新たに出てきた竜を操る青年と白髪の死神姫
タウの国の王子とマリアンヌが王の特別室に現れ・・王子はまだフラフラ、
それをマリアンヌが支えて・・なんだかいい感じに見えるのは気のせいか?
確かマリアンヌは王子との婚姻話には乗り気では無かったはずだが・・
・・・
しかし2人ともなぜか意気投合しているようで・・
「お願いです、私と王子様を貴方方の艦隊に同行させてください!!」
「僕からもお願いします、僕は北の情報をある程度把握しています!」
これに対してレイナは厳しい口調で語り出す!
「お心使いは嬉しいのですが我らは王族の護衛では無く独自の艦隊です、
正直病み上がりの王子様とその婚約者が戦場に趣くことは非情に危険です、
特にこれから趣く地は未知の領域、なので足手まといはいりません!!!」
!!
王子とマリアンヌは黙り込む、まあこれは付き合いの浅いレイナだから言えた、
多分エリーナだとここまで厳しくは言えなかっただろう、そのエリーナは熟睡中、
ウマが合う2人を知っていたからレイナは関わりを断つ為あえて厳しく突き放す。
だが・・
「あ・・侮って貰っては困ります、これでもタウの国では剣豪と呼ばれています、
それに貴方達はジャポンの情報が欲しいのでしょ?私ならそれが出来ます、
あとマリアンヌ・・さんも重大な役目があるので一緒に同行させたいのです!」
・・・
この言葉を聞いたレイナは考える、この様子だとお互い何か魂胆がありそうだ、
だが王族はこれ以上同行させたくない、何人か斥候がいればいいだけの話だからだ、
だがクアラ王国もタウ王国も・・どちらも俺達に王族を連れて行かせたいらしい。
おそらく・・・
今後の関わりのためだろう、それだけ俺達の軍事力を欲しがっていると見る、
言い換えれば・・それだけの脅威がどこかにあるということ、だがそれは不明、
当の本人達もそれを感じてはいるが・・それが何なのかはわかっていない。
・・・
王子とマリアンヌは譲らない、言葉こそ出さないが一歩も引かない構えだ、
しかし王族は連れて行きたくない、なのでレイナは断固として断ろうと・・
!
ここでマリアンヌがレイナに向かって怒りの一言!
「ねえレイナさん!あなた私達を足手まといだと言ってましたね!!!
確かに私達は戦いにおいては貴方方の足下にも及ばないでしょう、でもね!
王族には王族なりの戦い方があるのよ!それを無視して貰っては困るわ!」
これを聞いたレイナは・・
「あらそれは聞きたいわね、それはどういうことなの?」
「まず信用よ!自画自賛だけどクアラとタウの名は各地に轟いているわ!
その王族が挨拶に来たら無下に出来る?斥候だと門前払いが関の山よ!
相手も王族が来れば無視は出来ないからまずは話を聞いて貰えるのよ!!」
続けて・・・
「私も王子様・・フィラテルフィア様も各地の王族に名は知れ渡っています!
幾ら貴方達でも現地の方々を無視しての行動は制限されます、でも私達なら・・
様々な交渉カードがありますので連れて行って損はありませんよ!」
・・・
レイナは考える・・フリ、彼女達からするとこの程度の内容はどうとでもなる、
例えば未知の国に対しては密偵に忍ばせ盗聴器等を仕掛ければほぼ把握出来る、
何しろこの星の軍隊等は殆どが中~上級なので油断しなければ余裕で戦える。
それと・・・
・・・
逆に人質に取られたら厄介だからだ、王族に何かあると後々尾を引くこともある、
特に謎の破壊神か創造神かは不明だが・・これらに捕らえられると非情にまずい、
どうかしたら生贄にされるかもしれない、なので関わりたく無いのが本音なのだ。
・・・
だがマリアンヌたちは・・なんでか知らんがとにかく連れていけの一点張り、
なぜか王を始め重鎮達も連れてけオーラ満載なのでもの凄く戸惑うレイナ達、
しかしレイナ達は・・とても嫌な予感がしたのでここは断固として断った!
「お気持ちは嬉しいのですが私達はこれからこの星の反対側にも行く予定です、
なのでクアラ王国とタウの国には当面、最長10年は戻らない可能性もあります、
これでお分かりですね?国の要所を預かる方を無闇に連れていけないのです!」
・・・・
この言葉でマリアンヌ達は黙り込む、さすがに10年も国を離れる訳にはいかない、
これでこの話はおしまい、レイナは同じ理由で斥候も断り情報だけ貰うことにした、
その後は情報交換と補給物資のやりとりなどで話し合い・・それは3日ほど続く。
3日後・・・
「碇を上げなさい!私達はこれからジャポンに向かいます!!!」
ガラガラガラガラ!!!!!
各艦の碇が上がりタウの港を後にする各艦、そして北に向かって進み出した、
タウの国で貰った地図を見ながらジャポン方面に向かって進む俺達の艦隊、
途中台湾のような島国に寄港、既に俺達の事は知れ渡っていた。
「おお我が国にようこそ!事情は聞いております」
既にタウの国から斥候が来ていたようでこの国でも大歓迎を受ける俺達、
現地の食料や水などと引き換えにクアラの国で造った軍船の設計図等を進呈、
この辺は以前行った軍事演習が効いたのか相手方は戦闘は避けたいようだった。
2日後・・
この国から出港する俺達、社交辞令のような感じで別れジャポンに向かう艦隊、
しばらくすると沖縄のような島が見えてきた、一応戦闘態勢で進む俺達だが・・
こちらも既に俺達の事は知っていたようで・・一応歓迎はしてくれた。
だが入港は拒否された、理由は市民がパニックになるので避けてくれと言われた、
レイナもそれは了承、なのでお土産だけ渡してこの島から去ろうとしたのだが・・
相手方はさすがに挨拶だけではまずいだろうと考えたらしく重鎮が訪ねてきた。
この時点でレイナが休憩に入り代わりにアデールが艦隊の総指揮を担っていた、
なのでアデールが重鎮と挨拶、なぜか意気投合して肩を組んで一緒に酒を飲む、
ちなみに重鎮は女性、気を良くした重鎮はある重大な情報を提供してくれた。
それは・・・
「貴方方が向かうジャポンの地には8つの頭を持った竜がいると聞いています、
その竜は凶暴ではありますが・・ある男の指示には従うらしく制御されています、
その男は20代の若い男のようでかなり高位の存在のようです」
続けて・・
「もう一つ、これはジャポンよりさらに北の国にいる女性らしいのですが・・
その姿はとても美しく一見だけだと虫も殺せないような雰囲気と聞いています、
ですが現地では「白髪の死神姫」と言われていて恐れられてるそうです」
「ふ~ん面白そうだね、もう少し詳しく教えてくれる?」
「又聞きではありますが竜を操る青年はある特殊な剣を持っているそうです、
その剣は相手の力を下げる効果があり挑んだ者は全員敗れたと聞いてます、
同時にその剣は竜を自在に操れるそうで陸海空問わず敵を殲滅しております」
「それって・・大量の軍船も瞬く間に殲滅したということ?」
「おそらくそのようです、ジャポンを攻めたある国が瞬く間に敗れたそうです、
どこかは・・ある事情がありこれ以上お教え出来ませんが・・」
「もう一つの話も聞きたいな~私達のお酒たっぷりあげるから教えて~~!」
「そちらは大丈夫ですよ、その国はかなり寒いこともあり争いが絶えません、
というのもその国では作物が育ちにくいのでほぼ貿易で食料確保しています、
その輸送の途中を盗賊が狙うのでその死神姫が頻繁に退治しています」
「えっ??話からするとその死神姫って軍か守備隊の関連なの?」
「聞いた話では軍の部隊の指揮官らしく部下も大勢いるそうです、それと・・
性格はかなりあっけらかんとしていて気が向くまま動くそうですが・・
一旦剣を抜くと敵を容赦なく斬り刻むそうでこう呼ばれています」
「へぇ~おっかないね~そいつには会いたくないね~」
「ついでにもうひとつ!その死神姫はある男に育てられたそうですが・・
そいつはかなり凶暴な男らしく現地ではその名を聞くだけでパニックです、
たしかその名はディャーヴォル、現地で悪魔と言われているそうです」
「えっ?悪魔が少女を育てたということ?」
「ええその悪魔は一応話は通じるらしく売り買いに関しては普通です、
ですがどこから収入源を得ているのかは不明らしく・・もしかしたら?
殺人の依頼を請け負っているのではないかと噂されているそうです」
そして・・
「貴方方がこれからどう動くのかはわかりませんが用心してくださいね、
特に今話したこれらとは関わらない事をオススメします、というのも・・
かなり離れたこの地でも情報が来る位ですから相当ヤバいと思います」
「うんわかったよ!教えてくれてありがとね~~~」
アデールは満面の笑顔で重鎮に礼を言ったが・・
・・・
本心は・・そいつらが怪しいと密かに目を光らせていた。
それと・・・
「ま・・マリアンヌ様と王子様!いつの間に忍んでいたのですか????」
「シーーーーーー!!!静かにして!!!バレたら追い出されるわ!!!」
マリアンヌとフィラテルフィア・・長いので以降フィアと呼ばれる王子は・・
・・・
密かにカーグワス達の部屋に忍び込んで・・
俺達と同行していた。