条件付きの発展依頼とそこに潜む破壊神か創造神
ダンテ達から紹介された地球そっくりな星を発展させると言う試練、
俺は一通り話を聞いた後メイドさんに頼み編集して一斉メールを送る、
この話をメールで知った各種族・・当初皆は消極的だった、というのも・・
「え~~冥界王が絡んでいるなら王達に発展させればいいのでは?」
「なんで関わりの無い私達がそんなことする必要があるのですか?」
「まあご褒美次第ですね、おそらく問題があるから振られたのでしょう」
てな感じで・・
各種族苦労しか見えそうに無い地球そっくりな星を発展させる気はほぼ無い、
ただ冥界が絡んでいることもあり完全無視は出来ないと・・それは悟っていた、
しかし自分達は今まで騒がしかったので通常業務に戻りたい者が多数を占めた。
なので・・・
「じゃっ!!!コウさんその件はお願いします、私達は忙しいので・・・」
・・・
各地域から俺に一任すると返信メールが山ほど届く、それを見て呆れる俺、
まあ戦闘後なので各地の統制や被害の修復、それと龍魔族等との新たな同盟、
さらに捕らえた破壊・創造神の管理もあるので皆もの凄く忙しかった。
ちなみに創造神のインダストリアルとコンスタンシアはクリシュナと同じ大学、
子供となったディエトはルア達と同じ学校に放り込み教育しているようだ、
これらも惨敗したのでもう戦う必要は無いと悟り素直に教育を受けている。
これで破壊神ディエト、ディーテ、シヴァ、創造神のテレサとクリシュナ、
インダストリアルとコンスタンシアが・・暫定だが俺達の仲間となっている、
特に問題視されていたディエトを封じ込められたのでひとまず安堵となった。
だが・・問題が解決したわけでは無い。
俺は皆から一任されてはいるが残りの破壊神と創造神も正直気になっている、
万一残りの創造・破壊神達が危機を感じ一斉に攻めてくることも否定できない、
なので戦力は一部しか動かせ・・ダンテがそれを悟ったように俺に語り出す!
「コウさんこの星で活動する場合条件・制限があります!」
「えっ??どうしてですか??」
「単純に貴方達の戦力が強大すぎるからですよ、なので制限させて貰います、
そうしないと冥界王がつまらないと・・いえいえ試練にならないからと・・
なので制限させて頂きます、その内容は以下の通りとなります」
● この星では人工衛星・イージスミサイル(核弾頭タイプ)は使用不可、
通信・通話等はスマホのトランシーバー機能(半径10km以内)限定、
尚艦の通信等も同じ扱い、これを超えると通信不可とする。
● 派遣する軍艦は12隻のみ、艦は俺が指定できるが交代は認めない、
それと選ばれた艦はこの星の発展が終わるまで俺達の異世界には戻れない、
尚砂漠空母も1隻として含む(戦車・戦闘機等は搭載可能数は含まない)
● 交代人員は自由、しかし各艦に備えたブラックホールでの出入りのみ、
それは大人が通れるサイズ(2m位)としそれ以上(戦闘機等)は通れない、
他にも補給物資等もブラックホールで通せる物限定となる。
● 現地調達は容認、しかし必要最小限として現地民の迷惑は避ける。
● 魔法の使用も容認、だが死魔法等危険な魔法は制限する。
● 期間は10年、それまでに7体いるボスを倒せばOKとする。
他にも細かい事は紙に書いて出されたので俺はそれを見て・・・
・・・
「こ・・これは皆と相談して決めたい、しばし時間を頂きたい」
「ええ構いませんよ、3日待ちますからそれまでにお願いします」
俺はメイドさんに指示してダンテ達を高級ホテルの来賓質に案内させた、
ダンテ達がいなくなったら俺はすぐにリモート会議室に入り会議を行う、
だが幹部全員がすぐに揃わなかったので二時間ほど待ってから開催した。
「待たせたな、緊急会議の意図を説明してくれ!」
「ああこれがその内容だ、まずこれに目を通して欲しい」
・・・
・・・
各幹部は俺が送ったメールを見て・・全員顔つきが変わっていった、
内心大したことはないだろうと考えていただけにこの内容は想定外だった、
そして質疑応答が始まる、まずカオスが慌てて俺に尋ねてきた。
「この内容だと10年間は派遣した艦は戻れないと考えた方がいいのか?」
「ああ間違いない、人工衛星が使えないからその位の時間は要するだろう」
次にメディが俺に質問してきた。
「なぜ人工衛星が使えないのですか?これだと私達目を奪われたも当然です」
「俺も人工衛星は欲しいと言ったんだが・・問題だからと猛烈に断られたんだ、
その理由として成層圏付近を活動出来る装備は避けて欲しいと言われてな、
理由は言えないがとても問題があるそうだ、尚イージスミサイルも同じ理由だ」
「それと搭載する戦闘機等も極力成層圏付近には飛ばないよう指示されている、
他にもロケットランチャーや衝撃波砲等の射程距離も10kmまでと制限された、
尚これらは範囲外に出る前に制御されそれ以上は行かないようになっている」
これを聞いてレイナが猛烈に訴えてきた!!!
「何よその冥界の王達は??なんで無理難題を私達に押しつけるの?」
「ああ俺もそう思って訴えた、だが断る事が出来なくなったんだ」
「あらどうして?」
「ダンテがこっそり教えてくれたんだが・・どうやらここには・・
創造神か破壊神かは知らないが隠れている可能性が高いそうだ、しかし・・
他にもいる可能性も否定できないようで正確な数は不明だそうだ」
「えっ??それって??」
「ああこの星は俺達の住む異世界とそう離れてないらしい、となると・・
先で攻めてくる可能性があるからな、それを冥界王達は警戒しているらしい、
なんでもその中の1体はディエトを遙かに超える力を秘めているそうだ」
「そういえばクリシュナもそんなのがいると言ってたわね」
「ああこいつは超特例の存在らしい、こいつが動くと冥界も影響を受ける、
だが冥界もこいつの詳細だけはわからない、だが放置は出来ないと・・
しかし大事になるのは避けたいから俺達に発展させて欲しいと言っていた」
「それとこの星はかなり荒れてるそうだからある意味隠れやすいのだろう、
だが俺達が介入して発展させれば現地民も異変に気づきやすい、そうなれば・・
居心地が悪いと動き出すかも知れない、それまでは最小限で動きたいそうだ」
「そうなの・・なら戦力の制限もなんとなくわかるわね」
「ああ俺達の戦力を注ぐと大事になりそうだから最小限でと依頼された、
そいつの詳細がわかるまでは冥界も刺激は避けたいが放置も出来ない、
だが自分達が動くわけにはいかないので俺達に振ったのが本音だろう」
「そういうことか・・なら戦力をじっくり考える必要があるな」
「ああ10年ともなるとそいつがどういう動きをするのかわからないからな、
多分艦の交代を制限したのもそいつが察知したら問題になると考えたのだろう、
おそらく隕石等に紛れ込ませて密かに送れる数・・12隻が限度なんだろう」
次にアズミが地図を見て質問してきた。
「ねえコウ!この地図を見るとほぼ地球と変わりないわ、陸地も広いわよ、
人工衛星が使えない状況だと陸地戦力も無いと身動きが取れないわ」
「ああそれは俺もそう思う、なので砂漠空母を各地に潜ませる必要がある、
地球で例えると北米、南米、アジア、アフリカ、ヨーロッパの辺りに必要だ、
これで5隻の枠は埋まる、残り7隻をどう決めるかが重要となる」
「でも第7艦隊全部は派遣来ないわよ、どう考えているの?」
「ああ俺としては大和・武蔵・信濃と空母、重巡、軽巡、駆逐艦各1隻、
出来ればこれらにも浮上機能を搭載しておけば何とかなると考えている、
地図では書いてないが小型艦で無いと調査出来ない地域もあるはずだからな」
これを聞いてキアーラが猛反発!!!
「ちょっと待ってください!信濃の派遣は絶対止めてください!!!」
「おいおい・・落ち着いてくれ!!」
「あっ・・すみません・・でも破壊神が攻めてきたら信濃は必須なのです、
先般の戦いでもわかるように私達の星は広範囲に都市があります、なので・・
出来れば信濃は我が星の専属艦として配備して欲しいのです」
猛烈にキアーラ・・イザベルやミラ達も参入して信濃配備を猛烈に訴える、
なので信濃は脱落、同じ理由でモンタナも卿魔族達が強く訴えこちらも脱落、
さらに紀伊も裏世界の各地を守るためと訴えられこれまた脱落となった。
・・・
俺はこの調子だと大和しか動かせないと考え即座にヘイゾウお兄さまに質問、
陸地が広いので砂漠空母と海域限定の艦だとかなり困難と考えたからだ、
そこで第7艦隊以外の艦に浮遊能力を搭載出来ないかと尋ねた、すると・・
「戦闘機やヘリの搭載を無くせば重巡・軽巡・駆逐艦はなんとかなるぞ!」
「空母はどうなるんだ?」
「こちらも10機ほど減らせばなんとかなる、だが推奨は出来ない」
「それはどうしてなんだ?」
「空母の場合自分で行かなくても搭載機を飛ばせば調査は出来るからな、
10機もあればほぼ全域を調査出来るし重いから飛ぶ距離に限度がある、
信濃は特殊仕様にしたから問題無いが他の空母だとかなり難しい」
「他の空母もそのようにしたらいいんじゃ無いのか?」
「それが出来れば苦労はしない、信濃1隻だけでもどれだけ大変だったか・・
それに信濃は特殊艦扱いだから好きに出来たが他の艦は日常業務に使っている、
そのため特殊仕様を施す事が出来なかった、まあ突貫なら何とかなるぞ」
「えっ?それだとどうなるの???」
「飛行航続距離は100kmほどだがこれなら艦の装備はそのままに出来る、
だがその代り精鋭達の魔力がいるので長期戦には適さない、だから突貫だ、
あくまでも一時的に浮遊出来るだけ、その場凌ぎのための装備だ」
「なるほどな・・それを前提で考える必要があるな・・」
その後も質疑応答が繰り返され・・信濃・紀伊・モンタナは派遣に除外した、
だが武蔵に関しては艦長エリーナがなぜか保留を求めたので先送りとした、
エリーナは行く気を感じたがアメリーが反対したので話し合いたいそうだ。
尚大和に関しては・・これは逆に派遣するべきだと皆が言うので決まりとなる、
冥界からの要望に総旗艦が向かわないとなると信用度が違うと皆が訴えた、
なので大和は派遣決定、当然艦長の俺も無条件で決定となった。
・・・
まあ皆が言いたいことは何となくわかるので俺は黙るしか無かった。
その後も質疑応答が繰り返され・・・
結論が出たのは・・3日後の事だった。