表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
732/793

魔法を感知できる女性となぜか懇願される俺達




旗艦らしき帆船の艦長室では女性2人が口論しているようで騒がしい、

蜘蛛型ロボットは密かに艦長室に入りカメラOFFにして音声モード、

レンズの反射光で気づかれたらまずいので音声だけ聞き取ることにした。




そして動きも止めた、かすかなモーター音で気づかれる可能性がある、

船に忍び込んだときは波音が大きかったので怪しまれずに済んだが・・

部屋の中だとかすかに聞こえるのですぐさま物陰に隠れさせた。




「%&$%&%&&&&##$!!!!!!」




「##&&&&&&%%%$%$%$%!!!!!!!!」




・・・




なに言ってるのかわからないので翻訳魔法・・カーグワス達がすぐに翻訳、

役立たずでは無いと言わんばかりに俺達の言葉を覚えている、ちなみに・・

早々に言葉を覚えたのはカーグワスと幼馴染みビアリカとユティの3人だ。




カーグワスは大和に乗りビアリカとユティは武蔵に乗り急ぎ翻訳している、

ちなみにビアリカは10歳位、ユティは9歳位らしく仲が良く頭もいい。




そして翻訳内容を語る、ここからは翻訳後の言葉でお伝えします!




「本当に行くのですか?時間的に見ても・・もうあの村は・・」




「ええ全滅でしょうね、でも行く必要があるのよ、他の目があるからね」




「他の目・・ですか??」




「ええクアラ王国に疑いを持つ国は多い・・特にあの国は厄介だわ、

何かしら弱みを見せるとそれを口実に攻めてくる可能性が高い、それに・・

今回救援に向かわないと他の村々は私達に愛想を尽かす可能性もあるわ」




「そうなると・・各地でクーデターが起こると?」




「そういうことよ、だから間に合わなくても村に向かう必要があるの、

我々は見捨てない・・そう行動しないと危険なのよ、魔物よりずっとね、

人の恨みはなかなか拭えないから・・これでわかってくれるかしら?」




「・・わ・・わかりました、仰せに従います!」




そう言って女性の1人は艦長室から出て行った、もう一人の女性は・・

どうやらこちらは艦長、声の感じからして20歳代の女性のようだ、

その女性はドアに近づき入念に鍵をかけて・・




「出てきなさい!忍び込んでいるのはわかっているわよ!」




!!!!!!!




えっ???




気配が無い蜘蛛型ロボットに気づいたの?????




・・・




これには猛烈に驚いた俺達、全員一気に寒気が襲い冷や汗をかいている、

ロボットには当然気配などは無いのだが・・なんでバレたのだろう?




女性はさらに語り出す!




「先程水魔法を使ったでしょ?私は魔力を察知する能力があるのよ、

でも相当深い所から放ったようだから兵隊達は気づかなかったけどね、

だけど私は例外、そこにいるのはわかっているわ!出てきなさい!!」




バサッ!!!!!!!!




「・・ってアレ??誰もいないわね???」




?????




女性はタンスの中に侵入者がいると感じたようだが・・もぬけの空、

蜘蛛型ロボットはその隣の椅子の裏側にへばりついていたのでセーフ、

その後も女性は人が入れる場所を捜したが当然そんな所には誰もいない。




「お・・おかしいわね・・確かに魔法は感知したのに・・」




「や・・やれやれ危なかったな・・」




人影はどこにも見当たらないので女性は捜索を諦め椅子に座り考え込む、

それを感じた俺達は安堵、だが魔法を感知できる存在は正直邪魔な存在、

これだと俺達は身動きが制限され困る・・女性は独り言を語り出した。




「き・・聞いて!こ・・このままではヤバいの、お願い助けて欲しい・・」




?????




まるで見えない俺達に懇願するかのような口ぶりで語り出す女性、だが・・

蜘蛛型ロボットは気配もないし動いてないので音も発してない、だけど・・

女性は見えない俺達がいるかのように懇願するかのように語りを続ける。




「わ・・私達クワラ王国は南の大陸にある国と一触即発状態なのよ、近辺の村、

それと町と呼ばれる所も私達を疑っているの、私達が見捨てるかもしれない・・

だから不本意だけど軍艦5隻を派遣したの、小さな村には過剰な位にね・・」




続けて・・・




「もし貴方達が私の知らない力を秘めているなら助けてほしい、対価は払うわ、

具体的には南の大陸の王をなんとかして欲しいの、あいつが全ての元凶なのよ、

あいつさえ何とかなればこの一帯は落ち着くのよ、聞いていたらお願い・・」




・・・




そう言って机で眠った女性、かすかに寝息が聞こえるから熟睡しているようだ、

さてどうするか?今の話だとこの一帯を荒らしている存在があるのはわかった、

さらに南の大陸・・地図で見るとそこはオーストラリアに間違い無さそうだ。




・・・




幹部達は考え込む、このまま帆船艦隊について行くと隼鷹たちと別れてしまう、

だが大和武蔵以外の艦は潜水機能が無いので動くと帆船艦隊に存在がバレる、

それと俺達が先にクアラ王城に向かうと挟み撃ちになる可能性も高い。




かといって南・・オーストラリア方面の情報が全然無いのでうかつに動けない、

カーグワス達もその辺の情報は全く無いのでうかつに向かうのはさらに危険、

こういう時人工衛星が使えれば見易いのだが現状10km先しか捜索出来ない。




・・・




するとエリーナから俺に電話、武蔵も打開策が浮かばず相談してきたのだろう、

折角だからと大和・武蔵をケーブルで繋ぎ全艦臨時会議を開催する事にした、

尚隼鷹・飛鷹達も参加、10km以内なら無線が使えるので大和武蔵は停止した。




「この先どうしますか?どの動きをしても危険がつきまとうようで・・」




「ああそれは俺もそう思う、だがここで立ち止まるわけにはいかない」




「でも我々は潜水機能は使えません、空は飛べますが一発でバレます」




・・・・




黙り込む幹部達、すると夕張艦長ライアンがある提案を出してきた。




「私の考えをお伝えします、まずここにいては進展が無いので移動します、

向かう先はクアラ王城、ですが上陸はせず一番近い無人島で留まるのです、

そこからカーグワス君達とクアラ王城に向かい情報収集に徹するのです」




続けて・・・




「現状我々は目隠し状態なので情報収集は欠かせません、そのために・・

王城なら様々な種族が集まっているはず、特に飲み系統はお喋りの塊です、

そうして飲み屋などに盗聴器だけを仕掛ければ黙っていても情報が入ります」




これを聞いたエリーナはいい策だと頷く、特に盗聴器限定と言うのが響く、

カメラだと映像は映るがレンズが光に反射するのでバレる可能性が高い、

だが盗聴器なら机の下などに隠せるのでこれが最適案だと考えたようだ。




これを聞いた俺も他の幹部達も頷いたので号令・・エリーナが先に叫ぶ。




「皆聞いての通りよ、ここからすぐに南西にむかって移動を開始します!

尚最悪に備えて大和武蔵は潜水したまま移動、旗艦は古鷹に一任します、

あの帆船艦隊が見えなくなったら動きます、皆準備を始めてください!」




「了解しました!!!!!!!!!」




各艦移動準備に入る、まず戦闘員達は食事や風呂を済ませ仮眠開始、

通信官達は周辺を捜索し10km圏内に船や有人島が無いかを捜索した、

しばらくしたら帆船艦隊は見えなくなったので各艦エンジンを始動する。




グォオオオオオオオオオオオーーーーーー!!!!!




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・




まず時雨と夕張が動き周りを確認したあと砂漠空母5隻が進水した、

そして夕張が先行してその後ろに隼鷹・飛鷹が続き古鷹が左に移動、

その後時雨が右側に回り大和武蔵はそのまま潜水して真下に移動した。




そして旗艦に任命された古鷹艦長・・




はカーグワス君を呼び号令を発するよう命じた!




「えっ?僕が言っていいのですか?」




「ああ頼むよ、君が言う方が皆刺激になるだろうからな」




「わ・・わかりました、ありがとうございます!」




古鷹艦長は自分の予備の帽子をカーグワスに被せる、感激するカーグワス、

そして大きく深呼吸して・・号令を発する!




「ぜ・・全艦移動開始!クアラの手前の無人島まで移動します!!!」




「了解!!!!!!!!」




ゴオオオオオオオオオオーーーーーーー!!!!!!!




各艦が動き出し南西方向に舵を取り10ノット(約18km)で進み出す、

現状目隠し状態の俺達は下手にスピードは出せないので警戒しながら進む、

2日ほどしたら大きな無人島を見つけたので一旦ここに留まり休憩と捜索。




この無人島には500m級の山があったので精鋭達が山に登り辺りを捜索、

すると9km位先に大きな城が見えた、あれが多分クアラの王城だろう、

最適な隠れ場所を見つけた俺達はこの無人島を拠点として動くことにした。




そのころ・・




「や・・やはり全滅ですね、家も集会所を除いて焼き尽くされています」




ジブンの村に到着した帆船艦隊の兵士達は村を捜索し生存者がいるか探した、

だが既にここはもぬけの殻なので皆引き返す・・謎の女性は頭を傾げている、

それを見た・・口論していた女性らしき者がその女性に尋ねていた。




「どうしたのですかマリアンヌ様?何か疑問でも??」




「ええおかしいと思うのよ、特に集会所がおかしいとは思わない?」




「えっ?どういう事ですか?」




「他の場所は焼き尽くされているのにここだけ残るのはおかしいと思うの、

見て!集会所は屋根が吹き飛ばされている、これは魔法で吹き飛ばしたのよ、

それに子供の足跡が沢山あるわ、おそらくここに子供達を集めていたようね」




鋭く村の状況を観察するマリアンヌ、外に出て他に手がかりが無いか探した、

一応俺達の痕跡は消してはいるが・・マリアンヌは何かを見つけ目を光らす、

それは木の幹にあった銃弾痕、これを見てマリアンヌは確信したようだ。




「うふふ・・間違いないわ、あの時誰かが私の部屋にいたのね!」




そう確信したマリアンヌは・・




「ここは残念だけど全滅だわ!生存者もいないから急ぎ引き返すわよ!!」




そう兵隊達に命令し・・




急ぎクアラの王城に向かって出発するのだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ