モンタナでの単独突撃と艦底氷針の展開
各地域が戦闘態勢に入り交戦が始まる、そして動きがあった、
まずはデーヴィド率いるモンタナがいる卿魔族の星が慌ただしい、
ここは転送の鏡から出てくる魔物の数が尋常じゃ無く多すぎる。
ウギャウギャウギャウギャ・・・
これらはゴブリンとオークを混ぜたような魔物のようでパワーは凄い、
単純な打撃攻撃だけのようだが威力は特級レベルに近く油断は出来ない、
なので白兵戦は避け遠距離からの攻撃で今の所押さえ込んではいるが・・
ガァアアアアアアアアア!!!!
ボコーーーーーーーーーン!!!!
ドガガガガーーーーーーーン!!!!
転送の鏡付近に備えていた無人戦車や砲台等が次々と破壊されていく、
徐々ではあるがオーク達が範囲を広げガーゴイルらしき魔物も出てきた、
これらは複数備えた要塞からの一斉狙撃で今の所抑えてはいるが・・・
ギェエエエエエーーーーーーー!!!!
雄叫びを挙げて次々と出てくるガーゴイル達、こいつらは空も飛べる、
戦闘力が高い卿魔族達ではあるが数に押されるとヤバいので対策を考える、
急ぎケイオウ達幹部は旗艦モンタナに集まり対策を話し合っていた。
「どうする?このままでは防衛線は突破されるぞ!!!」
「ああ結界もそろそろ限度だ、しかしこれだけの数は想定外だな」
卿魔族達は1000万の敵を想定して複数の要塞で防衛線を展開していた、
だが敵は減るどころかどんどん出てきて今では5000万を超えそうだ、
既に半分近く要塞は放棄し防衛線を突破されている、このままではまずい・・
・・・
ズキューーーーンズゥーーーーーーン!!!!!
ドガガガガガガガガ!!!ドガガガガガガガガ!!!!
各地に備えている砂漠空母等のミサイルが敵の侵攻を食い止めてはいる、
だが備えがどんどん減ってきているのでいずれ攻撃は出来なくなる、
ほとんどの艦は弾が増殖しないので手元の弾が尽きると攻撃出来ない。
冥界から支給された謎の白い液体は限りがあり一部の艦しか対応してない、
この異世界は陸地が少ないのでこれらは海の艦に優先的に使われている、
なので砂漠空母や無人戦車等まで行き届かず有限の弾で応戦している。
「こちら砂漠空母14番艦、そろそろ弾が尽きそうです、急ぎ補給を!!」
「こちら砂漠空母7番艦、弾が尽きたので撤退します、交代を!!」
「こちら砂漠空母21番艦、敵がこちらの陣営に近づいてきています!!
急ぎ増援をお願いします!!!」
各地の砂漠空母から補給と応援の要請が絶えない、すぐさま精鋭が向かう、
だが海と異なり砂漠だと運べる数に限度があるので補給が追いつかない、
しかし敵はどんどん近づいてくるので一刻の猶予も無かった。
対策を考える幹部達、ここでマーリットがとんでもないことを言い出した!
「このモンタナと私達幹部が転送の鏡に突撃するのはいかがでしょう?」
!!!!
「そ・・それは俺達があの転送の鏡に突撃・・その先を叩くと言うことか?」
「それしか打開策は無いと考えます、元を叩かなければさらに敵は増えます、
ですが空を飛べあの敵の塊を突破出来るのはモンタナだけと考えています、
なのでモンタナでの突入を提案します、当然私達も同行します」
・・・
ケイオウは考える、現状この危機を打破するのはマーリットの案しかない、
しかし行きは何とかなっても帰りが相当困難な状況となる、だが・・
他の艦は弾の増殖は出来ても空は飛べないので突入は無理だからだ。
それと・・
転送の鏡の先がわからない、応援は期待出来ないので孤立する可能性もある、
昔自分達が突入したことはあるがかなり昔の話なので現状は全然わからない、
なのでケイオウはこの案には消極的だったのだのだが・・
「それしかなさそうね、それじゃ突入しましょう!!」
!!!!!!
こう言ったのはケイオウの妻イザリア、彼女は以前の戦いで命を落とした、
だが俺の憑依カードで蘇りアリスィの憑依モンスターとしてこの場にいる、
まあモンスターと言っても飲食等出来るのでふつ~の生活をしている。
「とにかく出来る事はしましょう!あの大群を住宅地に向けてはダメです、
もうあの惨事は見たくありません、とにかくこのモンタナで突撃しましょう、
後のことは後で考え今はあの大群を抑えることが最優先です!」
確かにイザリアの言うとおりだ、あの大群が住宅地に入ると大惨事となる、
距離は取り要所要所に要塞は備えてはいるがあの大群だとひとたまりも無い、
以前の戦いでは住宅地に突入されたのでその危惧も当然だろう。
これを聞いたデーヴィドは・・覚悟を決めた!
「よしモンタナで突っ込むぞ!他の隊に連絡して援護しろと通達しろ!」
「は・・はいいい~~~!!!!」
「こちらモンタナ!これより本艦は単独突撃するので援護願います!」
!!!!!!!!!!!
各隊は驚きを隠せない、幾ら強大なモンタナとは言え単独突入は危険すぎる、
しかし他の艦はモンタナのように空を飛べない・・というか飛べない、
その理由は明白、艦は重いので浮かすためには莫大な魔力を要するからだ。
この卿魔族の星もそうだが殆どが海なので浮かぶ艦で事が足りている、
なので強大な魔力を要する艦の浮遊には消極的なので殆どが飛べなかった、
それといざとなれば第7艦隊がいるのでそれで事が足りていたからだ。
だがさすがに単独での突撃は想定してなかったので皆は反対したかった・・
しかし出来ない、さすがにこの大群だと元凶を叩かなければキリが無い、
それは転送の鏡の奥にいるはず・・もう猶予はなかった。
「わ・・わかりました!援護するので任せます!」
「よし行くぞ!モンタナ急速浮上!転送の鏡に突っ込むぞ!!」
「了解!モンタナ浮上!転送の鏡に向かいます!」
ザザザザーーーーー!!!!ザバーーーーーーーーン!!!
モンタナは急速浮上し急ぎ転送の鏡を目指す、だが辺りには魔獣がウヨウヨ、
そこでモンタナは転送の鏡ギリギリまで急上昇して一気に降下することにした、
各部隊は援護するためモンタナの進行方向に攻撃を集中させることにした。
「モンタナ突っ込むぞ!艦底氷針(ship bottom ice needle)展開!!」
キィイイイイーーーーシュシュシューーー!!!!!
モンタナの艦底が凍り付きそこから無数の氷が突き出していた、これは・・
艦の弱点でもある艦底を氷で保護すると同時に氷の針で敵をけん制している、
艦底には魚雷や機雷などの武器はあるが全体を防御することは出来なかった。
そこで考え出されたのが艦底氷針、浮いた時に展開され氷で覆い艦底を守る、
同時に展開した氷の針で敵を攻撃する、これを展開して突撃するモンタナ、
尚この装備は第7艦隊限定の装備の一つとなっている。
ちなみに他の艦でも氷に艦底を覆わせる事は出来るが海の中限定となる、
理由は単純に魔力の問題、艦は大きいので氷で覆うとなると膨大な魔力がいる、
そのため他の艦は周りの海水を氷にする事で魔力消耗を極力抑えている。
だが第7艦隊はどこに行くかわからないこともあり単独でも展開は可能、
それを可能にしたのが天然石、魔力を貯めれるこの石を大量に備えている、
その量は通常艦の8倍、柱の隙間に至るまで天然石で覆われているからだ。
尚他の艦でも同じように備える提案はあったが・・
単純に重すぎるので普通の艦だと動きが鈍くなるので採用はされていない、
なのでこれも第7艦隊専用装備の一つ、そのためコスパはもの凄く悪い、
性能は段違いなのだが・・その分コストが嵩むので特別扱いとなっている。
参考までに・・・
第7艦隊1隻にかかる通常整備費は金剛型戦艦7隻に相当、それと・・
信濃に関しては8隻に相当するのでどの部隊も第7艦隊の配属を嫌がる、
理由はもちろん資金面、それと高度な技術を要するので敬遠されている。
そのため第7艦隊の5隻に関しては・・
どの隊からも配属を拒否されたので特殊任務艦として別扱いされている。
話を戻して・・・
ウォオオオオオオオオオオオーーーーー!!!!!!
海底氷針を展開して転送の鏡目掛けて突っ込むモンタナ!
「各隊モンタナの援護だ!前にいる敵を打ち崩せ~~!!!」
ドシュドシュドシュドシューーーーーーー!!
ズガガガガガーーーーンン!!!!!
各隊はミサイルをモンタナの進行方向に撃ちまくり次々と敵を蹴散らす!
「衝撃波砲発射!!!撃って撃って撃ちまくれ!!」
グォム!!!グォム!!!グォム!!!グォム!!!
ドガガガガガガガガガーーーーーーーーン!!!!!
モンタナの主砲・副砲から繰り出される衝撃波砲が次々と敵を吹き飛ばす、
すぐさま弾は増殖するのでモンタナはこれでもかと撃ちまくり突入する、
すると転送の鏡が見えてきた、その入り口に目掛けモンタナは一斉発射!
「全砲発射!奥にいる魔物達を蹴散らせ~~!!!!!!!!!」
ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
転送の鏡目掛け一斉に総攻撃、弾は転送の鏡に吸い込まれていった、
その奥で何かが光ったような感じがした、おそらく奥で爆発したのだろう、
すると魔物達が途切れた、この隙を逃さずモンタナは突っ込んだ!!!
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!!!
転送の鏡の中に突っ込んだモンタナ、転送の鏡内では砲撃一旦停止、
一気に突っ切る事だけを考え一気に加速するモンタナ、そして・・
出口が見えてきた、その先には光の壁が見えたがお構いなく突っ込む!
ドシューーーーーーーーーン!!!
転送の鏡を突っ切ったモンタナ、ここはまるで月のような感じだ、
すぐさま外の大気を調べた、すると空気がありあちこちに湖がある、
薄暗い雰囲気の中乗務員はすぐさまレーダーで辺りを監視しはじめた。
すると・・
ザッザッザッザ!!!!!
湖の横にある山、その中にある洞窟の中から・・
・・・
無数の魔物達が次々と出ていた。




