マウンテンバイクの欠陥と亡骸だらけの神殿内
神殿まで1kmと迫ったが・・双眼鏡などで見ると人影が全く見えない、
しかし神殿の上空は独特の雰囲気が漂いなにやら危険な雰囲気すら感じる、
なので試しにドローンを飛ばした所先般と同じく何かに弾かれて入れない。
ヒューーーーーン・・・・グジャ!!ドロドロドロ・・・・
!!!!!!!!!!
驚いたことに何かに弾かれたドローンが次々と墜落して溶けてドロドロになる、
まるでドローンが硫酸でも浴びたように煙を出しながら形を失っていった、
これは艦隊にも影響を受けかねないと判断したエリーナ達は艦を停止させた。
「どうします?このまま突入すると艦も無事では済みません!!」
「ええ突入すると危険だわ、ここは王城よりも危険な結界が敷いてあるわね」
「ああ艦隊はここで停めた方がいい、ここから先は戦車隊で地上から攻めよう」
ドズーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
ギュウウウウウウウウウーーーーン!!!!!!!!!
各艦隊は上空停止、だが砂漠空母はそのまま着陸し後方から戦車隊を出撃、
しかし巨大な艦隊を空中に浮かせているだけで膨大な魔力を消耗してしまう、
そこで各艦はブラックホールから応援隊を呼びよせ魔力を補給して貰った。
だが・・・通信官の1人が何やら嫌な予感がしたのでエリーナに進言する!
「エリーナさん、このまま艦隊をここに空中停止させるとまずいと思います」
「えっ??それはどうして?理由を教えて!」
「はい、この辺は砂漠で人影はありませんが遊牧民がいれば話は別です、
もし地球と同じくラクダ等で砂漠を横断する種族がいれば見つかります、
それらに見つかると瞬く間に噂になるでしょう、そうすると先で・・」
「言いたいことはわかったわ、確かにその危険はあるわ、そうなると・・
空に浮かぶ船があると各地に知れ渡ると先で動きにくくなるわね・・」
「ええそう思います、なのでここは短期決戦を仕掛けるべきだと進言します、
おそらくあの神殿も地上は部下達の出入りで結界は敷いて無いはず、なので・・
今ある最大の戦力で挑み短時間で事を済ませ急ぎここを離れる必要があります」
エリーナは頷く、確かに遊牧民がいる可能性は否定できない、それに加え・・
戦闘が長引けば未知の敵が援軍を呼ぶだろう、そうなると一気に不利となる、
さらに大和・武蔵以外の艦は一時的に浮遊能力を搭載しているだけ・・
・・・
もし墜落したら間違いなく変形損傷してしまうのでこの先の作戦に支障が出る、
なにしろ12隻しか艦がない、さらに10km縛りがあるので放置も出来ない、
もし長期戦になってその弱点を敵に見抜かれたら相当まずいことになる・・
・・・
エリーナは俺コウをはじめ聖級以上の精鋭を集めようと頭をよぎらせていた、
短期決戦を仕掛けるなら・・出し惜しみしていたら事が進まないと考えたから、
だがそれを瞬時に察したカラミティが・・
「エリーナさんよ、精鋭達を呼ぶのは危険だ、ここは少数で攻めた方がいい」
「えっ?どうしてですか?」
「まだ敵のボスの正体がわからない状態で俺達の力を見せるのはまずい、
謎のボスも破壊神か創造神達の監視下のはず、なので戦うと筒抜けになる、
俺としては対戦相手をその都度変え相手に的を絞らせない方がいいと思う」
「ということは・・ここは私とあなただけで戦うと言うのですか?」
「いや君は戦わない方がいい、まだまだ先が長いからここに留まるんだ、
君が敵に知られると何かと動きにくい、ここは俺とこの精鋭達で挑む!」
パチン!!!!!!!!!!!!
エリーナは頷く、するとカラミティが指を鳴らしある精鋭達が部屋に入ってくる、
それはカラミティの妹・・兼妻のリリスとリリトの2人と天使族のカレンとラン、
4人は仲がいいらしく何かあればすぐ集まるそうで今回もその流れらしい。
「話は聞かせて貰ったよ、ここはあたしたちに任せてくれるかな?」
「ええそれは構いませんが・・まさか5人で行くつもりなんですか?」
「ああ大元との対戦はそのつもりだ、だが途中までは戦車隊も同行してもらう、
戦車隊に敵の注意を引きつけて貰い俺達はある乗り物で一気に敵陣に乗り込む、
艦隊には万一の時に備えて艦砲射撃の体勢で待機して貰いたい」
「その乗り物とは??」
「それは見てのお楽しみだ、時間も無いから俺達はさっさと突入するぞ!」
カラミティ達は砂漠空母に移動、戦車隊が出撃した後整備兵達が騒がしい、
どうやら倉庫に入れてあったある乗り物を取り出し動かしているようで・・
グォン!!!!!ブォオオオオオオオオオオオーーーーン!!!!!!
「カラミティさん!整備はしておきました!いつでもOKですよ!!!」
「ああありがとう、これなら狭い道でも一気に走り抜けられる!!」
整備兵達が用意していたのはマウンテンバイク5台、森等の移動用として作成、
これは魔力を使わない仕様、ただ燃料はガソリンでは無くアルコールを用いる、
なのでお酒でも動かせるのとガソリンタイプに比べ騒音は格段に小さくしている。
主に西の大陸エルフ達が森の中や沼地など舗装されてない場所の足として要請、
サーベルタイガー達と連携して狩りをする際魔力を抑えるため依頼されたもの、
何しろ西の大陸には魔力を吸い取る魔物が多いのでその対策として製造された。
だが・・・
ガソリンを燃やすと臭く有害なのでアルコールで動く仕様にしたせいなのか・・・
・・・
燃料のつもりで用意した高級酒を皆バイクには注がず・・・
ゴクゴクゴクゴクゴク!!!!!!
「あ~~~美味しいわ~~これを燃やすの勿体ないわよ~~~!!」
・・・
しっかり燃焼させるため高純度で繊細なお酒を用いたのが仇となり・・・
ゴクゴクゴクゴク!!!!!!!
皆その場で燃料を飲み干すのでバイクは動かすことが出来ずお蔵入りとなる、
開発者ライアン達は散々苦労して造ったのだが誰も使わないので嘆いていた、
ちなみに性能は超が付くお墨付き、熟練者が乗ると沼地でも余裕で走れる。
ブゥウウウウウウーーーーン!!!ブゥウウウーーーン!!!
「あっとカラミティさん燃料飲んじゃダメですよ!動かなくなりますからね!」
「ああわかっている!よし行くぞ!!!!!!」
「行ってラッシャ~~~~~~~い!!!!!」
ブゥウウウウウウウー------ン!!!!グォオーーン!!
整備兵ライアン達のダジャレに背中を押されながらカラミティ達は出撃する、
マウンテンバイクは殆ど音も無く砂漠を駆けあっという間に戦車隊に追いつく、
それを見た戦車隊は城門に向かって一斉に砲撃を開始した!!!!!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーン!!!!ドゴオオーーーーン!!!
バキィイーーーーーーーーン!!!!!!!!
城門はあっさり粉々となり戦車隊が突入、だが兵などの姿は全く見えない、
そこで戦車隊はドローンを無数に飛ばし1m位の高度で城内を探索した、
すると城のあちこちに入り口があった、おそらく兵達の出入り口だろう。
ブゥウウウーーーン!!!
ドローンは奥深く入って行く、しばらく探索したが兵の姿は全然見えない、
だが10分ほど捜索していたら西側の通路の先に大聖堂のような造りがあった、
それを見たカラミティ達はここが怪しいと考え急ぎバイクで向かっていった。
ブゥウウウウウウウウウーーーー・・・・・ンン・・・
カラミティ達はバイクで移動・・なぜかバイクは大聖堂の場所で動かなくなった、
整備はしっかりしているので故障では無いはずなのだが・・
・・・・
「ふう美味かった!この酒は美味すぎるから全部飲んでしまったな・・」
「ええこれを燃やすのは勿体ないわ、我慢しろと言う方が無理よ!」
「あ~あ・・でもバイク動かなくなったね~仕方無いからここから歩こうね!」
「これは仕方無いですね、バイクはここに置いていきましょう!」
「う~んバイクの方が楽だったけど・・しょうがないか~~!」
・・・
カラミティ達はバイクの燃料タンクにホースを差し込み中のお酒を全部飲み干す、
それはリリス・リリト、カレン、ランも同じ、なのでバイクは即ガス欠となる、
一行は仕方無くバイクをその場に置いて渋々徒歩で奥深く進んでいった。
・・・
お前らは馬鹿か!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・
一行は俺の罵声を無視して奥深く歩く!すると広場が見え・・
・・・・
そこには白目をむき苦悶の表情の側近や兵達の亡骸が辺り一面に倒れていた、
そしてその奥には人影が3つ立っているが・・だが何か様子がおかしい・・
「グゴゴ・・ギュルルルルルル・・・」
バキバキバキバキ~~~~~~!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!
人影は縦に裂けるようにして真っ二つに割れ・・・
ギュルルルルルル・・・・・
見たこともない魔獣が3体出てきた。




