幻の女を演じるミナトと出航する漁船隊
驚く程美しくなったミナト、その姿を見て一目惚れしたカーグワス、
だがミナトは男なので本人は猛烈に悩んでいるが美貌はさらに増している、
鏡を見る度にため息のミナト、それを見たカーグワスは密かに考える。
「えっ・????嘘???ミナトさんは男なの??信じられない・・」
一応カーグワス達にはミナトが男だと告げている、それを聞いたカーグワス、
当初はショックだったが・・俺達の技術や魔法を知る度にある考えが浮かんだ、
それは性転換、これだけの技術や魔法があるなら先では可能かも知れないと・・
「い・・今は無理でも先ではチャンスはあるはず・・諦めないぞ!」
・・・
当然このことは誰にも言えない、まあ常識ある種族ならその位当然だろう、
なのでカーグワスはこの想いを心に秘めミナトと仲良くなることを考えた、
そして浮かんだあるアイデア、それはクアラの王城に連れて行くことだった。
「これこれこうして・・よし、こうすればミナトさんも・・」
カーグワスは漁船が完成した後案内人として同行するので段取りを任された、
そして考えた計画、それはミナトを自分の彼女として同行させることだった、
当然それには理由がある、自分の彼女なら堂々と王城の中に入れるからだ。
今後の事を考えると幅広い情報が欲しい、だが自分達ではそれは叶わない、
しかし王城なら各地の情報は豊富なはず、さらに隠密達が調べているだろう、
それら最新情報を入手するためには王城の奥深くに入る必要があると考えた。
王城では自分の両親と姉が働いている、かなり昔だが自分も王城に行っている、
なので自分は王城に入れるが他の・・特に俺達の精鋭達は同行は難しいと考える、
当然ながら王城は警備が厳しい、幾ら息子の連れでも一緒に動くことは難しい。
だが王城内には各地の情報を収める部屋があるはず、それをミナトにさせること、
自分の彼女なら王城内でもある程度動ける、見た目が女性だから警備も油断する、
しかし身体能力は男のはずなので幅広く奥深く動ける・・とカーグワスは考えた。
それならエナ達でいいんじゃないか???
エナ達も訓練は受けているので下手な男よりも動ける筈だが・・
と俺は考えたが・・カーグワスはミナトで無いとダメだという理由も考えた、
それはお風呂、さすがにエナ達と入るわけにはいかないけどミナトなら・・
美しいけれど男なので状況次第では自分と入っても問題無いと報告してきた。
その説明は納得できるが・・幼馴染み達はお前に気がありそうだぞ?
特にビアリカとユティはなんで自分達ではダメなんだと怒っているぞ??
長い間一緒にいたんだから動くとき意思疎通が見易いと思うのだが・・
「いいえ幼馴染みたちでは難しいのです!!」
さらにカーグワスは幼馴染みのビアリカとユティでもダメという理由をつけた、
それは身体能力、王城の警備は厳しいので忍者以上の隠密能力を有するから、
ビアリカとユティでは王城警備を通過できないからミナトを指名したと語る。
これを聞いた通信官達は文章をまとめエリーナ達幹部にメール報告をした。
これを見たエリーナ達幹部は・・
「こ・・この子ここまで物事を考えられるの?相当優秀な人材のようね・・
でも逆を考えると・・この子を王城に仕えさせれば私達の行動範囲が広がるわ、
この案は受け入れる価値はありそうね、早速ミナトを呼んで話をするわ!」
エリーナはすぐミナトを呼んで詳細を説明、だがミナトは猛烈に不満顔、
作戦内容に関しては納得していたが・・自分が女性扱いにされるのが大不満、
だが漁船出航は明日なのでエリーナはそれまでに決めるようミナトに伝える。
・・・
ミナトは部屋で悩む、この内容だと作戦中は自分は女性として扱われる、
ただでさえこの姿にはコンプレックスを抱いているのに・・
・・・
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
気持ちが吹っ切れないミナトは一度大和のブラックホールで異世界に戻る、
そして母のヒトミ・・では無く義父である俺に相談したいと訴えてきた、
それを聞いたメイドさんはすぐさま俺に報告してきた。
そのころ俺は・・・
「はぁ・・はぁ・・コウさんって凄いのですね・・まさかここまで・・」
割り切った俺は1人づつメイドさんと営み、猛烈にヤリまくっていた。
「お時間です、コウさんしばらく休憩に入ってください!」
メイドさん複数と営みが終わっていた俺、全員かなり満足したようだ、
一旦休憩に入った俺、シャワーを浴びてホテルの休憩室でのんびりしていた、
喉が渇いたのでメロンクリームアイス入りサイダーを用意して飲む・・
・・・・
めちゃくちゃ綺麗になっていたミナトがそれを取り上げて不満顔で食べてる、
仕方無いので俺は再度作成・・それをまた取り上げて不満顔で食べるミナト、
これは5回繰り返され・・・やっと落ち着いたミナトが猛烈に訴えてきた。
「コウさん僕男だよね??なんで僕女の子にならないといけないの??」
はい????????
????????
詳細を知らない俺はキョトン顔、すると別のメイドさんが書類を俺に渡す、
それを読んだ俺、この文章からすると今回の作戦ではミナトは女性扱い、
作戦自体は納得出来る内容ではあるが・・肝心のミナトは超不満顔だった。
・・・
涙を浮かべて悔しがるミナト、それを見て俺はある考えを例として話す!
「ミナト落ち着いて聞いてくれ、まず作戦内容に関してはどう思う?」
「さ・・作戦自体はいいと思うよ、でも僕女の子じゃないから・・」
「迷う気持ちはわかるぞ、だがこれは逆に考えるとビックチャンスだ!」
「えっ?どういうこと?」
「その昔忍者達・・に限らず大概の男達は髪を伸ばしていた、理由はわかるか??」
「わ・・わからない・・」
「理由の一つに女装するため、それと長い髪は美意識を向上させるからな、
地球を見ればわかると思うが例えばバンドのメンバー等は髪を伸ばしている、
それだけ女性への美の憧れは・・大小あるが男性はその気持ちを抱いている」
「コウさんもそれがあるの?」
「ああ昔は美しい女性になりたいと思うこともあった、まあ漫画の影響だがな、
これだけ美しくなれたら・・そういう気持ちはあったよ、特別な存在だからな、
人それぞれ異なる理由はあると思うが・・俺はその気持ちが大きかった。」
「ということは・・人から見ると今の僕は羨ましい存在なの?」
「少なくとも俺はそう考える、もしミナトの年齢でその美があれば夢を叶えた、
何しろ俺は大学受験に落ちて仕方無く軍隊に入り苦しみながら生活の糧を得た、
その時から・・美しい姿があれば苦労はしなかった筈と考えた事は頻繁にある」
「僕は・・どうしたらいいの??」
「今の君は驚くくらい綺麗になっている、それは通常だと絶対得られない、
この時点で特殊な存在になれたのだから・・今はそれを楽しんだらどうだ?」
「ど・・どういうこと?」
「日本では「女形」と言って男性が女性を演じる歌舞伎がある、それは・・
男性だから演じることが出来る「幻の女」、これは女性を客観視している、
その演技は人の心を楽しませ慰める事を舞台の上で提供しているんだよ」
「それを・・僕に演じろと言うの??」
「ああ俺なら喜んで演じる、何しろ本物の女性は現実ではリアルすぎる、
俺には・・心の底に眠る「まぼろしの女」を表現化を密かに夢見ていたよ、
今の君にはそれを具現化して演じる容姿がある、あとは自分の心次第だ」
「なんか・・面白そうだね・・」
「ああこれは選ばれた者しか出来ない事だと思う、よく見ろ!俺が女装したら?」
「う・・う~~ちょっと気持ち悪そう・・」
「少し腹立つが・・まあそういうことだ、だが今の君にはそれは無いだろう?
どの道生きていくからには何らかの不満は必ずある、なら特殊になればいい、
どの道を選んでも不満があるならその姿を楽しんでもいいんじゃ無いのか?」
「そ・・それもアリかもね・・」
「ああこの際だから女性を超えた女性を演じてみろ、また違う世界が見える、
嫌ならどこかで辞めればいい、この作戦中を試しとして演じたらどうだ?
もしダメだったら別の道を模索すればいい、当然俺は君を応援し続ける!」
「わ・・わかった!ありがとう!」
チュ!
ミナトは俺のほっぺたにキスして・・喜んでこの場を走り去っていった、
この行動からすると気持ちは吹っ切れたようで早速女形を演じているようだ、
これで俺も一安心・・メイドさん達が大勢後ろに来て笑いながら訴えた!
「さあコウさん続きを始めます、私達も楽しませてくださいね!!!」
・・・
その後ミナトはエリーナに報告、是非作戦に参加させて欲しいと訴えた、
これを聞いたエリーナは作戦開始!空母隼鷹に作成した漁船を乗せて出港、
隼鷹は離陸して渦を超えて着水し漁船を急ぎ降ろしすぐさま飛び島に戻った。
「ではクアラ王城に向かいます!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
漁船10隻はゆっくり動き出しクアラの王城に向かって進んでいく、
その旗艦の甲板では・・
・・・
「うふふ・・気持ちいいわ~~」
髪をなびかせ女形を演じているミナト、それを見たカーグワスは・・
「ぜ・・絶対ぼくは・・ミナトさんと結婚する!」
と心に誓っているのだった。




