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奪われる前提の漁船と暇な大和武蔵の乗組員達




会議の後ほぼ全員が工場・・この場合造船所と言った方がいいのかな?

そこで20~30mクラスの漁船を大量生産し次から次へと進水式を行う、

これらは遠洋に向かうタイプの漁船なので衣食住が出来るようになっている。




進水式が済んだら内装、ベットや机などは村娘達が担当し次々と作っていく、

そうして完成した漁船に小型船を載せ出港、その際は海底を凍らせている、

渦が消え穏やかになった海に次々と漁船が出航しクアラ王国に向かっている。




ちなみに小型船とはモーターボートのことでアマゾンなどで使う船のこと、

これには小型魔力エンジンを搭載しているので時速70kmまで出せる仕様、

なので海賊に襲われても十分逃げれる速さを備えている。




尚・・・




漁船の動力は基本帆船と同じ、風と人力なので平均40km程の速さが出る、

風が強い日は早いが晴天で風が穏やかなときは20km程度しか出せない、

俺達の技術を加えれば安定した速度は出せるが・・あえて同じ仕様にしている。




というのも・・・




この漁船は奪われる事を前提としているので違う仕様だとまず使われない、

目的は海賊達にこの漁船を使わせる事なので違う仕様だと疑われてしまう、

なので内装が豪華にしてる以外はそのままなので一見普通の漁船そのまんま。




ここで村娘の1人がこんな質問をしてきた。




「ねえどうしてこの漁船を奪わせるのですか?勿体なくはないですか?

勿体ないですよ、どうせ奪われるならもっと簡素化でもいいのでは?」




これに返答したのは魔族の女の子、ちなみに人間に変化している。




「これに関しては理由があるのよ、私達の主の提案なんだけどね・・

この漁船に近づくと内部の映像と声が聞こえるようにしているのよ、そうね・・

前トランシーバー見せたでしょ?あれって覚えているかしら?」




「ええボタンを押すと相手と話が出来る機械ですね、あれには凄く驚きました、

・・えっ??もしかしてそれらを漁船に隠しているのですか?だから・・

あえて豪華な仕様にして海賊達のお気に入りにすると言うことですか?」




「ご名答!この漁船にはそれらを搭載しているから近づくと内情がわかるのよ、

これなら密偵の方が無理してアジトに忍び込まなくてもいいので楽でしょ?

さらに漁船から3km以内なら大概の場所で盗聴・盗視出来るの、凄いでしょ?」




「そ・・そういうことなんですか!!これで納得しました!」




村娘はワクワクしながら作業に精を出す、内容を知ったので蟠りが消えたのだろう、

自分達が精魂込めて作ったモノが海賊に利用されることが内心嫌だったらしい、

だが逆に使われるには豪華にする必要があると理解したので気合い入れ作業している。




ここで豆知識!




漁船を奪わせ海賊に使わせる案は西の大陸の王カオスが考え出した作戦だ、

彼はこの地球に似た星を分析しクアラ王国周辺にはこの作戦が有効だと判断、

エリーナを通じ現地民に漁船を大量生産させ海洋に出て漁をさせる事だった。




海産物なら海に出ればすぐ取れるし豊漁だと俺達が買い取ればいいだけの話、

逆に不漁なら海賊達も漁船を奪って稼ぐ・・この時期は毎年不漁の時期らしい、

なのでこれ幸いとばかりに漁船を大量生産させ次々と遠洋に送っていた。




漁船の値段に関しては当初生活の糧を失っていた漁師に無料で提供していた、

だが一家に1隻限定、しかし数を求める組合等は足りないと催促してきた、

そこで戦争中緊急援助として期間限定で通常の3割程度で販売している。




漁船を大量生産させることで現地民の仕事も潤い漁師達も格安で漁船を購入、

そして遠洋に出て・・案の上あちこちに海賊が隠れ漁船を襲撃してきた、

それに気づいた漁師達はすぐさま小型ボートで逃げ役人に報告していた。




尚奪われた漁船は申告があると即座に新型の漁船を無償で提供されている、

なので漁師達は船を奪われても痛くもかゆくもなくむしろ逆に喜んでいた、

今迄は漁船を奪われると死活問題だったがその心配が消え漁に励んでいた。




海賊達は豪華・・高級車を手に入れた感覚なので改造し幹部の専用船とした、

なので海賊達は重要な話し合いはこの漁船で行うので容易に情報収集が可能、

それを密偵達が持ち帰り俺達に提供したら報酬を支払う流れとなっていた。




海賊達の会話や内部の画像はテータ化されWI-FIで専用の送受信機でメモリー、

密偵は近くに送受信機を置いて翌日取りに来ればいいだけなので凄く楽だった、

このデータは専用パソコンで無いと再生出来ないので密偵も内容は知らない。




尚この方法もカオスが考え冥界に提案し採用されている。




ちなみに冥界はカオスの提案を了承しWI-FIなら半径100km使用を許可、

それを超えた場合は発信器と受信機が3km以内なら相互送受信を可とした、

その理由はWI-FIの電波は範囲が狭く生命体ではないので問題無いと判断していた。




これにより俺達の情報収集範囲は格段に広まったが・・




・・・




正直人工衛星を打ち上げればスマホが広範囲に使え楽なのだが・・




・・・




カオスもそれを訴えたがそれは冥界が許さなかった、なので断念した、

カオスは猛烈に怒ってはいたがレイナ達が慰めなんとか暴走は食い止めた、

俺達もカオスと同じ気持ちではあるが冥界の進言なので黙るしかなかった。




豆知識はここまで!




「お?あれが新型の漁船だな、お前達アレを襲うぞ~~~!!」




「うわああああ~~海賊が来た~逃げろ~~~!!!!!」




早速この作戦は効果が出た、まず海賊が漁師達を襲い漁船を奪っていった、

漁師達は新たな漁船を受け取れるので迷わず乗っていた漁船を放棄していく、

そして海賊達は奪った漁船を持ち帰り自分達の専用船としていく。




海賊達は大概近くの村や町の近くの洞窟などに隠れ意外と近くにいた、

なので密偵も深夜アジトの近くに出向き送受信機を隠し置いて去って行く、

そして翌日の夜それを回収してクアラ王国から俺達に送られてきた。




それを分析官がパソコンで調べ・・南の王国の軍勢が近づく事を知る、

その数およそ300隻、海賊の話だと何やら海獣も複数いるようだ、

内容をまとめた分析官はすぐさま総司令官エリーナに報告する。




それを見たエリーナは・・各艦に命じた!




「隼鷹・古鷹・夕張・時雨出撃、砂漠空母5隻と飛鷹はこのまま無人島に、

大和と武蔵は海底から援護、ですが劣勢の時だけに攻撃参加を了承します、

それと深追いは厳禁とします、あくまでもクアラ王国を守ることに限定します」




「了解!隼鷹・古鷹・夕張・時雨出撃します!!!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・




洞窟から隼鷹・古鷹・夕張・時雨が出てきて次の瞬間渦が収まっていった、

そして4隻が渦の外に出た直後に新たに建造された軍船が姿を現していく、

これらは試作型の軍船とほぼ同じ、細部に若干変更が加えられた程度だ。




「よしクアラ王国に戻るぞ!急いで戻れば十分間に合う、皆気合いを入れろ!」




「はい!!!!!!!!!!!!」




約30隻の軍船を従えるのは親衛隊長のエンカル、皆に命令を下していく、

それを聞いた配下達はそれぞれの持ち場に駆けつけ軍船は一斉に動き出す、

そしてそのままクアラ王国に向かい湾岸を守るため戦闘態勢に入った。




同じ頃クアラ王国の造船所で完成した軍船15隻も出港し湾岸を守っていた、

足早な軍船ではあるが相手の数が数なので下手に沖に出ず守ることにしている、

長距離砲を搭載しているので一斉攻撃した方が効果があると判断したからだ。




そして隼鷹・古鷹・夕張・時雨に関しては・・・




・・・




こちらはクアラと今いる無人島の間に陣を構え長距離砲と戦闘機で応戦準備、

その間にも海賊達からWI-FI通じて情報が入ってくるので敵の行動は筒抜け、

魔物を前面に出して攻撃するのはわかったのでこちらも対策を講じている。




そして大和武蔵は・・




「あ~~退屈だな いい加減出て敵をぶっ飛ばしたいな~」




「まあまあ気持ちはわかるが目立つと後が厄介だぜ!」




「それはわかっているけどな~隼鷹・古鷹・夕張・時雨が羨ましいよ~

なにしろ村娘さんたち結構可愛いんだろう?俺も注目浴びたいよ~!」




「その気持ちはわかる!この村娘さん俺のタイプなんだよ~」




「おいお前いつその写真撮ったんだよ!俺にもくれよ!!」




大和武蔵の乗務員達は・・




艦はもちろんのこと・・・




全員外に出るなと厳命されているので気分転換はブラックホールを通る程度、

異世界に戻れば今迄の生活が出来るが大和武蔵の中では外出厳禁となっている、

なので超暇、村娘達の写真を送付して貰うぐらいしか楽しみがなかった。




ちなみにエリーナなど幹部は例外、表向きは隼鷹等の臨時艦長としている、

というのもマリアンヌが・・俺達にはまだ別の存在があると目を光らす、

それを誤魔化す為にエリーナも必死、別の意味で忙しく武蔵に戻れない。




・・・・




そんな俺達の平和な状況など無視して・・・




南の王国の軍船は殺気ムンムンしながら近づいてきていた。















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