女性木人形の新たな呼び名と北の大陸の待望の温泉
女性木人形達は新たな身体を手にいれ皆満面の笑顔をしていた、
だが・・もう木人形ではないので別の呼び名を考えることにした、
いいのがないかな~と軽い気持ちで広く名前の募集をしたが・・
・・・
ドール、ペ●ちゃん、カーネ●・サンダーズ、マリオネット、パペット、
キュー●人形、リ●ちゃん人形、キン●マン人形、食い●れ太郎・・・
・・・
元女性木人形達は・・イマイチ過ぎる名に思いっきり落ち込んでいた。
その中で・・クリスティーナがある名前を呟いた。
「私が小さい頃持っていた人形・・ジェニーはどうかな?」
「それよ!!!!!!!!!」
元女性木人形達は念願の新たな名前に雄叫びを挙げる!
「よっしゃ~~~!」
そしてガッツポーズ!右手を高く掲げてる。
「はいこれで決まり!もう変更はありません!」
これ以上訳の分からない名前を出される前にジェニーに決めたようだ、
以降女性木人形達はジェニーたちと呼ばれることとなる。
当然ながら・・
男性木人形達はそのまま木人形と呼ばれることとなる。
「新しい身体さえ出来れば・・・出来れば・・今は我慢だ・・」
木人形達はお互いを慰めているように励ましあっていた。
それはさておき・・・
軽く扱うなと木人形達からの抗議のブーイング!!
はい・・すみませんでした。
気持ちを切り替えて・・
俺を含む主要メンバーはルーム王国の会議室に移動していた。
というのも・・
現在空き家状態の北の大陸をどうするかを話し合うためだ、
ソニア達は・・戻りたくないらしく俺達に管理を丸投げした、
一応オリハルコンを発掘するための設備は完成しているそうだ。
だが・・
ソニア達がいなくなったことで北の大陸の温度が上昇している、
このままだと他の大陸と温度差がほとんどない状態になるそうだ、
そうなるとエニウェア始め敵の魔物たちが住みつくかもしれない。
それは避けたいので・・
なんとかソニア達に戻れ・・5人は思いっきり嫌な顔をしていた。
「あの地にはつらい思い出しかないので・・」
弱音を言わないタケシが神妙な顔で嘆いていた。
ここでエリーナがある提案をする!
「ねえソニアさん、封印した冷気を別に持ち運ぶ方法はあるの?
例えば何かの物体に封印して北の大陸でそれを開放するのよ、
そうすれば北の大陸の温度上昇は抑えられると思うわ」
「それなら出来るわよ、ただある原石が要るけどね」
「原石?それは?」
「魔水晶よ、はるか昔私の知り合いが持っていたわ」
初めて聞く原石だな・・
聞いた話によると・・魔水晶は青白い光を放ち冷気を大量に封印できる、
だが魔法等では検知できないので直接目で見つけるしかないそうだ、
北の大陸では一度も見たことがないとソニア達が言っていた。
ガルーダやグリフォン、ワイバーン達も知らないらしい。
ならドライアド達に・・南の大陸には無いと断言していた、
西の大陸に移住している彼女達に捜索してもら・・無いらしい、
大地を通じてあらゆる物体を検知できる彼女達が断言していた。
すると・・
「もしかして・・これのことですか?」
メディが収納魔法を展開して30センチ位の青白い水晶を展開した。
「これよこれ!」
ソニア達が目を丸くして驚いていた。
「これは母親の形見なんです、私が小さい頃に母が手に入れました、
なんでも豊かな時代の時に敵が荷馬車ごと置いて逃げたそうです、
ただ母は使い方はわからず・・綺麗なので私がねだりもらいました」
ソニアが席を立ち・・
メディを立たせて思いっきり抱きしめた!
「ありがとう!これであそこに帰らなくて済むわ!!」
そこまで北の大陸を毛嫌いしなくても・・・
「お願いこれを譲って!代わりにあなたの氷像を造るわ」
氷像?
「銅像の氷版です、祖母の趣味の一つです、ただ・・」
サユミがこっそり教えてくれたが・・なぜかその先は無言だ。
ソニアはすぐさまメディの氷像を造った、だが・・・
・・・
どうして水着姿なのかな?
それもかなりきわどい・・
メディは思いっきり顔を赤くして・・急ぎ自分の氷像を布で隠した。
「魔水晶は差し上げます、だからこの像は砕いてください!!」
ソニアのほぼ絶対零度で造った氷像はメディでは砕けなかった。
「待て!その像は俺が貰う!」
アグニがめちゃ興奮して氷像に抱き・・部下に取り押さえられた。
「メディさんに失礼ですよ!」
「何を言っている!美しいものを欲しがるのは当たり前だ!」
この言葉を聞いたメディの顔は・・ゆでタコのように真っ赤だった。
・・・
とりあえず氷像はサユミの収納魔法で隠した、彼女も顔真っ赤だ、
なんでもソニアはサユミとレイミの氷像も大量に造ってるらしい。
ただ・・どれもかなり過激らしく・・
サユミは誰にも見せたくないと全部自分の収納魔法で封印している。
・・・
どれだけきわどいんだろう?
一度見てみたい・・
「見たいの?・・いいよ・・」
・・・
レイミは気にしないようだが・・サユミが絶対出すなと口封じ、
ショウがやれやれと隠し持っていた氷像を出そうとしたが・・
・・・
彼はサユミの嵐のような・・洗面器の山に埋まった。
俺の心の中では・・
レイミもそうだがサユミのは特に見てみたい・・
とは言えなかった。
まずは皆の・・というかメディとアグニの興奮が収まるまで待つ、
5分ほどしたら2人とも落ち着いたので話の続きをする。
「ソニア、魔水晶に冷気の封印をしてくれ、北の大陸には俺が行く」
「それならOKよ!」
ソニアに加えサユミ達も魔水晶に冷気を封印してくれた。
「これを北の大陸に置いたらすぐ離れて!3分程で冷気が出るわ」
バル●ンみたいだな・・まるでゴキブリのように退治される気分だ。
これで北の大陸の温度上昇は防げるそうだ。
あとは・・
「ご安心ください!各地の温泉設備も完成しております!」
それは楽しみだ!
俺とデーヴィドは学生の頃に温泉旅行に何度か行ったことがある、
異世界でもそれを楽しめるとは・・内心ワクワクしていた。
「温泉?なにそれ?」
皆は温泉を知らないようで・・木人形がなぜか紙芝居で説明した。
まず温泉の意味や効果を簡単に説明した。
それから・・木人形達が力説を始めた!
北の大陸の源泉はとても良質な成分らしくそれが5つもあった、
日本の温泉で例えると草津温泉・南紀白浜温泉・別府温泉、
登別温泉、有馬温泉の様な成分でどれも源泉かけ流し。
それに加え異世界ならではの魔力回復や毒性物質の除去効果、
魔族にも効果抜群の美肌効果、おまけに精神安定の効果もある。
こんなにいい源泉があるのならと・・
心身ともに充実してもらおうと各地の温泉に最高の設備を備えた、
例えば専用露天風呂や家族風呂を備えた高級旅館や高級ホテル、
最高の料理を提供できる高級レストランも複数完備している。
もちろん皆で楽しめるよう水着でもOKの大浴場も複数備えた、
さらにドラゴンやサイクロプス等も入れる超大浴場もある、
子供でも楽しめるようウォータースライダー等も備えた。
木人形達はそれを紙芝居で力説・・いや複数のイラストかな?
だがそのイラストは写真のようで鮮明で美しい画だった、
絵描きの木人形がいて各部屋に飾る風景画も描いたそうだ。
あえてイラストにしたのは手造りの雰囲気を感じてもらうため、
確かに高級旅館などは匠たちが丹精込めて造るからな・・
俺とデーヴィドは・・
急ぎ魔水晶を持って北の大陸に行くと心に決めていた。
それを見ていた・・
まずソニアが語る!
「面白そうね、私も行くわ」
次にタケシが語る!
「これは興味ありますね、俺も同行させてください」
洗面器の山から出てきたショウが語る!
「僕も入りたいな~~一緒に行くよ!」
珍しく興味深々の顔をしたレイミが語る!
「あったかそう・・私も入りたい・・行くわ・・」
そしてサユミが語る!
「あの~~私も美肌に興味あるので同行させてください」
・・・
スノードラゴンが全員行くのか?
魔水晶の必要性なくなったけど??
何のための会議だったんだ?
「みんなで行きましょう!」
「イェ~~イ!」
クリスティーナの絞めの言葉で会議は閉会となった。
次回は4月4日(日曜日)の予定です。
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