マム達の驚くべき成長と監視魚雷が見つけた敵影
牢屋に閉じ込められたカーグワスとミナト、だが慌てる様子は無い、
むしろ牢屋へ投獄されたことは計画通りだと2人は見つめ合い少し笑う、
これで王城は自分達に目を向けた、そうカーグワス達は囮に過ぎない。
エナ達も同じ、即座に動き要点に超小型盗聴器をつけ即休憩室に戻る、
こうして王城の兵士達の目を自分達に向けて・・マム達率いる別動隊、
こちらが本命で屋上から密かに侵入し王城内の情報収集を行っている。
「どう?王城から有益な情報は見つかった?」
「ええ世界地図らしきものがあります、でも要所要所に赤い丸があります」
「恐らくそれは敵国の位置かも知れない、スマホで写真撮っておいて!」
「わかりました、他にもめぼしいものを撮影しておきます」
「ええ頼みます、ですが出来るだけ物を動かさないでくださいね」
「わかってますよ、その辺は特に気をつけるわね」
マムは精鋭達に指示を繰り返す、すっかり精鋭の一員となっていたマム、
余程ダーク達に鍛えられたのかその指示に迷いは無く皆は正確無比に動く、
成長度だけ見ると子供達の中ではマムが一番成長しているのかもしれない。
そのマムは本関係には一切手を触れるなと指示、これは埃等が散らかるため、
さらに魔法厳禁、マリアンヌのように魔法を感知できる者がいるかも知れない、
そのため精鋭達はスマホで撮影のみ、これは魔法では無いので感知されない。
「よしこんな感じでいいでしょう、皆さん戻ってください」
「了解です、すぐ戻ります」
精鋭達は撮影が終わった後即座に王城を抜け出しエナ達と合流する、
そしてマム達は漁船に戻りパソコンで情報処理、ちなみに半径は7km程、
全員が10km圏内に居るのでトランシーバーで情報共有している。
ちなみに牢屋に閉じ込められたミナト達、監視があるエナ達にも伝わる、
ミナト達は靴底に隠していたイヤホン型トランシーバーで内容を把握、
エナ達も荷物は没収されたが隠していたイヤホントランシーバーで把握。
当初エナ達はパソコンなどを所持していたが即座にマム達に回収させた、
ミナト達が投獄されると予測したエナ達は前の晩マム達に全部渡している、
なので没収された品は着替えや毛布などで奪われても関係ない品ばかりだ。
それはミナト達も同じ、だが王城内の床は冷たかったので靴はそのまま、
一応チェックは受けたが普通の靴と思われたのでこれは返して貰った。
そうして・・・
情報処理を終えたマムが漁船から一斉放送を行い報告を開始した。
「お伝えします、現時点僕達の居る位置は地球でいうシンガポール付近です、
兵士達の強さは中級の下、隊長は中級の中レベルが多く上級は見当たりません、
それとこの国は複数の国と衝突しているようで警備が厳しくなっています」
続けて・・
「映像で把握出来るものはメールで既に送っているのでご確認願います、
尚居酒屋等で聞いた噂によると南の王国がこの国に攻め入るようです、
ですが時期は不明、あくまで噂なのですが備えはした方がいいでしょう」
これを聞いたエリーナは帆船艦隊が戻ってきているか監視に確認させた、
だが蜘蛛型ロボットが動かない所を見るとまだ10km圏内にはいない、
かと言って偵察機等を出すと騒音でバレるので双眼鏡で監視を続けた。
そのころ帆船艦隊は・・
「出来るだけ急ぎなさい!南の王国が攻めてくるかもしれないわ!」
「そ・・それはわかっています、ですが現状これが精一杯です」
帆船艦隊はフルスピードでクワラ王国に戻るがこの様子だと数日を要する、
そこでエリーナは南の王国が来そうな海域に大和と武蔵を出撃させた、
だがそれは潜水偵察、戦闘は避け10km圏内に留まるよう厳命させた。
「エリーナお母さん!その任務私にさせて!!!」
「お願いです、私達にも指揮権を与えてください!!!」
そう言ったのは俺の娘のソアラ、彼女はスノードラゴンソニアの娘でもある、
いざとなれば海面を氷で覆い船を足止めさせると言うのでエリーナは任せた、
そしてもう2人、アリスィとアメリーも懇願するので武蔵の指揮権を与えた。
「では発進します!!」
大和にはソアラが、武蔵にはアリスィとアメリーが乗り込み2隻は出航、
渦を避けるまで空を飛び即座に潜水して問題の海域まで静かに進んだ、
半日後大和と武蔵は目的地に到着、そしてある魚雷を複数放つ!
「ソアラさん準備は出来ましたよ!!」
「ありがとう、すぐ発射して監視してください」
「わかりました!監視魚雷発射!!!!!!!」
ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
大和と武蔵から監視魚雷が発射され海底に沈む、この監視魚雷は・・
普段は静観しているが艦等巨体物を感知すると動き出す仕組みだ、
そして潜水しながら追尾して情報収集、まあ簡易潜水艦とも言う。
「監視魚雷配備完了、これでいつ敵が来ても把握できます」
「よし急いで戻るわよ、帆船艦隊が帰る前に島に戻るわよ!」
「えっ?ここに留まり敵の攻撃に備えないのですか????????」
「今は大和と武蔵を見せたくないの、下手に関わるとろくな事が無いわ、
それに帆船艦隊の司令官は魔法検知能力があるから侮れないのよ、
だから帆船艦隊が戻ってくる前に大和と武蔵を無人島に隠したいのよ」
「なるほど・・わかりました!!!!!」
指揮権は持っているソアラ達だがここに留まるのは得策でないと考える、
エリーナはある程度自由に動かすと考えていたが3人は帰ることを選択、
ソアラ達は隼鷹達だけでは火力が乏しいと感じ急ぎ戻るよう指示した!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
そして戻ってきた大和と武蔵、これには当初エリーナは驚いていた、
てっきり手柄を立てるため留まると考えていただけに予想外の行動、
すぐさま3人を呼び・・・なぜ引き返したかを尋ねた、その時!
「エリーナさん監視員から連絡です、帆船艦隊が現れました!」
「えっ?予定より早いわ・・これってもしかして・・」
エヘヘヘヘ・・・
ソアラ達は笑って胡麻化すが・・もし30分帰りが遅かったら・・
いくら大和と武蔵でもこの大渦の中を帰ってくるのは至難の業だ、
だが空を飛んだらバレてしまう、この選択を評価したエリーナは・・
ソアラ達の頭をなでて・・
「よく決断したわね、いくら大和と武蔵でも大渦の中帰るのは難しいわ、
それに・・確かに切り札の2隻を得体の知れない相手には見せられないわね、
これで安心して帆船艦隊を監視できるわ、次も期待してるからよろしくね!」
「はい!お任せください!!!!」
いつの間にかこの重大な決断を行えるまでに成長していた子供達、
成長を喜ぶエリーナ、即座にこの内容をみんなに報告して褒め称える、
それを聞いた親たちは・・子供たちの今後の活躍に期待したのだった。
数時間後・・・
帆船艦隊はクアラ王国に向かう、だが途中マリアンヌがある命を発する!」
「軍艦3隻はここで待機、南の王国の奇襲に備えておきなさい!!」
!!!!!!!!!!!!!
これには乗組員も・・蜘蛛型ロボットから盗聴した俺達も猛烈に驚く、
こんなところに軍艦を置かれると下手に行動はできない、それは大いに困る、
さらに乗組員達も・・目の前に帰る所があるのに留まることに不満が生じる。
だが・・
「エリーナさん大変です、南の方角から軍艦らしき船が多数押し寄せています、
その数・・およそ200隻、クアラの王国を攻めるようです!!!」
ソアラ達が仕掛けた監視魚雷が反応、噂通り南の王国がクアラ王国を攻める、
だが200隻は予想外の多さ、対するクアラを守る帆船艦隊は50隻程だ、
4倍近い艦隊が攻めてくると知ったクアラ王国は大混乱に陥った。
「うわあああああ~~~逃げろ逃げろ逃げろ~~~!!!!!!!」
「きゃあああああああ~~~~早く逃げないと殺されるわよ~!!」
民衆たちは我先へと逃げ出す、王城も例外ではなく召使いたちは逃げ出す、
クアラの兵隊は即座に港に集まり迎撃態勢、王城はもぬけの空となる、
そうして見張りがいなくなり・・確認後ミナトたちが動き出す!!!!
ドガァーーーーーン!!!!!
牢屋の格子を蹴り飛ばすミナト、にっこり笑いカーグワスと脱出する、
同時にエナ達も休憩所から出て急ぎ王城の中に忍び込み王達を監視する、
この危機に国王たちがどう動くのか確認するためだ。
そのころ・・
意外と若い・・40代後半ぐらいのイケメン国王は席を立ち・・・
「我が精鋭達よ!侵略者からこの国を守れ!我も出る!!!!」
ブァサ~~~~~~~~
国王はマントを纏い剣を握り・・
ゆっくり戦場に向かうのだった!