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猛烈に臭いインダストリアルと図書室に籠もる創造神




捕虜として捕らえられたインダストリアルは両手両足に封印を施された、

そして大和に連行され尋問・・の前に風呂に連れられ身体を丸洗いされた、

これはあまりにも臭かったので女性乗務員達が耐えきれず風呂にたたき込む。




「な・・・何よこの臭さ!一体どういう生活していたのよ??」




「あら?私臭くないわよ???だって何も感じないもん!」




当のインダストリアルは臭いという感覚が殆ど無かったようで頭を傾げた、

さらに頭はボサボサ、服装も全然洗って無いようであちこちボロが目立つ、

遠くから見ると目立たなかったが近くで見る嗅ぐと・・ただただ臭い!




「あれ?そんなに私臭いのかな~?数百年前に洗ったんだけどな~?」




!!!!!!!!!!!!




「コウさん尋問はしばらく待ってください!今からこいつを丸洗いします」




「あ・・ああ任せた、俺は応接室で待つからな!」




「お任せを~~~~~!!!!」




うりゃ~~~~~~ジャバジャバ!!!!!!




女性乗務員達はこれでもかとインダストリアルを洗う!まるで洗濯機だ、

だが長年何も手入れしていなかったインダストリアルの汚れは半端ない、

何回も何回も洗いまくり水槽のお湯を3度取り替えるほど難航していた。




だが当のインダストリアルは自分が汚れているとは全然感じていない、

なので自分をしつこく洗う女性乗務員達が徐々に鬱陶しくなって・・




「そ・・そんなに洗わなくてもいいわよ・・2百年前しっかり洗ったのよ?」




と自己弁論、しかし猛烈な臭さを発する前ではその言葉はかき消された!




「なに言ってるのよ!臭い!!臭い!!まだ落ちないじゃない!!!」




とにかく臭いインダストリアルをこれでもかとしつこく洗う女性乗務員達、

最新のボディソープやシャンプーやトリートメントを駆使して全体を洗う、

そしてようやく臭いや汚れが取れマッサージを施され美貌が姿を現してきた。




ちなみに衣服は焼却処分、何度洗っても臭いが取れないので焼却処分とした、

さすがに裸のままではいかないので近くにあった看護婦の服を着せている、

そして心身共に爽やかとなったインダストリアルが応接室に来て・・




・・・




「き・・君は本当にインダストリアルなのか?」




「あらさっきまで戦っていたのにもう忘れたの?なんかショックだな~!」




・・・




これに驚いたのは俺だけではない、彼女を洗った乗務員達も同じだった、

何しろ薄汚れた格好だったので・・例えるならまさに月とすっぽんだった、

創造神なのは知っていたがここまで様変わりすると正直戸惑う・・・




・・・




俺の対面に座るインダストリアル、すると机の上のお菓子に目を向ける!




「ねえねえこれ何かしら?食べれるものなの??」




「あ・・ああ俺達の世界でお菓子という食べ物だ、梱包は食べれないぞ!」




「えっ?どうやって食べるの??教えて教えて~~!!!」




なぜか俺の隣に座るインダストリアルは興味津々、そして俺は梱包をとる、

そのままインダストリアルに渡す・・口開けていたのでそのまま放り込む、

するとインダストリアルは目を丸くしてお菓子をボリボリ食べ始めた!!




「な・・何これ??美味いし甘いし爽やかだわ~~~!!!」




余程気に入ったのかインダストリアルはその後無我夢中でお菓子を食べはじめた、

机に置いてあったお菓子は即座に完食、物足りなさそうな顔してたので急ぎ追加、

この様子だと何も食べて無かったようで俺は食事も用意させ食べさせたのだが・・




「ぶぁ~~~~美味しかったわ~~~」





・・・




ランチ30人前と樽丸ごとのワインをたいらげたインダストリアルは満足顔、

しかし体型はそのまま、あれだけ食べたのにどこ行ったのだろう?だが・・

この位は異世界の神族達も平気で食べるので俺は深く考えないことにした。




「そろそろいいか?話をしたいんだが・・」




「あらごめんなさいね、それで・・聞きたい事は何かしら?」




「ああ天界の場所だ、この近くにあるのか?」




「残念ながらこの近くには無いわ、あるのは冥界の入り口の反対なのよ、

冥界と天界は表裏一体のようで背中越しに重なっていると言えばわかるかな?

私は冥界の入り口は知ってるから・・その隣にあるからどちらもいけるのよ」




「何だと!!!それはどこにあるんだ?」




「焦らなくてもいいわよ、足があって逃げるもんじゃないし・・」




まあそれはそうなんだが・・




「私が関わっているのは冥界の蘇生派の入り口の付近、でも中には入れない、

創造神の私ですら光の壁に阻まれ中には入れないのよ、でも冥界は入れたわ、

でもそれは入り口付近だけ、取引の為の許可程度なので内部は知らないわ」




「他にも入り口はあるのか?」




「多分あるんじゃないかな?私の想像だと蘇生派・中立派・消滅派の領地、

それぞれに天界へと繋がる扉があるはずよ、まあ私の想像だけどね、でも・・

満更想像だけでは無いと思うの、実際蘇生派の所にあったからね」




「なるほどな・・」




「ねえ今度はこっちから質問してもいい?」




「ああ返答出来る範囲なら構わないぞ!」




「ありがと!では最初の質問、あなた達はどの異世界から来たのかしら?

それとこの船大和というのかしら?これとてつもなく恐ろしい感じがするの、

鉄なのに生きた猛獣のようで・・戦ってる最中でも怖くて近寄れなかったわ」




「その程度なら答えよう、まず俺達は地球という星からこの世界に召喚された、

元々は絶滅寸前だった島国が苦し紛れに俺達を召喚してその場を乗り切った、

それ以降対立する複数の種族を交戦しては和解し共存しているのが現状だ」




「なるほどね、そうなればディーテやシヴァ達も同じ流れだと言うのかしら?」




「基本的には同じ流れだ、だがディーテとシヴァに関しては別の目的がある、

それは天界の存在、自分達より上位の種族がいるのが気になるのだろう、

なのである意味俺達と利害が一致しているので現時点は同盟締結している」




「そういうことね、で?あなた達は天界や冥界をどう捉えているの?」




「俺達は基本「共存」をコンセプトにしていて意思が通じれば受け入れる、

なので天界でも冥界でも拘りは無い、共存出来ればそれ以上は求めない、

だが現時点ではどちらとも意思疎通は出来てないので警戒せざるを得ない」




「なるほど・・だからあなた達は驚異的な力を持ちながらも深入りしないのね、

私をその場で殺さなかった理由もこれで理解したわ、それを前提でお願いがあるの」




「なんだ?」




「私をこのままこの大和に乗せて置いて貰える?もちろん封印はそのままでね、

今のままだと私はディエトに消される・・この船の中なら凌ぐことが出来るの、

そして落ち着けば私はあなた達に忠誠を誓うわ、これでどうかしら?」





「それは断る!!!!!!!」





「あらなんで?」




「先程言った通り俺達は「共存」を掲げている、それは神達に対しても同じだ、

なので君が今迄の行いを悔い改め償いをするのであれば俺達は君を受け入れる

だがそれは忠誠という上下関係ではなく対等での同盟なら受け入れよう!」




「ち・・ちょっと待って!その程度でいいの???」




「俺達は裁きの存在では無い、仲間が危機に陥ったら救うだけ、なので・・

俺達の考えに同意し共に栄えるのであれば今迄の行いも気にしない、それに・・

弱肉強食の世界で生き物を殺さないことは不可能だ、だから割り切っている」




「・・・」




インダストリアルは黙り込む、この考えは今迄体験したことが無いのだろう、

その後インダストリアルは警備兵に連れられ独房に・・




「ち・・ちょっと待って!独房では無くこの部屋に居させて!お願い!!」




それは途中にあった図書室、俺達の歴史をはじめ様々な雑誌も備えている、

この部屋には俺達の歴史や文化を学ぶための書籍が山のように置いてある、

尚図書室は小型艦を含めほぼ全艦にある、基本は気分転換の部屋としている。





「お・・お願いよ!本を傷つけたり暴れたりはしないから・・」




困った警備兵達は俺に指示を仰ぐ、俺も想定外だったが条件付きで許可した、

それは就寝時間には独房に入ること、その際気になる本は持ち込みOKとした、

他にも風呂や食事などは俺達と合わせること・・インダストリアルは頷いた。




「あ・・ありがとう、これで貴方達の事が詳しくわかるわ!」




以降インダストリアルは書籍を読むことに没頭・・漫画が多いのが気になる、

それと運動不足になっても困るので日に2時間フィットネスで汗をかいてもらう、

その後は風呂や日光浴、食事などを食べながら・・清々しい笑顔が絶えなかった。




「ふぅ・・気持ちいいわ、次は食事ね、今日は金曜日だから楽しみだわ~」




・・・




捕虜のはずのインダストリアルだが・・・




「う~ん美味しいおかわり!!!!」




その感覚は本人も俺達も殆ど無く・・




・・・・




「美味しい~~~おかわり!!!!」




特製カレーを食べてご満悦だった。




















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