助けを叫ぶマリアンヌとエナからの戦闘命令
南の王国から来た帆船艦隊はおよそ200隻、全部が軍艦で武器を装備、
大型の船の大きさは約100m位、小型船はその半分で小回りが利きそうだ、
それらが辺の海域にある港村を侵略しながらクアラの港に舵を向けていた。
「ふふふ・・クアラももうすぐ終わりだな・・」
指揮官らしき男がニヤニヤ笑う、というのもその帆船の甲板には・・
「いやあ~~~!!!!!!!!やめてーーーーーー!!!!!」
「うははははは・・ジタバタするんじゃねえ~~~!!!」
女達が次々と強姦されている、見る限り女性達は全員村娘のようだ、
その後ろには大量の死体・・どうやら来る途中各地の村を滅ぼしたらしい、
死体は男、老人や子供などで村に住んでいた全員を処刑していた。
「よしこの鬱陶しい死体を船に乗せてクアラの港に送ってやれ!!!」
「ウオオオオオオオオ!!!!!!!」
兵隊達は死体を小舟に乗せ次々とクアラの港に向けて流していた、
これは強烈な脅し・・次はお前らだと見せしめのために流していた、
それを見た民衆や兵士達は怯む、戦闘力ではとても敵わないからだ。
「う・・・うわあああああ~~~逃げろ~~!!!!」
「急げ~~~南の王国が攻めてきたぞ~~~!!!!」
民衆達は我先へと逃げ出す、それを見た市民達も次々と家を捨て逃げていく、
するとクアラの王達が港に来たが・・死体を乗せた船が次々と港に流れてきた、
それを見て怯む王達・・だが逃げても無駄だと悟り・・
「全部隊集まれ!ここを死守するぞ!全員の奮起を期待する!!!!」
「オオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
クアラの王は皆に奮起を促し帆船艦隊を出航させ迎撃に向かわせた、
クアラ艦隊は約50隻、だが殆どが中型で旧式の帆船が殆どだった、
だがやるしかない、兵士達は死を覚悟で敵艦隊に向かっていった。
少し遡り・・・
俺達が隠れている島の近くにマリアンヌが残した3隻の軍艦、
それを見つけた南の王国の別働隊約20隻が見つけ襲いかかった、
対する3隻の軍艦も相手に気がつき砲撃態勢となり交戦となる!
ドゴーーーーン!!!ドゴゴゴゴーーーン!!!
砲撃戦が始まり緊張が走る、それを感じたマリアンヌが引き返す、
だが僅か3隻では・・20隻の軍艦の砲撃に耐えられず大破・・
ズグヮーーーーーーーン!!!!!!
3隻の軍艦は瞬く間に沈没し乗組員達は全員殺されてしまった、
それを見たマリアンヌの船は怒りながら砲撃し小型船を撃沈した、
しかしマリアンヌ側は僅か2隻、対する相手は19隻もいた。
「怯むな~~~撃って撃って撃ちまくれ!!!!!」
「ええい怯むな!数ではこっちが勝るんだ!!!」
ズグヮーーーーーーーン!!!!!!ドガーーーーン!!!
マリアンヌの船は善戦してるがお供の船は瞬く間に撃沈された、
周りを囲まれ集中砲火を受けるマリアンヌの船も炎上していた、
しばらくすると船が傾きだした、どうやら船底をやられたらしい!
「マリアンヌ様~~~もう船はダメです、逃げましょう!!!!!」
お供の騎士が叫ぶ、だが逃げ道などどこにもない、もはやこれまで・・
するとマリアンヌが艦長室からあるものを取り出し叫んだ!!!!
「ねえ聞いているんでしょう?お願い助けて!私達を助けてー!!」
マリアンヌが持っていたものは・・俺達の蜘蛛型ロボットだった!
どうにも不安が拭えないマリアンヌは部屋を徹底的に調べていたのだ、
そして見つけた蜘蛛型ロボット、電池切れで椅子から落ちたらしい。
マリアンヌはこれを握りしめ泣きながら叫んだ!
「お願い!!!!このままだとクアラは滅んでしまう・・」
ズガガガガガーーーーンン!!!!!!!!!!
マリアンヌの旗艦は炎に包まれ・・
今にも撃沈寸前、だがマリアンヌは・・
「お願い・・助けて・・お願い・・」
マリアンヌは蜘蛛型ロボットを抱きしめ・・ひたすら祈った!
一部始終を聞いていた俺達、怒りは限界に達し戦闘態勢に入った、
そして全員に聞こえた出撃命令!それを発したのはエナだった!
少し前・・・
「ひ・・酷い・・どうしてこんなこと出来るの??」
エナ達は王城を調べた後に全員で港に向かい漁船で逃げる段取りだった、
だが港は大量の死体を乗せた船で溢れかえっていた、それを見たエナ達、
全員が・・信じられない光景を見て身体が震え・・
ズグヮーーーーーーーン!!!!!!ドグヮーーーーーン!!!!!
「フハハハ見たか雑魚達よ!我々の力の前にひれ伏すがいい!!!!」
沖ではクアラ軍船が次々と撃沈されていく、それを見て笑う敵指揮官、
恐怖を煽るため拡散魔法を使いクワラ市内に向けて自分の声を発している、
だがこれを聞いたエナは・・・ニヤリと笑い語り出す。
「うふふ・・そんなに力が誇らしいのかしら?なら見せましょうか?
貴方達のさらに上を行く私達の・・本当の力を・・ね・・」
そしてエナはスマホを取り出し・・命を下す!
「全員聞こえますか?私は南の王国の帆船艦隊は敵と判断しました!
私達がいる港には村人らしき方々の・・永眠された身体が大量にあります、
みなさん苦しそうな顔をされています、私達が出来る最大の供養は・・」
・・・
「あいつらを・・・蹴散らせ!!!!!!!!!!!」
!!!!!!!!!!!!!!
「ああわかった、あいつらに遠慮は要らないな!!」
「エナさん了解です!!!今から動き出しますね!!!」
「まわせ~~~!!!命令だ!あいつらを叩き潰せ!」
「ああわかった、遠慮無く攻撃させてもらう!出るぞ!!!」
キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!ドシューーーン!!
平地で待機していた砂漠空母5隻が動き戦闘機が次々と離艦して行く、
それらは敵の主力艦隊に向かって飛んでいく、同時に軍艦3隻が動く、
急ぎ古鷹・夕張・時雨の3隻が空を飛び渦を越え着水し動き出した!
「救援隊出ます!一人でも助けます!」
「ああ頼む、急いでくれ!!!!」
ザバーーーーーーーーン!!!!!!
そのころ・・・
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!!!
「も・・・もはやこれまでか・・」
「わ・・私は信じてるわ!お願い聞き届けて・・」
マリアンヌのお供の騎士が諦めの表情、主君と死のうと傍に寄る、
そのマリアンヌは蜘蛛型ロボットを抱いて・・最後まで諦めなかった、
すると船底から・・猛烈な爆発が起こり船は撃沈された!!!!
ドグヮーーーーーン!!!!!!!!!!!!
次の瞬間船底から複数の陰が出てきて・・生き残り達を空気で包み込む、
そして陰達は急ぎ生き残り達を連れ沈む船から離れていった、そして・・
急ぎ古鷹に戻りマリアンヌ達を収容し保護していた。
「もう大丈夫よ、貴方達の声確かに聞き届けました、これより保護します」
「あ・・貴方達はいったい・・???」
マリアンヌ達を助けたのは古鷹・夕張・時雨に配属のマーメイド達、
着水したと同時に飛び出し撃沈寸前の船の底を爆裂魔法で吹き飛ばす、
そうして沈没寸前の船に侵入し急ぎ生存者を見つけ連れ帰ったのだ。
尚マーメイド達は全員マリアンヌ達の前では人間姿に変装している、
それは他の種族達も同じ、まだ本体を見せるのは危険と感じたからだ。
「貴方達の指揮官はどなたですか?お尋ねしたいことがあります」
「あっ・・はい・・指揮官は私です!!!!」
「そうですか・・ではこちらに来てください!」
マーメイド達はマリアンヌを連れて・・騎士1人が同行したが許可した、
そして辿り着いたのは古鷹の艦橋室、マリアンヌは驚いていたが今は無視、
そうしてマーメイド達がマリアンヌに訪ねる!
「貴方達を攻撃した帆船達は目の先にいます、これからどうしますか?
叩きのめしても構わないなら容赦なく叩きます、それでもいいでしょうか?
私達は限定的に貴方の声に従います、貴方の意思を聞かせてください」
「えっ?でもたった3隻ですよ?相手は20隻近くもいるのですよ・・
それに相手は強いです、私達も瞬く間にやられました・・」
「その心配は無用です、あの程度の船なら3隻でも過剰なぐらいです、
私達は貴方の助けは聞き届けました、ですが攻撃は聞こえていません、
貴方が本当に望むなら・・攻撃命令も私達は受け入れます」
これを聞いたマリアンヌは・・
・・・
窓の外に見える南の王国の帆船艦隊に怒りを覚え・・
驚くことに遠くにいるエナと・・・
同時に大声で叫んだ!
「南の王国の帆船艦隊は敵です!!!!!!!」
・・・
「あいつらを・・・蹴散らせ!!!!!!!!!!!」
「わかりました!!!!!!!!!!!」
マーメイド達は即座に隣の夕張と時雨にマリアンヌの声を伝えた、
そうして3隻が動き出した、対する南の王国の帆船艦隊は・・
??????
「な・・なんだあの見たことのない船は??」
「よ・・よくわからんが・・まあこの際だから沈めてしまえ!」
帆船艦隊は古鷹・夕張・時雨に向かって攻撃を仕掛けるべく近づく、
対する古鷹・夕張・時雨の3隻は・・・
グィイイイイイイイイイイイーーーーン!!!
主砲・副砲・高角砲等全砲を帆船艦隊に向けて・・・
・・・
艦砲射撃の準備に入っていた。