自然の要塞とメイドさんに裏切られた俺
ある無人島に訪れた俺達、ここは500m級の山があり平地もある、
さらに人が住んでいた形跡も無く小動物が複数いる程度の孤立した島、
鍾乳洞や砂浜、森もありかなり大きな島なので隠れるのには最適だ。
さらに山に登って双眼鏡で南西を見ると大陸があり大きな城が見える、
あれがクアラの王城だろう、周りを見ると城下町もあり規模も大きい、
海沿いには大きな港もあり大小様々な船が往来して賑わっていた。
双眼鏡で見る限りだが湾岸には漁船も多く沖で網を仕掛け魚をとっていた、
これを見て偵察隊は夜これらに紛れて忍び込めれば上陸も可能と判断した、
なので俺達はここから漁船を造りクアラの王城に乗り込むことにした。
「ふう・・こんな感じでいいのか??」
「ええよく出来ています、これなら紛れてもわかりませんよ!!」
艦の乗務員達はカーグワス達からいろいろ尋ねながら漁船を造っている、
ここからは戦艦や空母で向かうとパニックになるのは間違いないので・・
10人乗り位の漁船を数隻造りそれに乗り王城に向かうと報告を受けている。
ちなみに・・
王城から僅か9km程度の距離にある無人島・・なぜこの島が無人島なのか?
それには大きな理由があった、それはこの島の周りは渦が沢山あるからだ、
この渦はかなり勢いがあるので小型船だと巻き込まれる危険がある。
そのため近隣の漁村・・王城の帆船艦隊もこの島には近づけず距離を置く、
なにしろ肉眼で島が見える距離まで渦があるので巻き込まれたら即沈没、
80mクラスの帆船でもこの渦に巻き込まれると脱出はほぼ無理のようだ。
なのでクワラ王国を往来する船はこの付近を避け反対側から往来している。
だが・・
逆の目線で見るとここはまさに自然の要塞、侵入者はほぼ立ち入れない、
渦が多いので空からの進入以外この島には立ち入れない、さらにここには・・
調べた所金銀や希少植物なども無いので無理して訪れる価値も無かった。
なので殆どの船はこの島を恐れ大回りして王城に向かっているようだ、
そのためか島の付近には船影が全く無く・・まざに孤島だった。
「これは・・私達が隠れるのには最適な島ですね」
「ああ理想と言っていいだろう、ここを当面の拠点とする」
シュウウウウウウウウウウウウウ~~~~ン!!!!
大和武蔵はじめ各艦は空を飛ぶ事が出来るので渦を飛び越え島に辿り着く、
砂漠空母はそのまま内陸部まで飛び平地に着陸してカムフラージュを施す、
万一飛べる種族が来たらバレるので周りと同色に塗装して誤魔化している。
他の艦は島の裏側に巨大な洞窟があったので各艦そこに隠れエンジン停止、
海中に潜水出来る大和武蔵が洞窟の入り口を警護し他の艦は整備に入った、
それと並行して鍾乳洞に住居と工場を造り部品などを作成することにした。
俺は乗務員達と一緒に漁船組み立て・・指揮官の仕事では無いと放り出された、
仕方無いので厨房で料理、シルビアから貰った有名店ラーメン雑誌見て真似る、
それに加え秘伝のタレも貰ったので遜色ないラーメンが出来上がり俺は歓喜!
「わ・・我ながら美味そうなラーメン作れたな・・」
俺は感激して・・手伝ってくれたライアン達と共に席に座り早速食べる!
「いただき~ま・・・・・・・す?」
・・・
・・・
「う~ん美味しいですね~これが地球で有名なラーメンなのですね~!」
俺は首根っこを掴まれクレーンゲームのように横の席に強制移動された、
瞬時にその席に座り瞬く間に俺のラーメンはそいつに食べられてしまった、
誰だこの無礼者は・・ってあらら???・・君はもしかして・・・」
「お久しぶりですねコウさん!お元気でしたか?」
満面の笑顔で俺に挨拶したのは・・なんと天魔族のエルシィだった、
彼女は破壊神シヴァの部下で独特の雰囲気はあるがかなりの美貌、
だが彼女は政略結婚目当てで俺に求婚を申し込む別名「残虐の女王」
・・・
ある意味リィブラに匹敵する危険な女性なので俺は何としても断りたい、
なので無理難題を押しつけた、それは俺の妻達の認可を全員から貰うこと、
それをエルシィは承諾して・・以降俺はすっかり忘れていた。
ちなみに横で一緒にラーメン食べていたライアン達は即座に完食し逃亡する、
危険な空気を察したのか全員すぐに厨房に戻り料理の仕込みを行っている、
なのでここには俺とエルシィのみ・・今にも喰われそうな雰囲気が漂う!
次の瞬間・・
ドン!!!!!!!!!!!!!!!!!
エルシィは書類の山を机に乗せ俺に見せつける、そして満面の笑みを浮かべ・・
「コウさんお待たせしました!承諾書を用意したのでご確認ください!」
!!!!!!!!!!!!
俺は驚き即座に承諾書を見る・・エリーナ、エマ、ソニア、リィブラ、タウロ、
カプリコルニォ、アリエノール、ベアトリス、シャーロット、リサ、ソネット、
サマンヌやアリーゼ等重鎮に加えラミア等の妻達全員の署名捺印が押されていた。
「ご指示の署名捺印と皆様との交流は済ませています、みなさん皆笑顔でした、
全員から結婚の承諾は頂いています、もちろん結婚後も親しく交流致します、
これでご結婚頂けますね?さあ今から挙式を挙げましょう!!」
非の打ち所がないエルシィにタジタジの俺、裸で猛獣の檻に入れられた気分、
だが挙式を挙げるには・・大和で挙式を挙げるのは避けたい俺、それと・・
エルシィの勢いだと間違いなく即営みタイム、艦でのそれは問題だからな。
だがエルシィの気迫は半端ない、その時タジタジの俺に救世主が現れた!!!
「エルシィさんここは軍艦です、軍内では個人的事情はお控えください!!!」
オオオオオオオオオオ!!!!
俺に助け船を出してくれたのは・・例の3人のメイドさんだった、ありがとう!
俺は満面の笑顔でメイドさん達にお礼・・次の瞬間俺は凍りつく!!!
「コウさんとの挙式は私達が先ですから順番は飛ばさないようお願いします!」
はい????????
なんで????????
頭が真っ白になる俺、というのもこの3人のメイドは一度も求婚していない、
さらに来週には次のメイドさんと交代する予定だったので俺は安堵していた、
この3人とは挙式は無いと思っていたので・・続けての言葉には背筋が凍った。
「コウさんは現在重要な任務中なので挙式を挙げる余裕はありません、
ですが先の事も考え来週一度戻って頂き私達と挙式を挙げる段取りなのです、
そのためエルシィさんはそれ以降となります、それと・・」
それと・・なんですか???
「先程連絡がありましたがコウさんとの挙式を望む女性はさらに増えました、
現時点待機女性は130人に増えましたので当分缶詰となって貰います、
このようにコウさんは過密なので割り込みはお控えくださいませ!」
なんなんだよそれ・・・
・・・
もう勘弁して欲しい、男としては嬉しい限りだがあまりにも多すぎる、
俺としては1人の女性だけで十分・・遮るようにメイドさん達が語る!
「今更なに言っているのですか?あなたは私達の愛を受け入れる存在です」
「ち・・・ちょっと待て!それは無理だ!!」
「何が無理なのですか?」
「お・・俺はこの地球と似た星で創造・破壊神と戦う為にここに来たんだ、
だから挙式のために戻るわけにはいかない、それはわかるだろう?
それに君達は一度も挙式を言わなかっただろう?だから挙式は無しだろう?」
「今更なに言ってるのですか?貴方のメイドとなった時点で挙式成立ですよ?
大体コウさんは全員受け入れているじゃないですか?言う必要ありますか?
私達は薄っぺらい言葉は要りません、猛烈に愛し合う時間だけでいいのです」
・・・
「そ・・そうですね・・順番は守らないと・・」
・・・
なぜかメイドさんの言葉に納得したエルシィ、そして俺は一旦リタイヤとなる、
次の催促があまりにも多いので俺は一旦ブラックホールから戻ることになる、
しばらく缶詰となる俺、その代りとして訪れたのが・・
・・・
「ふははははははは・・親父は当分動けないからここからは俺が引き受けるぜ!」
俺の代りに呼ばれたのは大人に変身したルア、それと・・
・・・・
「る・・ルア兄さん頼むから子供姿に戻って・・」
俺以上に頭を悩ますエナ達が大和に乗り込んできた。