動くお城?に感激するカーグワス達と駆けつける救援帆船
カーグワスからの話によると南西方向にクワラの王城があるらしい、
この辺りでは一番大きな王城らしくそこから各地に定期船が出ていた、
カーグワスの話によると最後に定期船が来たのは半月前だったらしい。
ちなみにカーグワスはかなり高度な文学を学んでいたらしく優秀だった、
メートル法や金銀銅等の素材の名前、地図の見方などかなり理解していた、
聞いた話によると将来村長候補‥ではなく王城に仕える予定だったらしい。
それと王城に救済を懇願しに行った両親と姉は元々王城に勤めていたらしい、
というのも母親はクワラ王城から派遣された教員で村長の息子は護衛の兵士、
だが一緒にいるうちに恋に落ちそのまま結ばれ姉と自分が生まれたらしい。
尚姉は3つ年上らしく18歳位、王城でメイドとして働き今回も同行した、
他にも村の娘数人が同行しこれらもメイドとして出稼ぎに行ったそうだ、
だが出発当日魔物たちが現れ船は何とか出航し王城に救援依頼に向かった。
その時は少数だったので村人たちで撃退できたが徐々に数が増えたらしい、
半月ほどすると退治しても減るどころか逆に増えまくり村は壊滅となった、
もう駄目だと思った瞬間俺達が現れ命拾いしたとカーグワスは語っていた。
これをマイクとカメラを通じて別室で聞いていた俺と幹部たちは頭を捻る。
「ねえコウさん、魔物が増え続けるなんてことあり得るのでしょうか?」
「ああおかしな話だが前例がないわけじゃない、例えば先般卿魔族の星、
ここでは魔物達が洞窟から無数に出たからここにもあるのかもしれない、
もしかしたら村の近くにその手の洞窟がある可能性も否定できないな・・・」
「一応近辺は捜索しましたが見当たりませんでした、もしかしたら・・」
「ああ近くの山や谷間にあるかも知れない、だが捜索する必要もないだろう、
俺達には時間は10年しか無く艦も12隻しか無いから戦火の拡大は防ぎたい、
それにこの地域には創造神達の気配は感じないから急ぎ移動したいからな」
「そうですね・・でもカーグワス君達はどうしますか?」
「放置は出来ないから王城に連れて行って保護して貰おうと思っている、
聞いた話だと王城には両親と姉がいるそうだからそちらに預けよう、
とにかくここからは早く離れた方がいい、魔物が来たら厄介だ」
「そうですね、ではエリーナさんにそうメモで伝えます」
「ああ頼む、その際カーグワス君達にそう伝えるよう追記も頼む」
「わっかりました~~~~~!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
メモを見たエリーナはカーグワス君達にそう伝え・・皆頷き了承した、
その返事を聞いた各艦は即座に移動開始、南西方向に向かって動き出す、
音を聞き窓を見るカーグワス達、動く景色に猛烈に驚きエリーナに尋ねる!
「お・・お姉ちゃん・・こ・・ここ船の中なの?僕てっきり・・
何かの家の中だと思っていたのに・・」
「あらそれは説明してなかったわねごめんなさい、そうよここは船の中、
詳しくは説明出来ないけどこれに乗って貴方達を王城に連れていくわ、
でもこのことは秘密にしてね、騒がれると厄介だから隠したいのよ」
「わ・・わかった・・」
カーグワス達の世界を把握していないエリーナ達は最小限の説明に留めた、
子供とは言え王城で騒がれると何かと厄介と考えた俺達は詳細は隠していた、
だがカーグワス達は平行する各艦を見て・・猛烈に興味を示したようだ。
「お・・お姉ちゃん詳しく説明して!!僕凄く知りたい・・お願い・・
こんな大きな船初めて見るよ!まるでお城が動いてるみたいだから・・」
「わ・・私も知りたい・・お願い教えてください!!!!!!!!」
カーグワス達は・・まあ窓から見える大和や武蔵の姿を見ると当然だろう、
どうしても説明しろと目で訴える姿を見てエリーナはタジタジ、どうしよう?
すると隠しカメラに向けて俺に来いと目で訴えるエリーナ、押しつける気か?
・・・
面倒くさい事は俺の担当だからと勝手に決めたエリーナ、俺は静かにため息、
この流れだと細かく説明する必要がある・・出来ればしたくないのが本音、
そのために俺達の装備(スマホ等)は隠していたのに意味無い事になる。
だが・・・
「お姉ちゃんお願いお願い~~~~!!!!!!!!!!」
・・・
エリーナに抱きつき猛烈に説明を求める子供達、こりゃもう無理だと考えた、
なのでエリーナは即座にスマホを取り出し俺に電話してきた!
「あなた早く古鷹に来てよ!子供達が待っているのよ!!!!!」
「あ・・ああわかった、今すぐ行くよ・・」
スマホを見てキョトンとしている子供達、俺は渋々古鷹に向かった、
そして子供達のいる部屋に移動、俺を見てエリーナは早々に逃げる態勢。
「みんな~!このおじさんが説明してくれるからしっかり聞いてね、
私忙しいからここで失礼するわ!じゃあなたよろしくね!!!」
おじさんは余計だろう・・
そう言ってエリーナは早々に部屋を出て武藏に戻り席に座り猛烈なため息、
彼女はカーグワス達は自分達に怯え黙り込んで過ごすと考えていたらしい、
だが想いとは逆の行動に出たカーグワス達の圧力に押され疲れ果てていた。
・・・・
俺は渋々席に座りカーグワス達に改めて説明、もうスマホ等も隠せない、
各艦の名前や通信関係、食事や種族の名前など基本的な事を説明した、
だが衝撃波砲や浮上・潜水機能など重要・危険項目は隠している。
「だとしたら・・あっちが武藏なの?」
「ああそうだ、反対側にいるのが大和、あれが隼鷹・飛鷹となる」
「あの船平べったいね?どうしてなの?」
「ああ見ておきなさい、こう使うんだよ!!!」
俺は隼鷹に命じ戦闘機一機を偵察も兼ねて出撃させることにした、
それを古鷹の艦尾から見つめる子供達、全員目をキラキラさせている、
これを見るにカーグワス達は船関係に非情に興味があるようだ。
「コウさんでは出撃します!!!」
「ああ気をつけてな、グッドラック!!!」
キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!
ドシューーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!
「うわあアアアアアアア~~~~?????????」
隼鷹から戦闘機が飛び出し・・子供達は驚きその場に座り込んだ、
戦闘機はそのまま南西に向かう・・10km先ですぐに引き返した、
戦闘機だと10kmはあっという間なのでパイロットも戸惑いを隠せない。
「な・・なんか見えない壁があるみたいだ、これだと10km先は行けない、
まあ広範囲にカメラ撮影しておけば何か映るだろうから後は任せよう・・」
キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!
戦闘機は大きく旋回しながら細かくカメラ撮影した後母艦に戻った。
ドシューーーーーーーン!!!!
3分ほどしたら戦闘機は隼鷹に戻りすぐさま撮影データーを各艦に送る、
受け取った通信官達が画像を分析・・10km先は撮影を妨害されていた、
だが10km圏内には船や島などは無かったので各艦南西に向かった。
キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!
ドシューーーーーーーン!!!!
隼鷹・飛鷹から交代で戦闘機が出撃しこの撮影を何度も繰り返した、
途中複数島が見えたが無人のようなのでスルー、半日ほど経過したら・・
「コウさん5km先に数隻船が見えました、かなり大きな船です」
「よし気づかれずに撮影しろ、撮影したらすぐに引き返せ」
「了解、指示に従います」
飛鷹から出撃した戦闘機が帆船を複数発見、どうやら例の定期便のようだ、
すぐさま撮影した画像を分析、すると80m位の鉄で出来た帆船らしい、
軍艦を兼ねた帆船のようでかなりの武装を備えている感じだ。
これを見た俺はカーグワス達を部屋に呼び・・子供達は俺のゲームに夢中、
気晴らしにとチェス・オセロ・トランプなど用意していたがすぐに食いつく、
カーグワス以外とは話が出来る状況では無いので無視して尋ねた。
「カーグワスくん、君の村に来たのはこの帆船か?」
「似ているけど違いますね、僕の村に来たのは銀色が濃かったので・・」
「だとしたら・・君の両親は既にクワラの王城に着いているのか?」
「時期的に見てそうだと思います、この船はジブンの村に向かうはずです、
おそらく両親が救援を要請してそれに応じた艦船だと思います」
「だとしたら・・このままだと鉢合わせになるな・・」
「そうですね、その可能性は高いと思います、でも攻撃してくるかも・・」
「ああ俺達の艦・・船を見ると驚き攻撃してくるだろう、戦闘は避けたいな」
・・・
俺は考え込む、もしこの帆船がジブンの村に向かうならばカーグワス達の味方、
両親が王城にいる事を考えると彼らにカーグワス達を預けるのが最良だろう、
そう思った俺は地図を広げ適した場所を捜す・・カーグワスが訴えてきた!
「コウさん僕達はこの船から降りたくありません、追い出さないでください!」
この言葉に反応した他の子供達も・・
ジィ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
俺達の船・・艦から降りたくないと・・
・・・
猛烈に目で訴えてきた!