クアラ王国の豪傑と使者の選定
マリアンヌの号泣に負けた俺達はクアラ王国と同盟を組む事にした、
だがマリアンヌが了承しても王や重鎮達は納得しないだろう、特に・・
幹部は姑息でしたたかな者が多いと聞いているので油断は出来ない。
なので突然乗り込んでも逆効果と判断したエリーナ達は改めて会合する、
これにはお供達や村娘達も参加させて状況を話し案があれば申し出て貰う、
尚緊張を和らげるため全員に特大チョコパフェを用意して食べて貰った。
「こ・・・これすごく甘くて美味しい~~~!!」
「あらもう無くなったわ、あの~~おかわり出来ますか??」
・・・
甘い物は別腹とはよく言ったもので全員パフェをしっかりおかわりしていた、
完食した後少し眠くなったので仮眠、その前にしっかり歯は磨いておいた、
30分ほどしたら全員起床、一度身体をほぐすためラジオ体操して席に座る。
さて・・
気分もスッキリしたエリーナ達は改めて会合、すると子供達が入ってきた!
自分達も参加したいと言うのでエリーナが許可して端の椅子に座る、すると・・
「えっ??コンセ姉ちゃん??」
「あら???カーグワスなの?無事だったのね~よかった~!!!」
村娘達のリーダーはコンセと言う名前でカーグワスは昔なじみだったそうだ、
思わぬ再会に喜び抱き合う2人、それを見て皆の顔は笑顔で溢れていた、
ふとミナトを見るカーグワス、それを見ていたミナトは・・
「カーグワス君よかった~わね~~~パチパチ!!!」
・・・
複雑な気分のカーグワス、嫉妬されるのかと期待していたがミナトは他人事、
満面の笑顔で喜び拍手までしている、どうやら本当に関心がないようだ、
そしてカーグワスは少しはぶててコンセと手を繋ぎ一緒の席に座っていた。
これを見てエリーナは・・
「あらカーグワス君コンセさんと知り合いだったの?でも凄く仲いいわね」
これを聞いてコンセは・・
「そうなんですよ~カーグワス君って私をお嫁さんにするって騒いでました、
もう恥ずかしくって・・でも嬉しかったんですよ~~アハハハハハ!!!」
「こ・・コンセ姉ちゃん!それって僕が子供の時だから勘弁してよ~!」
アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!
皆は大爆笑!ミナトも大笑いしてカーグワスは真っ赤な顔して落ち込んだ、
それを優しく抱きしめるコンセ、どっちかと言うと姉弟のような感じだ、
これで場が和んだが・・本題に入った時皆の顔つきが変わった。
「まず王族と話をする必要があるわね」
「ええ・・ですが幹部達はしたたかな者が多いです、特にサンペドロ将軍、
クアラ王国に長く仕えている重鎮なのですが下の言葉は聞く耳持ちません、
先般も南の王国相手に和解を進言した部下を怒鳴り散らし破談となりました」
「それは・・話をしても意味ないと捉えたから?」
「ええ先見の目はあるのですが言い方が雑なので皆は萎縮してしまいます、
ですが面倒見はいいので何だかんだ言っても皆は将軍の言葉には従います、
言い換えるとこの将軍さえ味方につければ交渉はスムーズに行くかと・・」
「でもマリアンヌさんは王女でしょ?あなたなら話は通じるんじゃないの? 」
だがマリアンヌは・・・
「わ・・私サンペドロ将軍は凄く苦手なのです、小さい頃から怒られてばかり、
今回私がジブンの村に行かされたのも将軍の一喝なので・・凄く怖くて怖くて、
ちなみにお父様も将軍には頭が上がりません、年が親子ほど離れてますから・・」
「王様が萎縮するとなると相当なのね・・」
「ええ先代王から仕えている方なのである意味クアラの最高指導者でもあります、
今年で80歳になるのですが未だに現役で下っ端の兵など容易く吹き飛ばします、
さすがに高齢なので最前線には出ませんが戦うと私など足元にも及びません」
親衛隊長のエンカルがマジで怯えている姿を見ると相当な豪傑のようだ、
ちなみにエナ達もこの将軍の名前は知っていたが本人は留守を守っていた、
調べようとしたが王城の奥に引き籠っていたので調べられなかったらしい。
「なぜ将軍は引き籠っていたのかしら?」
「おそらく最後の砦として身構えていたのだと思います、あそこには・・
王族の歴史や文化・芸術品等が満載なので何としても守りたかった・・
そのため王が最前線に出向き自分は国の財産を守ろうとしていたのでは?」
「そう聞くと合点が見えるわね、言い換えると覚悟を決めてたようね」
「ええ結果として判断は正しかったと思います、それと予期せぬ貴方方の参戦、
これでクアラ王国は救われたのですから将軍もあなた方を調べているはずです、
そういう意味では早めに伺った方が交渉が容易かと私は考えています」
「そうね・・ならエンカルさん!一度戻りサンペドロ将軍に話をしてくれる?」
「えっ??私がですか????」
「そうよ、私はあなたが最適だと思うの、マリアンヌさんだと多分一蹴されるわ、
親衛隊長のあなたなら少なからず将軍は話を聞いてくれると思うわ、それと・・
明後日私達の使者を送るから話がしたいとも伝えてくれる?」
「わ・・わかりました、ですがその際にはお願いがあります」
「あら何かしら?」
「私の言葉だけでは将軍は頷かないと思います、なので何かしら証拠品・・
貴方方が遥か遠くから来たという証明のような物を預からせていただきたい、
出来れば手で持てる大きさのものが運びやすいのでありがたいです」
「ええわかったわ、それはこちらで用意します」
「では私は漁船を借りて急ぎクアラ王国に戻ります」
エンカルとそのお供達は急ぎ漁船に乗り込み古鷹から離れクアラ王国に戻る、
その際エリーナが預けたのはトランシーバーと量産聖剣、あと日本酒だった、
将軍はかなりの酒好きとマリアンヌから聞いたので極上の日本酒を預けた。
尚エンカルには黙っているが量産聖剣には隠しマイクを仕込んでいる。
ちなみにマリアンヌは・・怖いからと村娘たちと古鷹に留まっていた、
エンカルが一緒に帰ろうと手を引っ張ったが駄々こねて帰るのを拒否した、
よほど将軍が怖い・・というかチョコパフェ等甘いもの欲しさは見え見えだった。
「さて次は村娘さんたちにお尋ねします」
話題は切り替わりエリーナはカオスの案を村娘たちに伝えていた、
その案とは・・無人島に作った工場で帆船の製造に携わる仕事を提供する、
具体的には内装・・カーテンや椅子、ベット等の装飾関連の仕事となる。
この世界では帆船が活躍していることもあり・・
カオスは帆船を大量に造りそれを各地に配備すれば行動範囲が広がると考えた、
尚カオスは別の考えもありそれをエリーナに伝え彼女も了承していた、
その使い方とは・・これに関しては先で説明する。
この世界の衣類等はナイロンなどの化学繊維がないので殆どが綿製品だった、
着ていた服もほとんどが綿なので村娘たちも綿の扱いに関しては自信あり、
さらに衣食住や給与、娯楽なども提供すると伝えると・・
「そ・・それはぜひお願いします!!!!!!!!!」
全員がこれに賛同し・・村娘たちは秘密工場での勤務が決まった。
「これで話はまとまったわね、じゃあの無人島に戻るわよ!」
これを聞いたマリアンヌは首をひねる・・・
「あ・・あの~エリーナさん・・??」
「あら何かしら?」
「あ・・あの無人島は渦だらけですよ?行くと飲み込まれるのでは?」
「それは心配ご無用ですよ?今から向かいますね!」
ここでソニアがエリーナに耳打ち、自分の絶対零度で海水を凍らせて・・
それで海中の切れ間を埋めて渦を収めようと進言したがエリーナは断った、
渦があった方が外敵が来ないからと説明、それにソニアもうなずいた。
「では戻りますね!皆さん少し揺れますから注意してください!」
「では浮上します!!!!」
ゴゴゴゴゴゴ・・ザザザザザザーーーーーーーーーー!!!!!
バシャーーーーーーーーーーーン!!!!!
「ヒエエエエエエエエエ????ふ・・船が浮いてる??????」
古鷹・夕張・時雨は浮上して渦を飛び越え無人島に戻っていった、
エリーナ達は後のことは乗組員達にまかせ急ぎ武蔵のブラックホール、
ここを通りカオスのいるルーム王城に向かう、カオスはそこで待っていた。
「お待たせしました、それで・・あの方に使者をお願いしたいのですが・・」
「ああここに来てもらっている、彼らなら間違いないだろう」
「それを聞いて安心しました」
エリーナ達が使者をお願いした人物、それは・・
「ご指名いただき光栄です、最善を尽くします」
そこに現れたのは・・
「 株式会社 Different world High brand (異世界ハイブランド)!」
の店舗を預かる・・
デーモンのヴァレットだった。