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最小限の交渉と試作の帆船




ヴァレットとアリエノール、ソネットは王達の前に立ち一度敬礼する、

一応相手の敬意を表する形は取ったが膝まつく必要はないの立ったまま、

それに不愉快を覚えるクアラの幹部達、だが王命により黙らされていた。




「よく来てくれた、クアラ王国は貴殿達の入国を歓迎する」




この言葉を聞いたアリエノールとソネットは目でヴァレットを見て・・

ここから先はヴァレットに任せるとして黙り込むことにした。




「光栄でございます、本日は我が主の言葉を持って伺いました」




「そうか・・で?君達の主君の言葉を教えてくれないか?」




「はい、現時点我らは姿を隠す必要があるためこちらには伺えません、

それと南の王国が再び攻めてくる可能性は十分あるので備えているのです、

なので我らとしては貴殿達との取引は現時点最小限に留めたいと・・」




これを聞いたクアラ王国の幹部が怒りながら訴える!!!!




「いい気になるなよ、お前達は我が王の言うことを聞いていればいいのだ!、

大体図々しいにもほどがある、我が王の前で膝まつかないだけで失礼だ!

我らは誇り高いクワラの王族だ!お前らと一緒にするなよ!!!」




これを聞いたヴァレットは・・わざとムッとした顔をしてこう訴える。




「ほほう・・貴殿達は我らを格下と見ている様ですね、それなら我らは帰ります、

我らは「共存」を受け入れられない方々と無理に付き合う必要はないのです、

ではこれにて失礼します、ここには居るだけ時間の無駄なようですから・・」




ヴァレット達は呆れて帰ろうとするが・・王が慌てて止めた!




「ま・・待て、部下の無礼は詫びる、どうか話を続けてほしい」




「お・・王??どうしてこんな奴らに媚びを売るのですか?」




「やかましいこの馬鹿者め!お前は出て行け!!!」




王は無礼を吐いた輩をその場からたたき出し頭を下げた、これを見たヴァレット、

王に一礼して再び戻り・・王に向かって静かに尋ねた!




「こちらこそ失礼しました、では貴殿達は我らに何をお望みですか?」




「ああ・・情けない話だが現状クアラ王国は戦える状態にない、だから・・

貴殿達にはクアラ王国を守って欲しい、出来るだけの対価は用意する」




「お気持ちはわかりました、それならば案があります、お聞きいただけますか?」




「も・・もちろんだ、是非教えて欲しい!」




「わかりました、まず南の王国に関しては我らが責任もって対処します、

貴殿達にはこの国に留まり我らが設計した新たな帆船を製造頂きたいのです、

先を考えるとこの国そのものの強化が必要です、それにもう一つ・・」




「おおそれは構わない・・それと・・なんだ?」




「はい、こちらで預かっている村娘さん達はそのまま我らが雇いたいのです、

その許可と・・マリアンヌ様とエンカル様、それとお供の方はお返し致します」




「なんだと?娘を・・王族をこちらに帰すというのか?」




「我らが欲しいのは村娘さん達の労働力です、王族の方にはさせられません、

それと万一の時守れるかと言われたら自信はありません、なのでお返しします、

このことはエンカル様にはお伝えしておりますので間もなく帰られるでしょう」




「村娘に関しては構わないが・・マリアンヌ達は役に立たないと言うのか?」




「我らは護衛ではありませんのでマリアンヌ様を守ることには限界があります、

それと南の王国は残忍、万一捕らえられたらと考えると国に留まる方が安心です、

もう一つ、我らは状況によっては他に移動することもあり得ますので・・」




「・・・」




クワラ王は焦る、娘を預けておけば俺達との関わりは継続出来ると考えていた、

だが身の危険を理由に帰されるとなれば拒否する理由がない、戸惑う王達、

これは一筋縄ではいかないと判断したサンペドロ将軍が動き出す。




「王は疲れている、ここからはわしが代りに貴殿達と交渉したい」




「こちらは構いませんが・・」




「では本音を言おう、われらが欲しいのは貴殿達の軍事力だ、それと・・」




「それと・・何でしょうか?」




「貴殿達は我らが知らない様々な技術を持っていると見た、それらが欲しい、

調べているとは思うが我が国は火の車だ、いつ攻め滅ぼされてもおかしくない、

だが我らも生き延びたい、その最後の希望が貴殿達なのだ」




「その心中はお察っしします、逆の立場なら我らもそう考えるでしょう、

ここでご相談なのですが・・我らはある理由があって動きが制限されています、

なので遠方地域の偵察、様々な情報収集を貴殿達にお願いしたいのです」




続けて・・・




「先程も申しましたが我らは南の王国に対しての脅威は振り払います、

その先に関しては貴殿達から得た情報を元に脅威を感じたら対処致します、

この条件を汲んでいただければ・・・」




「我らを見捨てない・・と解釈していいのか?」




「もちろんでございます、しばらく距離は置かせて貰いますが・・・」




「その言葉を待っていた、そこで改めてお願いがあるのだが・・」




「何でしょうか??」




「先程帰すと言ったマリアンヌとエンカル達は貴殿達に預けておきたい、

もちろん王族だからと言って甘やかす必要はない、過剰な護衛も要らない、

我らとしては身内を貴殿達の傍に置いておけば安心する、意図はわかるな?」




「ええ痛いほど、わかりました、マリアンヌ様達は引き続きお預かり致します、

それでは我らはこれで失礼します、後ほど試作船を送りますのでご覧ください」




「も・・もう少し居てくれないか?まだ話したいことがあるんだ」




「申し訳ないのですが南の王国の対策のため急ぎ戻らないといけません、

それでは失礼致します!」




シュン!!!!!!!!!!!!!!




ヴァレットはアリエノールの転移魔法でこの場を去った、驚く将軍達、

だが将軍は薄ら笑い、これで王国は存続できると最小限の取引は達成した、

あとは俺達の技術待ち、未知の兵器が手に入ると内心大喜びだった。




そして戻ったヴァレット、マリアンヌとエンカルを呼び王城での出来事を話す。




「えっ?私達ここにいていいいのですか?」




「ええ王と将軍から許諾いただきました、しばらくお付き合いください、

尚王族だからと言って遠慮は不要とも言われてますのでそのつもりで・・」




サァァァァァァァァーーーー!!




マリアンヌとエンカルは青ざめ凍りつく、もしかして私達・・・




・・・




なぜか2人は自分の胸を見てあまり大きくないから殿方は興味湧かない・・

と勝手に解釈して必死の営業スマイル、それを見て呆れるアリエノール達、

なんでそっちの考えになるのかと思いながらもただ黙っていた。




「はははご心配なく、我らの主はそのような野暮なことは申しませんよ、

ただ怠けること、食べ物を大事にしないなど非常識に関しては怒ります!

その辺を気をつければ大丈夫ですよ、では私はこれで・・」




「えっ?どこに帰られるのですか?」




「それは先でのお楽しみです・・ではまた会いましょう!」




シュン!!!!!!!!!!!!!!




次の瞬間ヴァレットは瞬時に消えて・・大和のブラックホールを通り帰った、

その後経緯を聞いたマリアンヌ達は驚く、サンペドロ将軍が我を通せなかった、

今迄こんなことはなかったようで・・ヴァレットの交渉術に感心する俺達だった。




そのころ・・・




「よし出来たわ、我ながら見事な出来映えね~~」




「えへへ・・このカーテン私達が作ったのですよ~~」




「どうですかこの出来映え!これなら高値で売れると思いますよ~!」




「ええ見事ね、早速クアラ王国に送りましょう!」




出来たのは試作の軍船、約80m位で村娘達が頑張って内装を仕上げた、

一見見るとこの世界の普通の帆船にしか見えないのだが・・




この帆船は・・・




「よしこれなら万全だ、こいつだけでも十分戦えるぞ!」




魔力で動くスクリューや機銃、手榴弾等を備え・・




「前に15インチ砲を備えておきました、これなら5km先でも狙えますよ」




その船首には・・




軽巡クラスの単相砲が備えられ・・



・・・



この世界では脅威とも言える能力を備えていた。
















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