お助けカードに頼る艦隊乗組員とある地球人の提案
戦艦比叡・霧島・榛名・金剛、そして三笠の主砲が一斉に発射された!
その衝撃音は辺りに響き渡り・・まるで火山が噴火したような轟音が響く、
その迫力は身震いするほどだ、久々に戦艦の・・生の砲撃を感じた気がする。
さらに副砲・高角砲・機銃・レールガン・ロケットランチャー等も撃ちまくる、
中には甲板に乗り出し爆裂魔法などを発射する種族もいて艦では大興奮、
それにつられてモニターの前でも大興奮、これでもかと撃ちまくった!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!!
ドゴォーーーーーーン!!!!!!!!!
ズガガガガガーーーーンン!!!!!
ボココココココココ!!!!!!!
ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
5隻から繰り出される猛烈な白煙と共に砲弾が次々と発射されている、
全弾鉄の壁に命中、驚いたことに全弾分散して鉄の壁に当たっていた、
鉄の壁はまるでパーテーションのような網状の大きな穴だらけに・・
「よし一旦射撃中止!鉄の壁を調べるぞ!」
艦隊は鉄の壁の検査と交代のため砲撃は一旦中断、だが次の瞬間!!!
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
!!!!!!!!!!
網の目のように穴だらけとなった鉄の壁が即座に塞がり元に戻っていく、
その後も各艦15分ほど間髪入れず艦砲射撃を繰り返して鉄の壁を総攻撃、
通常弾が切れた艦からお役御免となり交代、即座に移動を開始する。
キィイイイイイイイイイーーーーーーン!!!!!!!
シュシュシュシューーーーン!!!!!!!!
ドガガガガガガガガガーーーーーーーーン!!!!!
ほぼ同じ頃別の場所で航空母艦から戦闘機隊が発進して総攻撃開始、
戦闘機隊はミサイル・レールガン・機銃で鉄の壁を総攻撃を仕掛けていた、
だがこちらも衝撃でへこむだけで壁はすぐ復元して元の姿に戻っていた。
ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
ズガガガガガーーーー!!!!!!!
ドシュシュシューーーーーン!!!
航空母艦達もレールガン・ロケットランチャー・機銃等で別の壁に攻撃、
しかしこちらも鉄の壁は衝撃でヘコむ程度で鉄の壁は瞬く間に元に戻る、
それならばと艦と戦闘機が即座に入れ替わり波状攻撃を仕掛けている。
ドゴーーーーーン!!!!ドゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
ズガガガガガーーー!!!!!!!
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
・・・
重巡・軽巡・駆逐艦隊もそれぞれの鉄の壁にこれでもかと砲撃の嵐、
だが鉄の壁はへこみこそするがすぐ元に戻るので皆は焦りを覚えた、
交代で5時間ほど艦砲射撃を行ったがどの艦隊も鉄の壁は砕けなかった。
ちなみに当初は艦内も映し出され乗組員達はカメラを見るとウィンク、
笑顔で手を振ったり敬礼したりと余裕で親族達も大喜びだったが・・
時間が経つにつれ鉄の壁は元に戻っていくので皆意気消沈してしまう。
なので艦隊・戦闘機隊は一旦攻撃を止め作戦会議、そして方法を模索する。
「いいか、あの鉄の壁はある意味ゴムでもある、力任せだけだと貫けない」
「それはわかっているわ、でも異世界の魔法と地球の技術でも砕けないのよ」
「いや方法はあるはずだ、あの鉄の壁は鉄とゴムが混ざったと仮定しよう、
鉄は確か1500度を超えると溶け始める、ゴムはシリコンタイプが300度位だ、
もし鉄とゴムが融合し耐熱温度が上がって1800度だとしたら・・」
「でもその仮定だと溶接機が1600度位よ、戦艦の砲撃なら余裕で到達出来るわ、
それでもヘコむ程度だから温度だけじゃないと思うわ、他にもあるはずよ」
「ううむそうか・・ならブラックエナ・カオルさんに聞いてみるか・・」
「それはダメよ、カンニングみたいだから冥界に頼らずに自分達で考えるのよ」
「そうだな・・それなら・・」
・・・
各艦の乗組員達は頭を捻って考えるが・・結論が出ないのでお助けカード、
砲撃が止まったのでモニター前で暇つぶししている各種族に緊急メール、
この鉄の壁を砕くもしくは貫通させる方法を考えて欲しいと一斉に送った。
ちなみに冥界の物質などは無し、地球と異世界の範囲で考えてもらう、
そして最有力案を出した者には賞金1億ギルと新たな店の2割分の株券進呈、
その店とはおにぎり屋さん、夏姫達が昔ながらのおにぎりを売り出す。
出店などでは出していたが小腹が空いたときなどに丁度いいとチェーン化、
各地に2店舗づつ展開したのだがどの店も好調で売上げを伸ばしている、
なのでこの株券を持ては別途に年2回配当が支給されるので皆目を輝かす。
だが・・
各種族はさっきまでの艦砲射撃を見ていて・・
・・・
皆表情は変えてはいないが・・
あれだけの砲撃でも復元する鉄の壁をなんとかしたいという悔しさもあった、
賞金も魅力だが・・なんか頭を抑えられた気分もあったようで不愉快を感じる、
なので一旦中断、皆はその場でテントを張りキャンプしながら対策を考えてた。
・・・
王城の周りはテントで溢れかえったので臨時のトイレと風呂と台所を用意、
そこで親族達は食事やテレワーク等の仕事をしながら打開策を考えている、
それは子供達も同じ、なので王城の会議室に臨時の教室も用意している。
2日後・・
数々の案が出て色々試したが鉄の壁はすぐ復元し皆は猛烈に落ち込んでいた、
そんな中シルビアがある地球人を連れて来た、名は岡本玲子さんと言うらしい、
彼女はイラストレータの仕事をしてたが実家が火薬関連の会社をしていたらしい。
だが・・
事業に失敗し会社は倒産、さらに秘書が会社の金を持ち逃げしていた、
さらにその秘書は闇金から金を借りていて親が保証人にされていた、
そのため親は追い詰められ車で飛び降り自殺、玲子さんも道連れに・・
ガッシャーーーーーーーーーンン!!!!!!!
・・・
車は大破し親は亡くなったが玲子さんはなんとか生きていた、その時・・
シルビアの部下が現場に偶然通りかかり救助を行い一命を取り留める、
その時彼女が持っていたイラストをシルビアが一目見て気に入り・・
!!!
これ幸いとばかりに異世界に連れてくる、その理由は冥界との取引だ、
最新の情報を知っている彼女ならダンテの要望イラストが描けると考えた、
そして調査の結果連れてきても問題無いと判断し俺の屋敷に連れてきた。
ちなみに問題の秘書は後日シルビアの部下が探し出し警察に連絡し逮捕、
さらに自宅を家宅捜索・・既に闇金が回収してたのでなにも無かった、
なので金銭の回収は出来なかったがその秘書の懲役刑を最大限にしている。
「と言う訳なの、だから彼女ここで面倒見てくれる?」
「それは構わないが・・本人は納得しているのか?」
すると玲子さんは怯えたように語り出す・・
「は・・はじめまして、私は長野県から来た岡本玲子と申します、
話はシルビアさんから聞きました、なんでも私のイラストが気に入ったとか・・
未だに信じられませんが私は日本にいても借金とりから追われるだけです」
続けて・・・
「漫画で異世界は知っていましたが現実に来たとなると戸惑っています、
ですがもう私は頼れる親族も友人知人もいませんのでこの話は渡りに船です、
どうかこの異世界で・・私も住ませてください、お願いします!!!」
それは構わないけど・・・
ここでシルビアが興奮気味に続きを語り出す!
「私が岡本さんを呼んだのはイラストだけじゃ無いの、彼女の経歴よ、
聞いた話だと親は火薬工場の経営、特に花火の関連に長けてたと聞いたの、
もしかしたら応用出来るかと思ってここに勧誘したのよ」
「確かに砲撃に関しては火薬に関わりがある、だがそれがどうしたんだ?」
「小さい頃日本の花火大会を見たけど凄く色がカラフルだったわ、それでね、
少し調べたけど花火って炎色反応・・カリウムだと紫でナトリウムは黄色、
砲撃で鉄の壁を加熱してこれらを混ぜたら動きを止めれるかと思ったの」
!!!!!
「よ・・要するに冥界の鉄の壁を一部溶かして異物を混ぜると言うことか?」
「私はそう考えたのよ、私達人間でも異物が入れば拒否反応を起こすでしょ?
艦砲射撃を見たけど衝撃と熱を与えるだけだから冷めたら元に戻ると思ったの、
なら戻る前に異物を混ぜれば止まるかも・・そこで彼女に聞いてみたの」
「ここからは私がお返事します、私は親の手伝いもしていました、なので・・
ある程度の知識はあります、それとコロナの時に花火大会が相次いで中止、
大量に余った花火弾の処分に困り花火を無効化する方法も見つけています」
!!!!!!!!!!!!!
これは発想外だった、この異世界でも花火や砲弾等は使い切る前提だった、
特に花火は人気があるので無効化する発想は無かった、これはもしかして・・
「はい、私の父はこれを特許申請する予定でしたがコロナが落ち着きました、
なので花火大会も再開され需要が出来たのでこの無効化の技術はお蔵入りです、
ですがシルビアさんから花火のことを聞かれたのでこれもお伝えした次第です」
!!!
俺はすぐ技術者ライアン達を集め・・・
・・・
玲子さんからの花火無効化の技術を・・・
・・・
鉄の壁を砕くのに応用出来ないか調べさせた。