北の大陸のリゾート化と新たな航空母艦の艦長たち
会議の後別の木人形達から提案があると俺コウに申し出があった、
俺はその木人形たちと会議室に戻りその提案の内容を尋ねた。
「北の大陸を総合的なリゾート地にするのはどうでしょう?」
「どういう意味だ?」
「言葉の通りです、北の大陸を各種族が楽しめるリゾートにするのです、
まだ頭の中での検討段階なので、まずはコウさんに相談しようかと・・」
「それは興味あるが・・その意図を知りたいな」
「実は・・」
木人形達の意図としては・・まず北の大陸は極寒地であること、
目線を変えると同盟外の種族は近寄らないので安全性はかなり高い、
さらにソニア達の冷気調節で特定の場所だけ快適な温度に出来る。
リゾート地としては最適な環境ではないか?と感じたそうだ。
各種族との同盟で戦力も増したことで個々の心境も余裕が出来た、
ただ元々各種族は戦いが主なので平和に対してのストレスも出ている、
それを分散する手段の一つとして遊ぶ空間も必要ではないかと・・
・・・
それは確かにあり得るな。
元いた世界で・・戦争帰りの軍人が居場所を失ったような感覚だな、
磨き上げた戦いだけの技術は平和の世の中ではほとんど役にたたない、
アメリカにいた俺の先輩、何人かそれを嘆いていたと聞いた事がある。
「まだエニウェアの驚異が消えたわけではありませんが・・
先を見据えて気持ちを切り替える環境も整える必要があるかと・・」
「そうよ!それは大切な事だわ!」
いつの間にかエリーナやクリスティーナ、デーヴィド達が後ろにいた。
「なに隠れて話してるんだよ!俺達も混ぜろ!」
「そうですよ!私達の意見も聞いてください!」
「私達は遊ぶことに関しては妥協しないわよ!」
・・・
全員会議室に戻っていて北の大陸のリゾート化を話し合った。
その結果・・
氷の地下に温泉に加え新たな施設を複数建設することとなった。
北の大陸の表面は今迄のように極寒地として手をつけず敵の眼を欺く、
出入り口は氷のトンネルを複数設け戦艦でも余裕で通れるようにする、
念の為関所を設け敵が入り込まないよう各種武器も備えるようにした。
氷の地下に巨大なドームのような環境を造り娯楽施設を複数建設する、
具体的にはジェットコースターや観覧車、ゲームセンター等だ、
あとカジノなども必要だと判断したら追加することにした。
ソニア達の城は氷の地下に埋めてテーマパークに全面改装する、
具体的にはディズ●ーランドのような感じの爽やかな施設に変更、
パレードも出来るように大通りも造ることにした。
それに加え人気が高いサッカー場や映画館も造ることになった、
さらにドライアドたちのリクエストで芝生の広場や森も新設、
アメリカのセントラルパークの様な感じにするらしい。
「氷の中で植物が育つのか?」
「はい大丈夫です、日照が入るようそこだけ氷を透明化出来ます」
「かなり広いな、場所や空気の入れ替えは大丈夫なのか?」
「この位余裕よ、倍になっても対応出来るわ!」
すごい施設になりそうだ・・
木人形達は早速この案の施設を造ります!と意気込んでいた。
・・・
完成を楽しみに待つ・・その前に温泉には行きたいな!
俺がそう小さく呟くと・・・
「紀伊と信濃の出港準備は出来ております!」
タケシとサユミが爽やかな笑顔で俺の呟きに応えてくれた。
・・・
君達あれだけ北の大陸に行くの嫌がってたよね?
「過去のことは忘れました!」
「今が楽しければそれでいいんです!」
・・・
一時間後・・・
俺達を乗せた紀伊と信濃は北の大陸に向かって巡航していた。
北の大陸に向かう最中に俺は祖父木人形と会議室で話をしていた、
東の大陸の要望でもある新造艦製造のことで俺から祖父に提案した。
「お祖父ちゃん・・今ある艦の同型製造は出来ないかな?」
「同型・・例えると紀伊の姉妹艦予定だった尾張などか?」
「名前は深く知らないけど・・姉妹艦なら出来るんじゃないのかな?」
「それはわしも考えた、だが尾張等に関しては無理だ」
「どうして?」
「紀伊に関しては内容を熟知していた、それとわしは当時呉にいた、
絡みが深いから紀伊は製造出来たがそれでも当初とは大幅に異なっている、
尾張を例にとると・・他の地での製造予定だったから絡みが無いんだ」
「だから無理なのか・・」
「ああ・・だが呉にいた時紀伊以外にも製造中止の艦が複数あった、
その中の一隻は復元に成功している、もうすぐ出港できるが・・」
「何か問題でも?」
「艦長を誰にするか迷っているんだ、復元した艦は航空母艦だ、
だが信濃のように最前線で戦う艦ではない、むしろ逆の仕様にした」
「逆?」
「この世界の魔物はドラゴンはじめ各種族非常に身体が大きい、
動けなかったら相手の格好の的だ、東の大陸でそれがあったからな、
彼ら彼女達の傷を迅速に回復させる艦が必要だと思ったからだ」
「動く集中治療室のようなものかな?」
「うまいことを言うな・・その通りだ」
「で?どのような人物が適切なのかな?」
「魔力蓄積が大きく空を飛べる種族がありがたい、出来れば女性2人、
治療がメインだから女性の方が気配りも行き届く、欲を言えば・・
いつも一緒にいてお互いを知り尽くしているような感じかいい」
「それはどうして?」
「空を飛べる種族なら海に落ちた仲間を救出できる、それと・・
お互いが知り合っていれば語らなくても相手の動きを読めるからな、
治療は時間との勝負だから迅速に動ける間柄の方がいい」
「それと戦場だと相手の攻撃を受けることもあり得るからな、
その指揮もあるから艦長が2人いた方が負担を分散できる、
この艦は臨機応変が求められるから人選に迷っているんだ」
その時モカとココがノックして部屋に入ってきた、電話を持っている、
なんでも東の大陸のヤマダさんが俺に尋ねたいことがあるらしい・・
後でいいから電話してほしいと伝言を頼まれたそうだ。
俺のスマホはマナーモードだったから気付かなかった、着歴がある、
俺はモカとココにお礼を言って・・
・・・
ん??
魔力蓄積が大きくて女性で空を飛べていつも2人一緒・・
・・・
「それでは失礼します」
モカとココが部屋から出ようとしたが・・
「ちょっと待った~~~!!」
俺達は出入り口を塞ぎスカイドラゴンのモカとココを引き留めた。
「えっ?ちょっと待ったコールですか?」
「そんな~~うれしいけど・・ごめんなさい!!」
ねる●んじゃないつーの!どこでその情報知ったんだ?
「ヤマダさんから教わりました!!」
彼はいったい何を教えているんだ?
興奮するモカとココを席に座らせ新造艦の説明をした、
当初は照れながら聞いていたモカとココの顔が引き締まる、
それを見た祖父木人形が2人に確認をした。
「おおまかな説明は以上だ、どうだね?引き受けてくれるかね?」
「はい!もちろんです!」
「ぜひ私達を使ってください!」
俺と祖父木人形とモカとココは固い握手をした。
ちなみに後程ヤマダさんに連絡した、彼が尋ねたいこと・・
メディ達と一緒に来た高校生位の男女のことだった、
出来れば軍艦に関わることを実技体験できないか?ということ。
その男女がヤマダさんに相談したらしい、ぜひとも習いたいと、
彼は快諾し俺に相談すると彼ら彼女達に伝えたそうだ。
ちょうど新造艦の艦長をモカとココが引き受けてくれたので・・
彼女達のサポートとして新造艦で実技させると返答しておいた。
次回は4月6日(火曜日)夜の予定です。
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