王城に忍びこむミナト達と鋭い王の使い
漁船10隻はゆっくり大回りしながら夜を待ちクアラの港に到着する、
途中検問があったがカーグワス達が賄賂を渡しあっさりスルーされる、
ここでは子供を使っての賄賂が横行しているので検問もすぐに通れた。
「これで大丈夫だよ、さあまずは城下町に急ごう!」
カーグワス達の案内で城下町に急ぐ精鋭達、ちなみに全員上級レベル、
自分達も活躍したいからと言うので幹部達は彼ら彼女達に任せている、
ちなみに全員変装済み、目立たないよう漁民に姿を変えて侵入している。
その中にはルア・エナ・ソアラ・アメリー・アリスィ・カオルとマムもいた、
子供達も分散して人がお喋りしそうな場所に盗聴器を仕掛けまくっていた、
その間カーグワスはミナト達を連れて王城に急ぐ、そして検問に着く!
「そこの漁民達止まれ!・・うんお前はカーグワスじゃないのか?」
「ええお久しぶりです、実は火急の用があって恋人達とここに来たんです」
「うん?どういうことだ?」
「ええ実は僕のいたジブンの村が魔物達の攻撃を受け滅んでしましました、
その時僕たちは彼女とその仲間達に助けられなんとかここに来れたんです、
このことを王城にいる両親と姉に早く伝えたいのです!!!!」
カーグワスは嘘は言っていない、まあ一部内容は変更してはいるけど・・
・・・
だが兵士達は戸惑う、それは既にマリアンヌ達が救援に向かっているからだ、
マリアンヌ達が出航したのが半月前、それは両親達が救援を打診した翌日、
この流れで行くとカーグワス達が海に逃げたのなら鉢合わせするはず・・
・・・
だがこの疑問を熟知していたミナトが・・女性言葉で兵士達に語り出す。
「皆様は私達が救援艦隊と遭遇し無かったのを疑問に思っているのですか?」
「あ・・ああ当然だ、すぐにマリアンヌ様達が向かったからな」
「その疑問でしたら当然ですね、でも私達は魔物達から必死で逃げました、
ですが魔物達は海まで追ってきたので私達は定期路から大きく離れました、
それに加えしばらくの間別の島で食料を探していたのですれ違ったのかと・・」
・・・
兵士達は考え込む、確かに魔物達に襲われたのなら逃げるだけで精一杯、
とても食料を運ぶ余裕はなかったはず・・だとしたら辻褄が合うからだ、
それにカーグワス達はボロボロ・・まあこのために変装してるのだが・・
・・・
「よしわかった、カーグワスとその恋人は王城に入ることを許可する、
両親達は王城の中にいる、場所は変わっていないから早く行くといい、
だが他の仲間は休憩室で待機して貰う、王の許可が必要だからな」
「あ・・ありがとうございます・・・」
ミナトは深々と頭を下げ・・兵士の手を握り感謝の目を向ける・・
・・・
「は・・早く行け、火急の用なんだろう?」
「そ・・そうですね、ミナトさん急ぎましょう!!!」
兵士は猛烈に照れていた、まあ変装してるとは言え今のミナトは超美人、
それに嫉妬するかのようにカーグワスはミナトの手を握り王城内に急ぐ、
他のメンバーは城の裏側にある休憩所に案内され・・監視されていた。
まあこれも想定内、カーグワスとミナトを王城に侵入させる事には成功、
兵達は休憩所の外に居るので・・その隊にはエナとカオルが混じっていた、
エナはすぐさまパソコンを取り出しミナト達の行動をチェックしていた。
ちなみにミナトにだけ発信器を身につけさせる、王城の構造を調べるためだ、
他にも複数盗聴器を持たせる、そして城の要所要所に盗聴器を仕掛けさせた、
そしてカーグワスの両親達と対面、両親はカーグワスを猛烈に抱きしめた!
「あ・・ああカーグワス、無事で良かったわ!!!」
「ほんと安心したよ、もうダメかと諦めていたんだ・・」
涙を流し喜ぶ両親と姉、だがカーグワスは暗い顔を崩さず語り出す。
「ざ・・残念ですけど村は滅びました、ですが子供達は何人かは無事です、
僕達は幸いにも彼女達に助けられ・・彼女の恋人として認められました、
どうか彼女を傍に置かせてください、僕の心の支えなのです」
カーグワスは目線をミナトに向ける、それを見たミナトは深々とお辞儀、
ミナトを女性として疑わなかった両親は静かに頷きミナトを受け入れた、
そしてしばらく会話が続き・・カーグワスとミナトは別室に案内された。
「今日はお疲れでしょう、今夜はこちらでお休みください」
「ありがとうございます!!」
メイドさんが案内してくれた部屋は来客用の部屋、恋人に配慮したようだ、
その部屋に入るカーグワスとミナト、しばらくの間2人は黙って過ごす、
その理由はメイドさん、カーグワス達をドアの外で監視していたからだ。
・・・・
・・・・
カーグワス達は交代でシャワーを浴び軽く雑談した後就寝・・のフリ、
それを確認したメイドさんは・・危険は無いと考え部屋に戻っていく、
その動きを盗聴器の音で確認したミナトとエナ、そして動き出す!
「それじゃカーグワスさん、私は偵察に行ってきますね!」
「ええ気をつけてください、僕の情報は古いので変化があるかも・・」
「わかりました、慎重に行動しますね!!」
シュン!!!!!!!!!
ミナトは魔法は使わず持ち前の俊敏さで部屋を出る、同時にエナ達も動く、
帆船艦隊には魔法を感知できるマリアンヌがいたので念の為魔法を厳禁とした、
だが暇見ては特殊訓練を受けていたミナト達は忍者以上の俊敏さを持つ。
魔法が使えないエナ達はスマホのトランシーバー機能を使い情報交換を繰り返す、
30分ほどしたら王城の構造が大体見えてきた。今夜はここで打ち切りとした、
そして部屋に戻るミナト達、カーグワスは待ちくたびれて眠っていた。
翌日・・・
ミナト達は何食わぬ顔で両親達と接する、すると王の使いの者が部屋に来た!
「君がカーグワス君だね、少し話をしてもいいかな?」
「あっはい、わかる範囲でしたら・・・」
「私は席を外しますね・・」
「あ・・いや君は恋人さんだね、君からも聞きたい事がある」
そう言って王の使いはミナトを引き留め・・カーグワスと対面に座る、
そして質問タイム、大体の内容は村の状況と魔物の種類が多かった、
その他にも王城までの道のり、その辺は抜かりなく説明をしたミナト。
「大体の経緯はわかった、今マリアンヌ様達が救援に向かってはいるが・・
今の話だと間に合わなかったようだね、気の毒だけどどうしようもない・・」
「ええそれに恨みはありません、むしろ救援に感謝したいのです」
カーグワスは使いに礼を言う、ミナトは黙ってただ頭を下げるだけだった、
下手に言葉を出すとボロが出るかも知れないのでその辺は徹底していた、
しかしそれを・・おかしいと感じた使いがミナトにある質問をする」
「ミナトさん・・貴方はどの村の出身なのですか?」
「あっ・・はい、私はジブンと交流があるヤング村の漁師の娘です、
ご存じかと思いますが私達の村はジブンの村と深い交流がありました、
なのでカーグワスさん達のことは聞いていたので今回救援に・・」
・・・
王の使いは考え込む、ミナトの話は本当だがミナトの容姿に疑問を持つ、
変装してるとは言え・・これだけの美女は今迄見たことがないからだ、
それにヤング村にこんな美女がいるとは聞いたことが無い・・
・・・
「わかりました、ですが貴方達にはしばらく牢で過ごして貰います」
「えっ?どうしてですか???」
「疑問があるからです、マリアンヌ様達が帰って来るまで監禁します」
ガシャーーーーーーーーーーン!!!!!!!
カーグワスとミナトは牢の中に閉じ込められる、持ち物は没収された、
だがカーグワスもミナトも落ち着いている、既に盗聴器は全部仕掛けた、
それと受信機などは外に居るエナ達に昨夜渡しているので特に問題は無い。
「計画通りですね、逆にあのままだと難しかったのでしょう?」
「はい、ある程度優れた者ならこの行為は当然です」
そしてエナ達は・・
「計画通り2人は牢よ、これで動きやすくなったわ!」
エナ達は目を光らせ・・
・・・
その晩一斉に動き出した。