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巨大スクリーンでのご挨拶とパンを求めるホームレス達




クアラ王国に向かって巡航する旗艦古鷹、続いて左右後ろに空母隼鷹・飛鷹、

その後ろに砂漠空母のエスネル・アイレス・ラパス・モンテ・ジリアの5隻、

殿の左に続くのが軽巡夕張、右が駆逐艦時雨、そして海底に潜む大和と武蔵。




カーグワス達は大和と武蔵の存在は知っているがエリーナの厳命で黙り込む、

なのでマリアンヌ達は俺達の艦隊が10隻と思い込んでいる、まあ当然だろう、

この地球に似た星の船は大きくても100m前後、駆逐艦時雨よりも小さい。




まあ・・・




そんな巨大な艦が10隻もあるんだから普通はこれが全部だと思うだろう、

民衆達もそんな眼差しで古鷹達を見つけているから多分大丈夫だろう、

なにせ大和と武蔵の2隻は切り札だから絶対に知られたくない俺達だった。




ちなみに駆逐艦時雨は製造された際全長は111mだったが現時点大きくなった、

俺達が頻繁に改装や改造を繰り返した事もあり現在は約130m位になっている、

これはレールガンやイージスミサイルなどの装備を追加したので船体も大きくした。




反面乗組員は大幅に縮小、第二次大戦時の時は222名だったが現在は70人程度、

それも常にこの人数がいるわけでは無く3~50人程度で艦を動かすことも多い、

これは新たに人工AIを搭載したこともありほとんど自動で動かしているからだ。




それと・・




避難民等を乗せる事もあるので乗組員の部屋はほぼ個室だが2~4畳程度、

その分会議室等は広い、緊急時にはここに難民等を受け入れる為広くした、

他にも壁面は取り外す事も出来るため団体行動を好む種族にも対応している。




もちろん全艦食堂、風呂、売店、自販機、種族に応じたトイレ等も完備している。




そのため駆逐艦でも快適に過ごせる配慮はしている、大型艦になるとさらに充実、

例えば空母隼鷹の場合来賓室やカラオケルーム、サウナなども追加装備されている、

もちろん僚艦の乗組員が希望すれば利用可能、基本予約制となっている。




話を戻して・・・




クアラの港が見えてきた、ここからは旗艦古鷹だけがクアラの港に近づいていく、

大きな港ではあるが新たに建造した軍船が数多くあり古鷹しか入るスペースが無い、

そして古鷹が港に入った、他の艦は100mほど離れた沖合いで待機している。




パアアアアアアアアアーーーーーー!!!!!!




突如空間に巨大スクリーンが現れた、これは俺達の精鋭達が展開したもの、

サンペドロ将軍が皆に細かく説明して欲しいと訴えてきたのでこれを展開、

そして臨時古鷹艦長のエリーナが代表して民衆達に挨拶と説明を始める。




「皆様初めまして!私はルーカス・エリーナ・ウィリアムズと申します、

私達は遙か遠くの大陸からある任務を受けこの地に伺った次第でございます、

その任務とは・・先で脅威になりそうな相手を押さえつける事であります」




「皆様ご存じの通り先般南の王国がこの地に攻めてきたので撃退しました、

その際応援を要請されたのが王姫マリアンヌ様、我らは彼女に心打たれました、

それは何としてもクアラ王国・・皆様を守りたいという切な願いからです」




「我らはその願いに心打たれ了承、そして仲間と共に南の王国を撃退しました、

その際黒幕とも言えそうな魔人を撃退、そうして南の王国の野望は抑えました、

今では南の王国も落ち着きを取り戻しつつあるので攻めてくる事はないでしょう」




さらに・・・




「今回我らがこちらに訪れたのは王とサンペドロ将軍の熱意からです、

国を救ってくれた私達を皆様に紹介したいと・・我らは了承し訪れました、

これからこの魔法スクリーンで我らの挨拶と詳細を放送させていただきます」




キュンーーーーーー!!!!!




次の瞬間画面が切り替わり・・映し出されたのは空母飛鷹の甲板だった、

当初はビデオを流そうとしたが殆どが読み書き出来ないと聞き切り替えた、

論より証拠とばかりに実演する事にした、そして整備兵達が説明を始める。




「みなさま初めまして、我らは航空母艦という巨大な船の乗務員です、

この船は簡単に言うと・・この戦闘機という鉄の塊を飛ばせるのです、

例えるならこの戦闘機は鳥、そしてこの空母は飛ぶ・戻るべき巣なのです」




「あいつら何言っているんだ?案なのが飛ぶわけ無いだろう、ふっ・・」




民衆は黙って聞いてはいたが・・全員あの鉄の塊が飛ぶとは思えなかった、

それは各国が送り込んできた密偵も同じ、何言ってるのかと鼻で笑う。




「みなさまお疑いのようですね、安心してください、その思いは当然です、

なので今から準備しますのでこのままこの画面を見ていてくださいね!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・




空母飛鷹が動き出し港から見えるように横向きとなり戦闘機が動き出す、

鉄の塊が動き出したことに民衆は驚いたが・・だが皆画面に釘付けだ、

本当にあんなのが飛ぶのか・・すると戦闘機がカタパルトに固定される。




キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!




今回は戦闘機を初めて見る民衆なので・・あえてゆっくり離陸準備に入る、

その間隼鷹・エスネル・アイレス・ラパス・モンテ・ジリアも動き出す、

飛鷹艦載機が数機出たらこちらも発艦させるようで急ぎ準備を始めた。




「皆様お待たせしました、ではとくとご覧ください!!!」




「レディ(発進準備)」




「各整備員はシェルターに入れ!」




「カタパルト準備完了」




「計器類確認・オールグリーン!」




キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!




戦闘機に乗るパイロット達が親指をたてOKの合図を送る。




「Good・Luck!」




「GO!」




ズシューーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!




「ウワアアアアアアアアアア~~~~~~~~??????」




飛鷹艦載機が猛烈な勢いで甲板から発進、その様子は港からでも見れた、

ある物は魔法スクリーンで、眼のいい者は沖にいる飛鷹を見ながら・・

次の瞬間隼鷹たちも次々艦載機を発進させて編隊を組み大空を飛ぶ。




キイイイイイイイイイイイイイイイーーーン!!!




そして現地の言葉で・・




「 I am grateful for this encounter ! (訳 この度の出会いに感謝を!)」




オオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~~~!!!!!!




この文字を大空に描く航空隊!クアラの王達を始め民衆達は大空に釘つけ!

その後も航空隊はデモンストレーション、巨大岩を飛ばしそれを撃墜する、

さらに港に入っている古鷹の3番主砲が動き出し・・発射!!!!




ドゴォオオオオオオオオオーーーン!!!!!!!




ボゴオオオオオオオオオオオオオーーーーーン!!!!




「ひぇええええええええええーーーーー!!!!!!」




近くにいた民衆はおったまげる、腰抜かす民衆もいたので兵達が救護、

これには密偵達も肝を冷す、魔法も使わず・・まあ岩は魔法で飛ばしたが・・

ちなみに岩は20mを超える巨大岩、湾岸等にある岩を魔法で飛ばした。




そうして時が過ぎ・・午後4時でこの日のデモンストレーションは終了した。




「みなさまお疲れ様でした、明日は簡単ではありますが艦内をご紹介します、

時間は朝9時から午後4時までとなります、ご来場をお待ちしております!

尚見学された方には細やかではありますがパンと飲み物等を差し上げます!」




この放送の跡民衆達は急ぎ家に帰り明日の支度、その後王達が古鷹に訪れた、

この後は王達を招き古鷹・飛鷹・エスネルを視察してもらい隼鷹で晩餐会、

なぜか将軍がカレーを気に入ったこともあり金曜日では無いがカレーを出した。




「こ・・これは初めて味わうな・・後で作り方を教えてくれ!!」




「ええわかりました、宮殿料理士の方々にレシピをお教えしておきますね!」




「ワハハハハハハハハハ!!!!!!」




ワインやウィスキーを爆飲みしてご機嫌な将軍達、王も混ざり場は無礼講と化した、

南の王国の侵略によほど緊張していたのか・・まるで子供のような顔で飲んでいた、

そして熟睡、王族ということもあり飛鷹の貴賓室を開放して休んで貰った。




翌日・・・




ズララララーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!




深夜2時から続々民衆が集まり朝5時には一万人を超える行列が出来ていた、

その殆どはホームレスのような面々、パンを貰えると聞き駆けつけていたのだ、

それを予測していたエリーナ達は夕張と飛鷹も入港させ待機させていた。




「お待たせしました!予定より早いのですが見学会を開催致します!」




精鋭達は民衆の列を3つに分け早めに開催、その殆どは艦を駆け足で見ていく、

興味はあるが・・それ以上にパンが欲しいので急いで出口に向かっていった、

そして出口ではパンとお菓子とミカンジュースを持った整備兵達が待っていた。




「来てくれてありがとう、これはお礼だよ!しっかり食べてね!」




パンを貰うホームレス達はすぐ寝床に戻りパンをこれでもかと食べまくる、

余程お腹が空いていたようで・・半分泣きながらパンをムシャムシャ食べている、

そして完食したあとまた列に並んだが俺達はお構いなくパンを与えていた。




その中に・・・




10歳位の女の子がいた、彼女もパンが欲しくて何度も何度も並んでいた、

このパンは俺達の異世界のパン工場で製造した出来たてを運び渡している、

味はこの星のパンに似た味にしてあるが出来たてなので格段に美味しい。




「お・・美味しい・・もっと・・もっと欲しい・・」




パンを求める行列が絶えないので俺達は時間延長して最後の1人になるまで・・

だがこの手は何度も並ぶので途切れることは無い、結局日を跨ぐまで与えていた、

こうして5度並んでパンを沢山貰えた女の子達は凄く喜んでいた。




だが・・




この時点では俺達は誰も気づかなかったが・・・




この女の子の左脇腹の辺りには・・・



・・・・




右手のような形をした小さな火傷の跡が残っていた。






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