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大人の事情と神器と化した第7艦隊




ブラックエナとブラックカオルは学校で給食を食べた後授業に参加していた、

この日は午前休みで午後から授業だったらしく子供達は学校で授業を受ける、

どうやら午前は植物園への遠足だったらしく皆眠たそうな顔をしていた。




・・・




「ではこの問題がわかる種族は?」




「はいはい~~私わかります!!!」




・・・




冥界には学校が無いようで元気いっぱいのブラックエナが問題を答える、

放課後にはクラブ活動に参加、バレーやバスケを楽しみ満喫していた、

その反面ブラックカオルは放課後すぐに学校を抜けだし俺の部屋に来た。




だが俺は出かける支度の最中、ドックに来て欲しいと整備兵からの連絡、

なんでも第7艦隊5隻が液体金属を混ぜた仕様になったそうで確認の為だ、

同じようにエリーナ・サユミ・タケシ・デーヴィドも呼ばれている。




「あれ?コウさんどこ行くの?」




「ああ第7艦隊の仕様変更が済んだから確認するためにドックに向かう!」




「なら僕も連れていって!この異世界の軍艦とやらを見たいんだ!」




「ああいいぞ、丁度馬車が来たから一緒に行こう!」




「えっ?飛んで行った方が速いんじゃないの?」




「大人の事情ってのがあるんだよ、ほら急ぐぞ!」




俺とブラックカオルは車・・では無く馬車に乗って軍艦整備港駅に向かう、

この異世界にも車はあるが大概は高速のドライブ用で市街地は馬車がメイン、

これは牛や馬(ケンタウルス等も含む)の仕事を奪わないための配慮だ。




ただ例外がある、それは軽トラックと軽バン、荷物運びの為例外とされる、

それと鉄道、これは牛や馬等も遠距離移動に利用するので例外扱いとされる、

とにかく牛や馬等は街で客を乗せ優雅に馬車を引く姿は憧れの的らしく譲らない。




なので街に住む者は基本移動は馬車か牛車、正直遅いのだが皆我慢して利用、

乗り心地はいいのだがマラソンより少し遅い速さ(約15km)で進んでいる、

緊急時には各自空を飛べるが移動は基本馬車などを使うよう推奨されている。




まあ推奨といっても・・道歩いていると牛馬が勧誘してくるので皆諦めている。




「ブルル・・(訳)ねえ乗ってよ・・今月厳しいんだ」




「ヒヒヒ~~ン(ねえ乗ってよ~お父さん寂しがっているんだよ~)




・・・




一定距離1000ギル(消費税込み)で利用、尚消費税とは言っても定額制である、

なのでどれだけ売上げが上がっても税は一定なので牛馬は猛烈に稼ごうとする、

なので散歩でも勧誘してきて・・中には子供連れて懇願するので始末に負えない。




・・・




それを察知したブラックカオルは黙って1000ギル払い馬車に乗り込んだ、

どうやらブラックカオルもカオルと似た性格のようで空気は読めるようだ、

ある意味俺と相性がいいのかもしれない、なので気兼ねなく行動出来た。




2時間後・・・




・・・




電車で向かえば15分ぐらいで行けるのだが駅前で馬車が待ち伏せ・・

どうやらブラックカオルをカモと見てその都度勧誘され馬車で移動、

そのせいか俺達だけが大幅に遅れたので俺はエリーナから猛烈に怒られた。




それはさておき・・・





「は・・はじめまして・・ぶ・・ブラックカオルと申します」




ブラックカオルはエリーナ達に挨拶、するとエリーナが・・




「きゃ~~~君がブラックカオルなの~あはは~そっくり~!」




・・・




俺には猛烈に怒るくせにブラックカオルには満面の笑顔で抱きついている、

まあカオルはエリーナの甥、可愛いのはわかるがそれはブラックカオルだぞ?

しかしエリーナはそんなことお構いなしにブラックカオルを抱きかかえていた。




・・・




複雑な気分の俺、それを察知したサユミが俺を慰めようとしたが丁寧に断る、

なにしろ亭主のタケシが寂しそうな顔してるので断らないとややこしくなる、

その様子を見ていたデーヴィドが何してるんだと呆れた顔をしていた。




これもさておき・・・




「お待ちしてました、どうぞこちらへ!!」




かなり待たされたのに顔には出さない整備員達に感謝しながら俺達は案内される、

少し歩くとそこは設計室、まずは改良点などを聞いた後ドックに移動するようだ、

まずは変更点の説明、基本的な内容は変わらないが武装はパワーアップしている。




そして整備兵が語り出した。




「試しに第7艦隊の5隻に冥界の液体金属を少量かけたところ艦が光り輝いたんです、

そして液体金属がまるで染みこむかのように溶け込み一体化したのです、ただ・・

これは第7艦隊の5隻のみで他の艦は染みこむ事はありませんでした」




「それは・・どうしてですか?」




「それは我々にもわかりません、ただこの5隻に関しては我々が・・」




「えっ?どうしたんだ?」




「じ・・実は戦闘が減り暇な我々がこの5隻に色々と実験していたもので・・

他の艦は輸送や護衛任務が忙しかったもので実験する事が出来ませんでした、

そのためかこの5隻は我々の遊び相手・・いえ特殊な状況になってしまいました」




何してるんだよあんたらは・・・




「それで・・・その後どうなったのですか?」




「は・・はい、もしかしたらと思いましてこの5隻をフル装備しました、

積めるものはすべて積み込み再び液体金属をかけたところまた光りました、

それは艦載機やヘリなども同等で・・その後この5隻は暗闇に覆われました。




「く・・暗闇とはどういうことだ??」




「それは私達にもわかりません、ですが次の瞬間液体金属は全部消滅しました、

おそらく液体金属は暗闇の中で蒸発して艦に溶け込んだものと推測されます、

そして10分ほどしたら暗闇は艦に吸い込まれるかのように消えました」




続けて・・




「念のため放射線測定など思いつく検査は行いましたが異常はありませんでした、

ただ5隻の艦は異様な雰囲気を放っていて・・魔力が吹き出るような感じでした、

それも10分ほどしたら落ち着きまして通常の状態に戻っております」




これを聞いたブラックカオルがなぜかソワソワ、それを見たエリーナが尋ねる!




「どうしたのカオル?何か心当たりはあるの?」




「う・うんそれはおそらく冥界の瘴気が艦に纏ったと思うんだ、たぶん・・

直接見たことは無いけど冥界に特殊な神器があると父親から聞いたことがある、

それはさっき整備員さんが言ってた状況で生まれると言ってたんだ」




「なに?そうするともしかして・・」




「お・・おそらく艦はその神器になったのだと思う、確証はないけど・・

ただ試す方法はあるよ、僕は冥界の物質ならある程度は召喚できるんだ、

ただ限度があって一度行うと一ヶ月間がいる、この辺はエナと一緒だよ」




これを聞いた整備兵が・・




「おお!!それなら冥界で一番堅い物質を召喚して貰えませんか??、

出来れば大量にお願いします、我々の兵器が通用するか試したのです、

あっと攻撃しても問題無い物質でお願いします、もちろん対価は払います」




「えっ??どんなものでもいいの??」




「ええできるものであれば・・」




「なら僕エナ姉ちゃんと婚約したい!!!」




その辺までカオルそっくりなのかよ・・




婚約はさておき・・




一応ブラックカオルは物質を召喚する代わりに分譲マンションをGET,

専用の住処がほしかったようでこれは了承、後日引き渡されたのだが・・

ブラックエナがこの話を聞き占有部部の半分を奪ったのでカオルは拗ねた。




これもさておき・・・




このあと俺達はドックに移動、しばらく歩いたら・・・




・・・・



ゾク・・




・・・




猛烈な寒気が俺達を襲う、今迄こんなことは無かったのだが・・・

だが目指すドックが果てしなく遠く感じる、まるで地の果てにいく気分だ、

時間にして僅か数分なのに・・まるで数日歩いたかのような感じだ。




・・・




隣にいるエリーナ、後ろにいるタケシ・サユミ・デーヴィドも同じのようだ、

皆口には出さないが手が震えている、それだけ緊張する空気が漂っている、

そして冥界のブラックカオルまで・・まるで別人のような顔つきとなっている。




ギィイイイイイーーーーー




もの凄く頑丈そうな鉄扉が開かれる、前は薄っぺらいドアだったのに・・




「ああこれですか?ドアだとなぜか吹っ飛びましたのでこれに変えました、

でも不思議なんですよ~今迄こんなことがなかったのですが・・

風も無いのにこんなことあるんですね~まあ爆破実験はしてますけど・・」




それが原因だろうが~~~~!!!




・・・



だがこれは整備員さんのジョークとすぐに感じ取れた、というのも・・

鉄扉の向こう側から感じる猛烈な瘴気は・・吹っ飛ばされそうな気分になる、

これが艦から出る瘴気なのか?なんかとても怖い感じがするが・・




そして扉が開く、俺達はドックに入った・・




!!!!!!!!!!!!!!!




目の前には第7艦隊の5隻が並んでいた・・・



・・・・




だが・・




5隻とも見た目は変化はそう見えないのだが・・・



・・・



艦から出るとてつもない瘴気を感じ・・・



・・・



皆震えが止まらなかった。


























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