訪れた冥界公爵達と冥界王達からの試練
各地での戦闘が終わり皆はそれぞれの持ち場に戻り通常業務に戻った、
一番戦闘が長かったマーリットも引き分けという形で終わらせていた、
そして俺も帰島、ルーム国にある神殿に戻り・・来客が待っていた。
その前に・・・
インダストリアルとコンスタンシアは捕虜扱い、だが投獄等はしていない、
この2人には様々な情報提供の代りに一般兵と同程度の待遇を約束している、
それと騒ぎを起こさないことを条件に買い物や公共機関等の出入りも可能だ。
反面ブラックインダストリアルとブラックコンスタンシアは来賓扱いとしている、
この2人は元々は冥界の住人なのとある方の使者と聞いたエリーナがそう扱った、
エリーナは何か強大な力を感じたようで無下に扱わず来賓として迎え入れている。
話を戻して・・
俺のいる神殿に来た客・・人数は3人でとても不気味なオーラーを出している、
だが1人は何か・・初めての感じはしない、会ったことは無いはずだけど??
しかしその相手も俺を知っているようだ・・その相手は静かに語り出した。
「初めましてコウさん、私は冥界の蘇生派・中立派・消滅派の使者の者です、
私は中立派の冥界公爵ダンテ、こちらは蘇生派の公爵ウェルザー、そして・・
こちらが消滅派の公爵ランサーと申します、どうぞお見知りおきを・・」
「これはこれはご丁寧に・・私が総司令官のコウです、皆様を歓迎します、
どうぞお席に、まずは飲み物・・こちらのお任せでいいでしょうか?」
「ええ構いません、3人とも飲酒OKなので楽しみにさせて頂きます」
「それはよかった、では自慢の品を用意させて頂きますね」
俺はメイドさんに頼んでシルビアから購入した酒類を複数出してもらう、
メイドさんは手際よく用意してくれてグラスも冷したものを用意してくれた、
それを見た俺はまず赤・白ワインをグラスに入れそれを公爵達に飲んで貰った。
「おおこれは飲みやすいですな・・」
「おお・・初めて飲みましたがいい味ですな」
「これは逸品ですね、相当時間をかけて熟成されたようですね・・」
好評だったのでそれぞれおかわり追加、それもあっという間に飲み干す、
次にウィスキー・・酔わせたらまずいを感じた俺はシャンパンに変更させ・・
「あっコウさんお気遣いは要りませんよ!」
「ええ我々は普段この100倍の量を飲んでいるので問題ありません!」
「むしろいろいろと頂きたいのです、なのでご遠慮は無用ですよ!」
そういうことなら・・
俺はメイドさんに頼んでウィスキー、ジン、シャンパン、日本酒、ビール、
他にもジンジャエールやコーラ、サイダーやオレンジジュース等も用意させた、
それとおふざけの意味も込めて養命酒を最後の締めとして飲んで貰った。
15分後・・・
「うん・・美味かったです、特に最後のが・・」
「絶品だらけで満足です、特に最後のがいいですね!」
「久々に楽しめました、特に最後のがとてもいいですね!!!」
なんでやねん!!!!
3人はとても美味しそうに飲み物を飲んだ、その際殆どが一気飲みだった、
だが養命酒に関してはなぜかゆっくり飲み・・凄く味わいながら飲んでいた、
まあこれだけ飲むのならお腹に優しい養命酒は絶品だったのだろう。
余談だが今俺の世話をしているのは天使族・天聖族・卿魔族の女性メイドさん、
ただ3人とも強さは種族最下級だが・・かなりの美貌でスタイルも抜群にいい、
噂によると相当モテたらしく各種族の男性達が頻繁に声をかけていたそうだ。
しかし3人ともそれらの誘いは全て断り・・お金を稼ぎたいとメイドに応募、
かなり優秀のようで3人とも一発合格で俺のメイドさんとなり世話をしている、
だがこの3人俺に婚姻を求める行動は現時点無かったので・・俺は一安心。
「やれやれ・・やっとまともなメイドさんが来てくれたか・・」
俺は表面こそ出さないが・・この3人は大切にしようと心に決めていた、
セクハラはもってのほか、普通の会社の部下の感じで接し無茶は言わない、
さらに飲み会や食事に誘う等緊急を要する以外のことは一切していない。
なので俺は気分爽快、下ネタおふざけはお供や親衛隊等男性陣とすればいい、
彼女達はあくまでもメイドさん、必要以上の関わりは極力避けている俺、
そのせいか・・俺は肩の荷が降りたようで爽やかな気分が続いている。
ただ残念なのは期限があるのでしばらくしたらお別れになるがしょうがない、
メイドさんに応募する種族が沢山いるので順番待ちだから止む得ないだろう、
短い期間ではあるが・・ボーナスはしっかり渡そうと思う俺だった。
これは一旦置いといて・・・
異世界の飲み物を堪能した冥界公爵達、そろそろ本題に入ることになった、
一応食事も提案したんだがそれは後回しでいいと言われたのでそうしている、
どうやらこの3人かなり飲んべえのようで満足した顔となっていた。
「それでは本題に入ります」
「ええお願いします」
「失礼ではありましたが・・貴方達は私達の試練に合格しています」
「はい??・・えっと・・どういうことでしょうか??」
「我ら冥界はお互い情報交換はしている事はご存じですよね?」
「ええブラックエナから聞いています、その辺は情報共有していると・・」
「その通りです、冥界の秩序を守るためにも異端的なことは対処を要します、
もちろん貴方達の事も破壊・創造神達の行動も監視をつけて確認していました、
今度どの位の脅威になるのか・・そこで我らはお互いに力を与えました」
「それが魔物達の冥界化と液体金属など・・と言うわけですか?」
「ええそうです、ほぼ互角の展開にしておけばあとは統率等の差になります、
それに関しては貴方方の方が遙かに優れていたので破壊神は封印されました、
それを見た我らの王・・冥界王達は閃き貴方方にある試練を考えたのです」
「試練?どういうことですか?」
「なに単純な事です、我ら冥界は王以外は皆忙しい・・言い換えると・・
王達だけは正直退屈しているので新たな刺激を求めがちなのです、なので・・
貴方方に試練を与え達成したら褒美を取らせる・・と駄々こねています」
・・・
なんなんだよそれは・・
???
待てよ??王達????
「し・・質問があります、王は・・冥界王は3人だけじゃないのですか??」
「いえいえ山ほどいますよ、何しろ冥界は広いですからね~~~」
・・・
「・・まあギリセーフでこの異世界に関わる我らの冥界王達は退屈の塊です、
何かしら刺激が欲しいと我らにせがむので正直うっとうしいのが本音です、
ですが王の駄々・・いや命なので我らも無視するわけにはいかないのです」
「そ・・それは大変ですね・・・」
「ご同情感謝します、あと今回は別に王からの褒美もあります」
「えっ??何ですかそれは??」
「はいティーラ様・・天界へ使者を送り今迄の現状を伝えています、
もしコウ様達が希望するならどなたかが面会して欲しいと伝えています、
返事はまだ来ていませんが別に要望があれば叶えて欲しいと伝えます」
「そ・・それはありがたい、皆に確認しますので暫し時間を頂戴します」
俺は・・というかメイドさんが即座に察知し各地域へ緊急メールを送信した、
だが殆どの種族は現時点興味無・・未知過ぎるので関わりを避けたいようだ、
なので俺に任せると一任が多く・・1人猛烈に訴えてきた女性がいた!
「わ・・私を元に・・いて擬態に戻して欲しいのです!!!」
「なに言ってるのティーラ、あなたはその姿が一番いいのよ!!!」
こう訴えてきたのはティーラ、皆から信仰されて猛烈に嫌がっていた、
ただお供?のミオやレイ達はティーラの本当の姿がいいと現状を希望、
なので戻せと訴えるティーラと現状希望のミオ達のメールが頻繁に来た。
・・・
収まりがつきそうに無いのでこの褒美に関しては保留にしてもらった、
そして次の話題、冥界王達は俺達に何の試練を考えているのだろう??
もしかしてまた破壊神などと戦わせる・・・俺の予感は見事に当たった。
「この星をご覧ください!!!」
ブィイイイイイイイイイイーーーーン!!!
ダンテ達が映写魔法で映しだしたのは・・地球そっくりの星だった、
だが何かがおかしい、見た感じはそう変わりないが・・なんか荒れた感じ、
何か問題がありそうな雰囲気が漂う・・ランサーが詳細を話し出した。
「この星は地球そのものです、まあ貴方方の地球とはかなり劣ってます、
冥界王達は貴方方の言われる「共存」に興味を持ちこの試練を考えました、
その試練とは・・この星を貴方方の星のように発展させることです。
なあ~~んだ!!!!
その程度なら問題無いだろう、戦えと言われたら気が引けるが・・
発展なら俺達の技術や知識を伝授すればいいからそう問題は無い、
と俺は考え・・この様子は放送されていたので皆も似た気持ちだった。
だが・・
この試練が・・・
・・・
予想以上に困難だということに・・
・・・
まだ気づいていない俺達だった。