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技術・魔法・素材の集大成となぜか揉める技術者達




戦艦大和・武蔵・紀伊・モンタナ、そして航空母艦信濃の5隻、

この5隻から放たれる魔力と瘴気は異様なほどで見るだけで身震いする、

いったいどうやってこうなったのだろう?すると作業員達が語り出した。




「わ・・我々はいずれ来るであろう神達との戦いに備えたい気持ちでした、

ですが地球の技術だけでは限度がありまして異世界の魔法を取り入れました、

その甲斐あって艦は常識を越えたパワーアップをし神の域は見えましたが・・」




「上級神の域までは・・達しなかった・・そう言いたいのですね」




「ええその通りです、先般ディーテ様との戦いでそれは痛感したんです、

ですが我々にも意地がありまして懲りずに試行錯誤を繰り返し・・そして・・

下位の破壊神ならなんとかなるまでには達しましたがこれでは・・」




いえいえそれでも驚異的でしたよ?




「そこで我々は考えました、神がいるこの異世界なら・・アレがあるはず・・」




「アレ・・とはなんなんだ?」




「はい神の領域にあるはず・・の特殊素材です、今回は液体金属がそれです、

地球の技術・異世界の魔法・神の域の素材が結集すれば神とも戦えると・・

その集大成がこの5隻です、おそらくこれを超える艦・いえ神器は・・」




「そうですね・・これを超える神器は無いでしょう」




「ええ我々が望んだ最高の神器だわ、これなら上級神とも戦えるわ」




シュン!!!!!!!!!!!!




すると・・ディーテとシヴァ、テレサとアホ吉、聖域の神達が突然現れた。




「おやおやすごいもの造ったね~~~~~これは我々もうかうかできないね」




「ええまともに戦うと危ないわね、しかし人間がよくこんなモノ造れたわね」




「こ・・これは僕達でも消し飛ばされるかもね・・」




「んも~~こんなの造って何する気なのよ?私でもマジでやばいんだけど??」




・・・




さすがの神達もこの5隻を見た瞬間生命の危機を感じたようだ、これには皆驚く、

以前テレサに艦隊が集中攻撃をし事事があるが彼女はお尻に火傷した程度だった、

だがあの時は地球の技術と異世界の魔法のみが組み合わさった攻撃だったが・・




・・・




彼ら彼女達も踏み込めない冥界の特殊素材・・今回は液体金属が当てはまった、

だがこの液体金属はこの5隻の艦以外には反応しなかった、それはなぜだろう?

他の艦にも地球の技術と異世界の魔法が備わっているのになぜ?




「それはおそらく・・この5隻だけが特殊なのよ、色々とね・・」




ナレーションルームに来たアテナ達が語りかける、この5隻だけが特殊だと?

この異世界に召喚された艦隊は地球で戦争の為に造られたのだから共通のはず、

なので言っている意味がよくわからない俺・・アポロンが続けて話してくれた。




「この5隻の歴史を見たんだが・・この5隻は異常なほど期待されていたんだよ、

大和武蔵は言うまでもなく・・信濃と紀伊もそれ以上の期待を背負っていたんだ、

この日本を・・勝ちに導く為の切り札としてね、もちろん民衆はそれを知らない」




「ということは・・」




「ああ高官や末端の兵士や作業員達の希望、それは並々ならぬ信念があった、

絶対に沈まない不沈艦・・この艦があれば日本は絶対負けないという信念がね、

それが武蔵・信濃と次々と沈められ紀伊も建造途中で打ち切られただろう?」




「あ・・ああ俺の歴史でそう学んでいる」




「残る大和も沖縄特攻で無残に散っていった、その瞬間希望から絶望に変わる、

そして原爆投下、為す術を失った日本はそのまま無条件降伏を受け入れるしかない、

だが現場の人間達は・・それは絶望として受け入れるしかなかった」




「そ・・それは俺でも容易に想像出来るな・・その・・怨念とでも言うのかな?」




「それもあると思うよ、希望が絶望に変わった人間ほど悲しいものはない、

特に希望を抱いていたこの4隻・・それは君の祖父がそれだったんじゃないか?

彼は特に紀伊の建造を熱望してたからな・・それはどれだけ無念だったが・・」




「ち・・ちょっと待て、確かにこの4隻はそうだろう、だがモンタナは違う、

モンタナはアメリカの艦だ、戦勝国の艦だからそんな怨念などは無いはずだ、

だから道理に合わない、なぜモンタナが神器となったんだ?」




「それは俺が説明しよう」




!!!!




いつの間にか来ていたデーヴィドが俺を押しのけナレーションルームの椅子に座る。




「アメリカもかつては大艦巨砲主義だったのは知ってるよな?」




「あ・・ああ歴史でそう学んでいる」




「お前達・・日本が真珠湾攻撃してきた時・・戦艦が全く役に立たなかった、

それ以降アメリカは方針を切り替え空母と戦闘機を大量に生産していった、

だが一部はそれに反感して戦艦を極秘に製造しようと考えていたんだよ」




続けて・・




「大艦巨砲主義を信じていた技術者や兵達は・・別の意味で絶望したんだよ、

それは自分達の培ってきた技術が役立たずと覆されたのと同じ、それとな・・

それと心の居場所を失った、アメリカが戦艦製造を次々と中止したからな」




それと・・




「彼らは密かに憧れていたんだよ、大和武蔵の存在を知っていたからね、

今迄に無い巨大な戦艦、それを日本は造った、なら自分達も出来るはずだとね、

そして対決を願った、自分達の造った艦こそが大和武蔵を倒す最強の艦だと・・」




しかし・・




「だが計画していたモンタナ級は全艦製造を中止した、彼らは幻滅したよ、

そして居場所を失った、望まない部署に異動して製造員としては優秀だった、

しかしむなしさがあった、自分が造りたいモノはこれではないと・・」




そして・・




「人数からしたら・・日本に比べたら僅かだよ、殆どが戦勝に酔いしれてた、

だが一部は空しかった、それは自分の存在そのものを否定されたようだった、

お前も聞いたことがあるだろう?行き場を失った軍人達の大半が・・」




「あ・・ああ俺の先輩が行き場を失い酒に溺れたと聞いている・・」




「彼らは純粋だった、だからこそ自分達の使命に疑いを持たなかった、だが・・

それ故に居場所を失うつらさは想像を絶しただろう、技術者達もそうだった、

それ故に叶えたかった・・大和武蔵を超える最強戦艦を完成させたかったと・・」




「そ・・それがモンタナだと言うのか??」




「ああそう聞いている、だからアイオワ級・・モンタナがこの異世界に来た、

そうでないとつじつまが合わないだろう?まあ俺も正直驚いているけどな、

まさか本でしか見たことのないモンタナがこの異世界で完成したんだからな」




「だとしたら・・モンタナはアメリカ技術者達が呼んだと言うのか?」




「じゃないかな?彼らはいつも日本兵には負けないと目をギラギラさせてる、

実はな・・液体金属を艦にかけることに気づいたのはアメリカの技術者だ、

それを日本技術者が真似したんだよ、まあ喧嘩になったがほっといた」




・・・




とすると・・バルトス達が必死でこの異世界に投げ入れた液体金属は・・




「ああモンタナに運んでいたらこぼしてしまい偶然このことを見つけたらしい、

だが隣にいたアリゾナに同じ事をしても効果が無かったようで悩んでいたらしい、

そこに給仕のジェニーさんが話を聞き急ぎ信濃の整備員が駆けつけ真似したんだ」




・・・




なんとなしにその場の雰囲気がわかる気がする、要するに揉めたと・・




「ああさっきの整備兵は自分達の手柄だと自慢していたけど半分だけだよ、

正確には発見はアメリカ技術者で彼らは応用を利かせて他の4隻を神器化した、

と聞いてるよ、まあ誤差があると技術者達は言うかもしれないけどな」




・・・




俺を含め神族達も呆れていた、なんでこの流れになったのだろう?

お互いをライバルとして切磋琢磨するのは理解出来るが大概このオチ、

とにかくお互い相手の手柄は認めない・・いや称えないからか?



・・・



いい加減今は仲間なんだから少しは称えたり譲り合えよ・・




・・・




と俺は考え両方の整備兵達を見つめているのだが・・・




・・・




どちらの整備兵も技術者達も・・




・・・




あはははは・・・




とにかくお互い笑って誤魔化し・・




・・・




今の立ち位置を変えようとはしなかった。












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