人気の信濃と不人気の俺となぜか悶えるレイナ
各星の代表者が猛烈にリクエストしたのが航空戦闘母艦の信濃だった、
第7艦隊ではこの艦だけ航空母艦、当然ながら艦載機が多数搭載されている、
広範囲に展開出来て戦闘力も優れたこの艦は皆の注目の的だった。
「信濃は我が星に配置願います、領土が広いので偵察機が必須なのです!!」
特にこう強く訴えるのが馨響族のキアーラと威凜族のレオナルドだった、
理由は先程と同じ広範囲に展開出来ること、と言うのもこの星は・・
馨響・威凜族に加え白銀族、海底種族もいて各地に列車も通っている。
その経緯は・・
以前は関わりを持ちたくないという理由で一部線路は繋いでいなかった、
そのため未開通区間は輸送重巡等で海上輸送していたが時間がかかる、
これらの艦は40ノット(約74km)で動くがそれでも時間がかかった。
「このままでは不便ですね、もう各地の線路を繋ぎませんか?」
「ええそうしましょう、いつまでも過去にとらわれてはいけません」
だが親交を重ね蟠りが薄れお互い交流が盛んになり線路を繋ぐことにした、
今では海底種族のいる北の端から白銀族のいる南の端まで列車で移動出来る、
これによりほぼ各地を列車で移動出来るので大幅な時間短縮となっていた。
そういう意味ではキアーラの星が一番居住区間が多く距離があった、
だが戦艦に搭載している戦闘機は3機程度なのでとても追いつかない、
なので艦載機を多く搭載している信濃に白羽の矢を突きまくっていた。
ちなみに俺達のいる異世界に限らず他の星でも輸送専門の船や飛行機は無い、
理由は居住区間以外は魔物が出るため武器が無いと危険だからだ、なので・・
大量輸送する際は艦が殆どで大型の輸送機は撃墜されてしまうことと・・
・・・
輸送のために騒音を待ち散らすなどもってのほかと各種族が反対したからだ、
戦闘は割り切るにしても輸送は最悪自分達でも対処出来るからと却下された、
だが・・・
「この荷物正午までに届けたいのです、急いで運んでください!」
「え~~~こんなに持てないししんどいよ~艦で運んで運んで!!!」
輸送担当がその都度依頼をしても・・
各種族はめんどくさがり結局輸送は艦と列車に依存している。
・・・
これはさておき・・・
他の星達も信濃配置を希望したがキアーラ達が頑として譲らなかった、
ただアメリーの星だけは武蔵を希望していたのでそのまま採用となった、
と言うのも前に武蔵にフルボッコされた後・・
なぜか武蔵は戦神艦として崇められていた。
なので武蔵はあっさり決まり・・その後信濃の奪い合いがしばらく続く、
そして話し合いとクジの末・・このように配備となった。
● 航空母艦信濃 = キアーラの星。
● 戦艦武蔵 = アメリーの星。
● 戦艦紀伊 = 裏世界。
● 戦艦モンタナ = 卿魔族の星。
● 戦艦大和 = カウノスの星。
ちなみに一番不人気だったのが戦艦大和、だが艦では無く艦長の俺が原因、
一番死んで貰われたら困る存在なので皆責任持ちたくないのでたらい回し、
その後クジではずれを引いたカウノスがもの凄く落ち込んだ顔をしていた。
「こ・・コウさんだけ大和から降りて神殿で待機して頂けますか?」
なんでやねん!!
人を疫病神扱いすんなや!!!
!!!!!!!!!!!!!
俺は立腹し神殿に戻る、すると技術者ライアン達がすぐさま部屋に来た!
「コウさん対策が出来ました!これなら冥界の敵にも太刀打ち出来ます!」
「オオ出来たか!それで?どう対処視したんだ?」
「はい!コーティング技術を応用した方法で鉄の壁を砲弾で攻撃しました、
すると鉄の壁は砕け再生もしなかったので次は聖剣等で試しました、すると・・
これらの武器でも鉄の壁は斬れ再生しなかったのでこれならいけそうです」
「おお素晴らしい!褒めて使わす!!!」
「はは~~ありがたき幸せ!!!!!」
「なに馬鹿なこと言ってるのよ!あんたら本当に馬鹿ね!」
せっかく時代劇風に気分が浸っていた俺達にダメだししたのがレイナ、
なぜかその手に量産型聖剣を持って俺の部屋に来ていた、しかし・・
俺の部屋にノックもせずに勝手に入ってくるとは失礼な奴だ!
「別にいいじゃない!私はあんたには遠慮する必要がないからね」
なんなんだよそれ・・・
「本題に入るわね、この聖剣で試したけどコーティングには限度があるわ、
多分敵を10体位斬るとコーティングが剥がれて普通の剣になってしまうわ、
これじゃ長期戦は難しいわ、もしかして武器の数で対抗する気なの?」
「いえいえコーティングはあくまで応急処置です、本題は別にあります、
進腐剤はその名の通り鉄等を錆びさせる効果がありますから本体に染ませます、
そしてその上から外装を取り付ければある程度長持ちします」
「それって・・サンドイッチのように外装を異なる物質を重ねる考えなの?」
「ええ大体そんな感じです、これならある程度長持ちします、しかし・・
時間が経過するにつれ内部が腐食する可能性があるのでこれも一時凌ぎです、
ただ先日冥界のダンテ様の使いの方が来てこの方法を伝えたところ・・」
「どうなったの?」
「はい進腐剤と引き換えにある液体を交換して欲しいと言われたのです、
なんでも進腐剤は冥界のある行いに役立つから是非にと言われました、
その代わり液体金属よりも物質に染み込む特殊な液体を差し出すと・・」
「(俺とレイナ)そ・・それはどういう液体なんだ?(なの?)」
「それは秘密と言われました、なんでも公にするとまずい液体らしいのです、
ですが効果は保証すると言われましたので私達はためらいなく了承しました、
なんでも白くドロドロした液体のようでヨーグルトのような感じだそうです!」
「えっ???えええええ~~~~~~~!!!!」
「えっ?白い液体??あ・・あはははははは・・」
???
なぜか悶え出すレイナ、そして俺を見てなぜか顔を赤らめている、
長い付き合いではあるがこんなことは初めてだ、いったいどうしたんだ?
不思議な顔でレイナを見る俺とライアン達、するとレイナはヒートアップ!
「そ・・そんな欲しそうな目で見ないで~~あ・・あはははははは!!!」
・・・
後から知ったが最近カオスとかなりご無沙汰らしく欲求不満が溜まっていた、
だがカオスは何かと忙しくさらに順番待ちの状態でさらに悶えがヒートアップ、
そして怪しい目つきで俺を睨むので猛烈な危機を感じ急ぎソフィアに電話する。
「というわけだ・・早く連れて行ってくれ!」
「あらあらわかったわ!すぐ連れて帰るわね~~!!」
ズルズルズルズル・・・
興奮が止まらないレイナはシルヴィとソフィアが引きづり連れて帰っていく、
もう少しで襲われそうになった俺、ちなみにライアン達は即座に逃げていた、
その後レイナはカオスの部屋に押し込まれ猛烈に営みを繰り返したらしい。
・・・
後が怖いので俺はこの件に関しては黙秘を貫いた。
これはさておき・・
急ぎ準備を進めるライアン達、だが数が多いので数日間交替で徹夜作業、
まずは聖級クラスの武器を冥界の特殊液体に浸けて冥界仕様に切り替えた、
だが数が多いので上級以下はとりあえず進腐剤で誤魔化した。
それは艦も同じ、戦闘力の高い艦から特殊な液体に浸けて冥界仕様、
だが第7艦隊のように即座に反応しなかったので1艦につき半日を要した、
しかしそれでも波があるので1艦につき1日を要することもあった。
半月後・・・
なんとか主力装備は冥界仕様に出来たが大半は進腐剤で一時凌ぎ状態、
なので単独行動は出来るだけ避け三位一体を六位一体に切り替えた、
今迄は三人一組だったが六人に増やし数で対応することにした。
そして一週間後・・
ドガガガガガガガガガーーーーーーーーン!!!!!
卿魔族の星に封印してあった転送の鏡から猛烈な大爆発が起きた!
ゴワアアアアアアアアアアーーーー!!!!!
ザッザッザッザ!!!!!!
次から次へと魔獣と魔影の騎士が出てきた、一部は魔獣の背中に乗っている、
これを皮切りにキアーラの星では海上にブラックホールが現れ空飛ぶ魔獣、
これが無数に出てきた、さらにアメリーの星でも魔獣がわさわさ出てきた。
そして裏世界ではデーモンの領地でブラックホールが現れ魔獣が出てきた!
各星すぐさま緊急サイレンを発し戦闘員が武具を装着し迎撃にあたる!
そして俺が担当するカウノスの星でも・・
ギェエエエエエーーーーーーー!!!!
キメラのような魔物が次々と現れ飛んで来た。