表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/792

動く集中治療室!異世界に現れた航空治療母艦「伊吹」




俺達は北の大陸に出来た温泉に皆で入り堪能していた、

老若男女問わず全員で大浴場入りそれぞれが・・



・・・



皆しっかり水着を着てはしゃいでいた。



・・・



まあ仲間とはいえ素っ裸で入るにはまだ早いかな?

温泉に水着で入るのは邪道かもしれないが・・今はこれでいい、

もう少し落ち着いたら温泉の醍醐味を教えるとしよう。



2日ほど北の大陸の温泉を楽しんだ後ルーム王国に戻る、

久し振りの温泉で俺の心身はすごくあったまった・・



紀伊と信濃はそのまま例の鍾乳洞の近くまで移動して碇を降ろす、

祖父木人形はモカとココを連れて鍾乳洞の中に入っていった。



20分後・・



航空母艦の雄叫びの様なエンジン音が鍾乳洞に鳴り響いた。



そして・・



整備士木人形達が鍾乳洞出口付近に集まり新造艦に激励を送る、

その艦橋には艦長の帽子をかぶったモカとココが敬礼で応える、

ゆっくりと新造艦は鍾乳洞の中から出てその姿を現した。



端から見ると蒼龍飛龍と同じ位の大きさで信濃よりかは小さい、

だが甲板には巨大なエレベータが2基備え独特の雰囲気を漂わせる、

このエレベータはドラゴンでも余裕で入れそうなほど大きい。



信濃紀伊と同じように棘弾や巡航ミサイル等の装備も見えた、

艦載機は少な目で30機程度、小型の音速機が大多数を占める、

敵地の攻撃用というより本艦の上空護衛の役割が強そうだ。



内部は信濃紀伊の艦橋からは見えないので・・



俺達はタケシとサユミの転移魔法で新造艦の艦橋に移動した。




「ようこそ「伊吹」に!皆さまを歓迎しま~す!」




モカとココが満面の笑みで俺達を歓迎してくれた。



「皆集まったな、これから伊吹の説明をしよう」



祖父木人形の説明によると・・



航空母艦伊吹は元々重巡として建造されていたが予定変更、

主力空母を次々失った日本海軍が伊吹を空母に改装した、

だが完成前に終戦を迎えその後解体された。



祖父は紀伊と共にこの伊吹も復活させたいと新規製造を決めた、

だが伊吹に関しては戦闘に加え各種族の治療艦として設計した。



その理由は・・



戦場で傷ついた各種族の本体の治療設備が乏しかったからだ。

各艦の医療設備は人間用なので各種族の本体には小さすぎた、

本体が傷つくと分身も弱まるので必要性を痛感したそうだ。



中を案内してもらうと・・



艦の中央を境に・・前後に巨大な集中治療室が備わっていた、

どちらもドラゴンが入れる大きさで医療設備が満載している、

なんでもこの治療室で処置をすると3分でほぼ全回復する。



魔法治療に加え前世界にあった治療も行えるようになっている、

魔法治療は傷や病気は回復するが、体力が全快するわけではない、

精神疲労も回復しないのでその場合特殊な点滴等で処置するそうだ。



巨大なドラゴンでも一度に2体、グリフォン等は6体治療できる、

もちろん人間や魔族、魔物等の治療にも対応できる設備も備えてる、

これにより各艦の治療負担が軽減して戦闘に集中できるようにした。



伊吹は戦闘も可能で棘弾や巡航ミサイル等複数の武器を備えている、

スカイドラゴンのモカとココがある程度の棘弾を扱えるらしい、

2人で連携して操作するのでサユミに近い扱いが出来るそうだ。



当然ながら・・・



各艦に必須装備の氷のアイスシールドも展開できるようになっている。



「造るの大変だったのよ!」



ソニアが褒めてくれという仕草を見せるので俺が頭をナデナデ、

だが?



「ほとんど私達が造ったのです!!」



サユミ達がそう言うのでレイミも含め追加で頭ナデナデした、

なぜかタケシとショウもねだるので一緒にナデナデしておいた。



伊吹の活躍が今後に活かせるから楽しみだと祖父が期待していた、

当面はルーム王国付近で訓練に励んで様々なテストを行うそうだ、

このデータを参考にして各艦の改良や医療設備を改善するらしい。



一通りの説明が済んだ後俺達は伊吹の新しい食堂に移動した、

食堂は他の艦と造りはほぼ同じで様々なメニューが注文できる、

ただ例外もあった、お粥や離乳食なども選べるようだ。



これは避難した種族の中に妊婦や幼児がいることを想定している、

伊吹は救護艦としての役割を担うため避難民を乗せるのが前提、

そのためか食堂のスペースは他の艦に比べ広かった。



「お祖父さん、伊吹はどこの軍に所属させるんだ?」



艦長のモカとココが東の大陸だと地団駄踏んで訴えている。



「データーが取れたら伊吹は東の大陸に所属させようかと思う、

上手くいけば同型をもう一隻造れるかもしれない、それとな・・

メディさんからの金庫の中に戦艦の詳細な設計図があったんだ」



「急ぎこの戦艦を造っている、上手くいけば2隻製造可能だ、

この2隻と伊吹を東の大陸に配属させようかと考えている、

あとは各部隊から駆逐艦を何隻か振り分けようと検討している」



「駆逐艦も別に製造できないのかな?」



「それも考えたんだが魂の絡みがなくてな、だが・・

メディさんの設計図を応用すれば小型艦も造れるかもしれない、

まずは図面通りにある程度戦艦を造ってから検討しようと思う」



どうやら東の大陸の要望には応えられそうだ・・



その時警報が鳴る、上空には傷ついた複数のガルーダが飛んできた、

ガルーダ達を伊吹に誘導し着艦させ急ぎ治療を行う、すると・・

伊吹の医療チームがあっという間にガルーダたちを全回復させた。



「驚きました、こんなに早く傷が治るなんて・・」



「すごいです~こんなに早く治してもらえるなんて感激!」



「自分の魔力を使わない治療はほんとありがたいです!」



「この艦の治療設備はとても素晴らしいですね!」




好評でなにより。




彼女達はガルーダ軍の小隊長のようだ、傷が治るとすぐに報告に来た。



「ご報告します、我らガルーダ軍はシーバジリスク複数と交戦しました、

敵は伊勢日向はじめ各艦の艦砲射撃で殲滅させました、が・・」



「何か異変があったのか?」



「はい・・あり得ないことなんですが・・」



彼女達は少し震えながら驚くべき事態を口に出した。



「シーバジリスクがブレスを放ったのです」



この報告に各種族が驚いた、シーバジリスクは大蛇の魔物だ、

今迄何度も交戦したがドラゴンのようにブレスを放ったことはない、

だが彼女達はそのブレスで傷つき撤退していたのだ。



「それは・・どういう事よ?」



「私にも訳が分かりません、だけどこれは事実です、信じてください、

私もまさかシーバジリスクがブレスを放つとは思いもしませんでした」



「わかった、もちろん信じる、部屋で休んでいなさい」



「ありがとうございます」



その時タケシのスマホが鳴り響く、紀伊からの緊急連絡だ、

なんでも人口衛星が未確認物体を感知したらしい。



俺達は紀伊に戻りその未確認物体をモニターで見る・・あれ?



・・・



高校生位の女の子一人と猫2匹が10m位の船の上にいる、

どうやら彷徨っているらしく同じ所を行ったり来たりしている、

嫌な予感しかしないが・・



「行ってみましょう!」



クリスティーナの鶴の一言で紀伊と信濃が動きだし現地に向かう、

巡航中もモニターで監視していたが方向音痴らしく同じ所をグルグル、

かなりの空腹らしくお供?の猫に不満を言ってるようだ。



2時間ほど巡航したら船が見えてきた、まだ同じ所を彷徨っている、

どう見ても敵には見えないが念の為信濃の艦載機を全機出撃させた、

紀伊の主砲や棘弾も準備を始め奇襲に備えている。



俺達の接近に気付いた女の子と猫は・・



「こっちこっち~~~!早く来て~~!」



「にゃ~~ん!にゃあ~~~ん!」



笑顔でこちらに手を振っていた、猫の頭にはなぜかたんこぶがある、

八つ当たりのゲンコツを脳天にもらったようで嘆いた顔をしていた、

紀伊が近づき魔法で波を抑えてから船に向かってハシゴを降ろす。



女の子はそのハシゴを登ったが猫がしがみつきバランスを崩した、

そのまま落下して船に落ちて・・醜い喧嘩が始まった。



・・・



置いていこうかな?



その空気を察したのか女の子と猫は一目散に登ってきた、

紀伊の甲板に立った女の子と猫を見たソニア達ドラゴンは・・



・・・



物凄く青ざめた顔をしていた。














































いつも御閲覧頂きありがとうございます。


次回の更新は4月9日(金曜日)夜の予定です。


忙しくなり慌ただしい日が続きますが・・


なんとか更新は止めないよう頑張りますので・・


評価とブックマーク応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ