闇夜の突撃作戦と浮上する大和と武蔵
砂漠空母5隻は宙に浮き静かに渦を越えて無人島から離れていく、
この5隻は隼鷹達とは合流せず5km程離れた反対側に着水している、
どうやら挟み撃ちにするようで艦砲射撃後そのまま南の王国に向かう。
大和武蔵も飛鷹の下に隠れ既に無人島から離れていた、そして一旦停止、
現状クアラ王国から5km離れた所に隼鷹・飛鷹・古鷹・夕張・時雨、
その反対側に砂漠空母5隻、中央後ろの海底に大和と武蔵が潜む。
その先には南の王国の軍船300隻がいる、まだこちらには気づいていない、
徐々に日が暮れてきた、この日は曇りで今にも雨が降りそうな天候だ、
そのためか月が雨雲に隠れたこともあり辺りは真っ暗となっていた。
俺達は10km圏内に全員いる必要がある為集団行動を取らざるを得なかった、
試した事は無いが冥界の重鎮ダンテの話だと強制的に引き戻されるらしいのだ、
例えば俺がクアラ王国の街に逃げても10km超えたら転移魔法で戻される。
これは一度でも異世界から冥界のブラックホールを通過した者だけが該当する、
ただ逆は無い、試しにカーグワスがブラックホールに入ろうとしたが何も無し、
なのでコンセ等村娘達も一斉に試したが誰も通れず一方通行の状態となっていた。
当然ながらカーグワス達は10kmの縛りは無い、好きに移動出来る。
ただ中継点に戻るのでは無く10km圏内の端に戻される、1m出れば1m、
5m出れば5mといった感じでとにかく10km圏内に入るような感じだ、
逆に基準となる集団が5m移動したら5m先に動けるといった状態らしい。
その基準は艦隊の数、旗艦では無く全艦対象で数が集中する方を優先する、
例えば隼鷹・飛鷹以外の艦が八方に分散しても数が優先され隼鷹と飛鷹が中心、
そのため大和が5m圏外に出たら強制的に5m戻されるといった感じらしい。
・・・
これに関しては正直面倒くさく行動が制限されるので解除して欲しいのだが・・
「それはご容赦ください、肝心の破壊神・創造神がまだ詳細不明なので・・」
余程冥界はこの創造神?破壊神?を警戒してるらしい、まあ無理も無いだろう、
今でこそ一緒にいるが脅威の破壊神ディエトやディーテ・シヴァを超える存在、
どうかしたらどちらの能力も備えている究極の存在かもしれないからだ。
現時点7柱づついるであろう破壊神は3柱、創造神は4柱俺達の異世界にいる、
だが全員を見た者はいない、冥界でも気配でその数がいるであろう程度の把握、
なので警戒するに越したことは無いというレベルなので俺達も黙るしかなかった。
話を戻して・・
各艦砲撃態勢に入る、砂漠空母5隻は機銃やミサイルで艦砲射撃を行う、
他にも乗組員が火炎・火球魔法やバズーカ等でも攻撃を仕掛ける準備に入る、
中級クラスがバズーカ、上級・特級クラスが火炎・火球魔法を乱射する。
反対側の隼鷹・飛鷹・古鷹・夕張・時雨に関しては各艦の主副砲で艦砲射撃、
こちらは重巡・軽巡・駆逐艦と砲が数多くあるのでこれらで攻撃を仕掛ける、
今回は戦闘機隊は出さない、一気に殲滅したあとそのまま移動するからだ。
「えっ?そのまま南の王国に行かれるのですか?」
定期連絡をしてきたエンカルが話を聞き驚いていた、ちなみに彼女だけに・・
密かに簡易スマホを渡していて10km圏内なら普通に通話が出来る、
他にも彼女が乗る軍船だけには携帯用機関銃やバズーカ等を複数乗せている。
「ええ大元を叩かないと何度でも攻めてくるからこの際駆逐してくるわ、
その間留守をお願い、その軍船の装備なら大概の敵は追い払えるわ、
そして目の前の300隻は私達が沈めるから街の警護をお願いするわ」
「そうですか・・・おっしゃる通りですね、わかりました全力を尽くします、
所で・・マリアンヌ様はどうされているのですか?」
「彼女は出発の際睡眠魔法で寝させたわ、これから大事になるからね、それに・・
彼女は何だかんだ言って私達を引き留めようとするでしょう、それは困るんです、
まずは戦争を仕掛けてきた南の王国は抑えないと後々厄介でしょ?」
「そ・・そうですね、枕を高くして寝れません」
「そういうことよ、それじゃ通信を切るわよ、これから総攻撃を開始するわ!」
「わかりました、ご武運をお祈りしています!」
「ありがとう!それじゃまた会いましょう!」
ザザザザザザザザザザザーーーーーーーー!!!!
隼鷹の甲板に出たエリーナ、赤外線スコープで敵軍船の位置を確認する、
その横には隼鷹の艦長・副艦長達が並び・・エリーナが彼らに尋ねる。
「お尋ねします、貴方方ならどのように指揮を取られますか?」
「ええ私達なら迷わず艦砲射撃ですね、ですがまずは数発撃つだけに留めます、
いきなり総攻撃したら砲撃の光で我らの数が把握される恐れがあるからです、
なのでまずは艦の背後の砲で光を隠し敵に悟られぬよう撃つのです」
「その後はどうするのですか?」
「船が燃えたら乗組員はパニックになります、遠くを見る余裕は無いでしょう、
そして左右から一斉攻撃を仕掛け我らはそのまま一気に抜け出します、そして・・
大和武蔵を一旦浮上させて衝撃波砲を中央に撃ち敵を吹き飛ばすのです」
「わかりました、それで行きますのでご準備をお願いします」
「わかりました!!!!!!」
エリーナは作戦行動前にはあえてライアン達に尋ね確認してから行動する、
これは先輩に敬意を表すのと同時に自分の行動を抑えるためでもあった、
何しろ自分は頭に血が上ると怒りにまかせ行動するので自重している。
「これより全艦作戦行動に移る!総員戦闘準備に入れ!」
グィイイイイイイイイイイイーーーーン!!!
各艦の砲が敵船に向けられる、そして後方の砲に焼夷弾が次々と装填された、
この焼夷弾は着弾後爆発するのでは無く着弾後発火して敵船を焼き払う、
そして各艦は・・・なぜか魔法で砲を黒い膜で覆い砲撃光を隠すようだ。
「この方がしっかりと隠せます!!!!」
自身満々に魔法を展開するエルフ達、それを見た艦長ライアン達は・・
「お・・おおその手があったな、よし!それで行こう!」
既に展開された後なので採用するしか無かった。
「よし俺の出番だな!皆しっかり備えてろよ!!!!」
グォオオオオオオオオオオオオ~~~~~~!!!!!!
「グェエエエエ???????」
カラミティがドラゴンの猛烈な覇気・・殺気かな?を噴き出していく!
それを瞬時に感じた魔獣達はパニックを起こし信じられない行動に出た!
それは仲間の身体に突き刺さっていた魔道具を口で掴み引っ張り出した!
ガブリ!!!!!!ガブリ!!!!!!!
グエエエエエエエエエエエエ~~~~~~~!!!!!!
猛烈な痛みが襲うが・・それでも魔獣達は仲間の魔道具に噛みつき引き抜く、
余程カラミティの覇気が恐ろしいのか狂ったように魔道具を取り除こうとする、
それに気づいた兵士達が取り押さえようとしたが逆に吹っ飛ばされた。
グゥウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!
同じ事が海でも起きていた、シャークホワイトも仲間の魔道具に噛みつく、
痛みと出血で半狂乱となっているがそれでも仲間の魔道具を抜き取った!
そして魔道具を取り除いた魔物達は我先にとその場から離れていった。
「よし魔物達が逃げたぞ!全艦砲撃開始!敵を中央に押し込め!」
「了解!撃ち方~~~はじめ!!!!!」
グォム!!グォム!!
ズシュン!!!!!ズシュシュシュシュシューーーーン!!!!!
シュウウーーーーーーーーー・・・
ゴォオオオオオオオオオオオ~~~~!!!!
各艦まず数発焼夷弾を撃つ、しばらくしたら遠くに炎が次々と立ち上がる。
「よーーし当たったぞ!!!全艦艦砲射撃開始!敵を中央に押し込め!」
グィイイイーーン・・グォム!グォム!グォム!グォム!グォム!!!!
ギュウーーーーン!!ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
ブゥウウウウーーーン!!ドガガガガガガガガガーーーーーーーー!!!!!
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!!!
「うわあ~~~~船が燃えている!!!急いで火を消すんだ!!!」
兵士達は乗っていた軍船が突如燃えだしたので大慌てで火を消し始めた、
だが殆どの船が猛烈に燃えているので船を捨て他の軍船に乗り移っていく、
その隙に隼鷹・古鷹・夕張・時雨と砂漠空母5隻は横を突っ切った。
そして・・
「大和武蔵浮上準備!衝撃波砲発射後潜水して隼鷹達を追いかけるぞ!」
「了解、付近に船などはいません、今がチャンスです!」
「よし大和武蔵浮上!主副砲発射準備完了!!!」
大和武蔵は静かに浮上して・・
帆船艦隊の中央に向けて・・
グイイイイイイイイイイイイイーーーン!!!!
各砲が動き・・
敵軍船に向けて・・
「砲撃開始!!!!!!!!!!!」
最強艦2隻の砲が一斉に火を噴いた!!