!!!!!!!!」
30名の子供達の世話でてんてこ舞い、一度帰ったがまた来て大騒ぎの日々、
こうしてみると普通の子供と変わりない、ルア達は何を驚異してるのだろう?
きちんと挨拶するし常識的な行動している、威張りや見栄などは全然感じない。
そのルア達はというと・・
「であるからして~~蒼龍の場合こういう構造で建造されました!」
学校で艦の構造を学んでいる、この異世界では海が広大なので艦は必須、
一応ルア達も飛べるがさすがに大陸横断できるほどの飛行能力は備えていない、
そのため艦の重要性は把握してるのと・・もう一つ別の目的があった。
それは・・・
ピンポンピンポンポンポンポーン!!!!
「お知らせします!この度大和型5番艦とモンタナ級4隻の建造が決定しました、
大和型はルーム国で、モンタナ級は西の大陸と東の大陸で建造を開始しています、
これらは各種族建造に関わるよう厳命されていますので希望者を募集します」
シルビア達が必死で設計図を見つけたこともあり上記の建造が決定する事となる、
これを聞いた各種族は建造に携わろうと応募が殺到、それは学校にも及んでいた、
というのも・・建造に関わった者には破格の好待遇が約束されていたのだ。
まず臨時ボーナス100万ギル、これに関しては仕事完了後に全員に支給される、
他にも個室の提供や豪華な食事、5時間労働の後は自由時間と幹部並み好待遇、
これに関しては神族が約束、作業の手抜きを避けるため好待遇にしている。
これに加え・・・
新型艦の重要なポストに立候補出来る、例えば一兵卒が戦闘隊長になれる、
適材審査はあるにしても一気にステップアップ出来るので皆目を輝かしている、
もちろん拒否も可能、その場合はそれ相応の臨時ボーナスが別途支給される。
これに関しては将来手形も可能、というのも今回は10歳以上から応募できる、
今は勉学に励んで将来そのポストに応募も可能、その際は最優先扱いされる、
このこともあり学校も建造に携わろうと必死、ほぼ全学校が応募していた。
尚今回の建造に関しては神族は急がせない、その理由は神艦扱いさせる為、
神具のように皆から敬う存在にさせるため出来るだけ大勢に関わらせたい、
そう考えた神族達は好待遇を用いて応募者を増やし大勢に関わらせていた。
ルア達も当然ながらこの好待遇を狙おうとしていて・・
必死で学んでいて建造の応募もしていた。