撃ち放題に燃える兵達と弾丸・砲弾の使用期限
各地から戦艦・空母・重軽巡洋艦・駆逐艦が次々と訪れ辺りは大渋滞、
流石に輸送重巡・軽巡・駆逐艦は来ていないがモニターで見ているらしい、
なのでルーム国周辺の海域は艦で溢れ的となる鉄の塊が無人島に備えられた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
今回は戦艦の艦砲射撃でこれを砕けるか試すつもりだったが空母等も来ている、
なので急ぎ的となる冥界の鉄の塊を増やし無人島のあちこちに設置しまくった、
これで戦闘機隊の的も出来た、尚重巡・軽巡・駆逐艦の的も新たに設置した。
だが・・・
「はいはいたこ焼き3つですね~まいどあり~!」
「おじさんクレープ4つお願い、クリーム大盛りでね~!」
「はいはいお嬢さん達可愛いからサービスするよ~!」
「わあ~~ありがとう!!!」
「おじさんお好み焼きとソフトクリーム各5つ、急いでね!」
「あいよ!毎度あり~~!!!」
・・・
いつの間にかルーム国の王宮の庭には大型モニターが複数設置されている、
だが同じ画像では無く各艦それぞれを映し出すようで見物人が大勢いる、
そのためか様々な出店もあちこちにあり祭りのような雰囲気となっていた。
・・・
なんで艦砲射撃のテストだけでこれだけ集まり賑わっているのかな?
ザワザワザワザワ・・・
なんか皆さん花火大会か縁日と勘違いしてないか?
「はいはい大淀の関係者の方~こちらのモニターで閲覧出来ますよ~」
「すみません、筑摩のモニターはどこですか?兄が乗っているんです」
「ああ筑摩ですね、それなら3列目のモニターでご覧いただけますよ~」
「あの~初瀬のモニターはどこにあるんですか・・・・?」
「初瀬は王宮の傍のモニターです、6番目ですから移動してください」
・・・
各艦のモニターには親族が集まり身内の活躍をまだかと待ち構えていた、
一応この様子はDVDで録画し希望者には無料で配布するみたいだが・・
身内の活躍を現場近くでリアルタイムで見ようと親族が集まり目を輝かす。
・・・
あまりにも数が多いのでモニター案内人もいた、それも100人を超えている、
艦が大体100・・を超えてるな、それぞれにモニターを設置しているようだ、
しかし・・さらに追加のモニターを設置している、俺はもしかしたらと思い・・
!!!!
急ぎ転送の鏡に設置してあるモニターを見る、すると次々と艦が出てきた!
!!!!!!!!!!!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
「プリンセス・ロイヤル入港、このままルーム国に向かいます」
「このあとエスパーニャが入港予定です、ドックを空けておいてください」
「(転送の鏡の管理者達)おい次にはどの艦が来るんだ??」
「ノースカロライナと橋立の予定です、そのあと鞍馬とドレッドノートです」
・・・
ほぼすべての艦が艦砲射撃の為だけに集まってくる、警備は大丈夫なのかな?
そう心配していた俺だったが交代で赴くから問題ないとの返事が来ている、
まあ現時点どこも平和で暇そうだったから今回の実験は魅力的なんだそうだ。
それと・・・
「ふふふ・・今回は遠慮無く撃ちまくれるわね・・」
「ええ訓練だと制限あるからね、今回は撃ち放題なんでしょ?」
「ええライアンさん達が賞味期限間近の砲弾遠慮無く使うと言ってたわ」
「だとしたら爽快よね~いい機会だから気絶するまで撃ちまくるわよ!!」
「そうねウフフ・・久々に本気出せるわね~~~!!」
「うふふふふふふ・・・」
「ウフフのフ・・・・」
・・・
この異世界の各種族は俺達が来る前はほぼ野生だったので血が騒ぐようだ、
理性はきちんとあるのだが基本弱肉強食、戦うときは徹底的にやっていた、
状況にもよるが基本相手を叩きのめすまでは勝ちとは認めないらしい。
なので・・・
裕福ではあるが制限が多い今の時代にストレスが相当溜まっているそうだ、
特に訓練の時機関銃の球数制限を聞く度にガッカリしてため息して肩を落とす、
しかし今回は溜まっていた在庫一掃の意味合いもあるそうで・・・
・・・・
なんかスーパーの惣菜半額セールのようで妙に納得いかない俺だった、
惣菜の場合は賞味期限があるので止むないのはわかるが弾丸や砲弾だぞ?
これらを惣菜と同じ扱いはおかしい・・即座にライアン達が熱弁する!
「コウさん弾丸や砲弾にも使用期限は設けられていてだいたい10~20年です、
火薬が一番弱いのは湿気です、火薬が劣化すると不活性化して発射されません、
さらに怖いのは弾丸がチャンバーやバレル(銃身)の中で暴発することなのです」
そしてトドメの一言!(どかーーーん!)
「そのため使用期限が切れた弾丸は無理に使用せずに廃棄処分していたのです!」
なるほどな・・
・・・
??
待てよ??
確かこの異世界では環境に悪いからと言って火薬は最小限利用のはず、
ここには魔力・神力があるからそれに切り替えていたはずだ、だから・・
火薬の使用期限は考える必要は無いはずだが?」
「それは浅はかな考えです!確かにこの異世界には魔力が膨大です、
ですが大気中にある魔力は魔力を引きつけるので封印にも限度があります」
「それは・・どのぐらいなんだ?」
「気候にもよりますが大体8年前後です、なので殆ど訓練で使い果たします、
ですが近年大がかりな戦闘が無いので各艦そろそろ交換時期に来ています、
今回は砲弾や弾薬を無駄なく使うのとストレス解消も兼ねているのです!」
・・・
俺は・・なにも言えなかった。
「ご理解頂きまして幸いです、では我らはこれで!!!!!」
ドピューーーーーーーーーーーン!!!!
・・・
ライアン達は説明が済んだ後皆笑顔で艦に乗り込み準備を進めていた、
そして艦は戦艦・航空母艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦と分かれていく、
艦隊は三日月のような陣形をとり標的に狙いを定めていく・・
グゥウウウウウウウウーーーーーーーン!!!!!!!!
各艦の砲が鉄の壁に向けられる、尚鉄の壁は全部同じ大きさと厚みだ、
これは砲撃の威力を調べると同時に鉄の壁の強度を計る意味合いもある、
だが艦が多いので5隻づつ縦並びとなり一斉に艦砲射撃を行うことにした。
そして弾が尽きたら交代、その際一度鉄の壁を点検してから再度行う。
まずは戦艦比叡・霧島・金剛・榛名、そして三笠が鉄の壁に向けて動く、
この5隻はほぼ同じ仕様なので最初に選ばれた、尚次からはランダムとなる、
次に待ち構えるのが戦艦長門・陸奥・伊勢・日向、初瀬が準備していた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
旗艦となった比叡で指揮を取るガルーダ王のカオス、なぜか諸葛孔明の姿、
その手には独特の扇を持ち・・それを鉄の壁に向けて命を出す!
「比叡1番から4番主砲発射準備!」
グィイイイイイイイイイイイーーーーン!!!
比叡の砲が鉄の壁に向けられる、同じように金剛・榛名・霧島・三笠も動く、
今回は弾が尽きるまで撃ち尽くすので艦に乗せている砲弾はすべて使う、
例外は氷砲・氷裂弾、これは海水を利用するので今回は使わない。
ゴクリ・・
皆が固唾をのんでモニターを見つめたその時・・・
「主砲!撃てーーーーーーーー!!!!」
「撃ち方~~~はじめ!!!」
ズガガガガガーーーーンン!!!!!
「レールガン発射!撃って撃って撃ちまくれ!!!!」
ズシュシュシュシューーーーーンン!!!!!
「ロケットランチャーや機銃も撃ちまくれ!鉄の壁を砕くんだ!」
「もうやってま~~す!!!!」
ズガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!
俺達の誇る5隻の戦艦が一斉に火を噴き・・・
猛烈な艦砲射撃で冥界の鉄の壁を打ち砕こうとしていた。