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白旗の疑念とメディの両親の遺産




指揮官のエニウェアドラゴンを倒しその配下も全滅させた、

東の大陸での戦火は消え各地で復興活動が盛んになる、

残念ながら各地で犠牲者が多数出たので丁重に葬った。



各艦は東の大陸の港に入り持ってきた積み荷を降ろしている、

戦車やヘリなどの武器、食料や衣類等を急ぎ各地に送っている、

列車関連は一旦港の空き地に簡易屋根を造りそこに置いておく。



ある程度落ち着いたので・・



各地の代表を集め戦艦オクラホマで今後を話し合うこととなった。



まず・・・



全員が犠牲者に黙とうをささげた。



この世界は黙とうの習慣は無いが俺達が行ったので皆が真似した、

気持ちを伝えることが大切だと各種族が理解したようだ。



ここで俺のスマホが突然鳴り響く。



ルーム王国にいるコウから緊急の電話がかかってきた、

前の報告の中で気になることがあるから急ぎ調べてほしいそうだ、

その内容は・・言われてみれば確かに疑念を抱くのも当然だろう。



「すまない、話し合いの前にメディに尋ねたいことがある」



「何でしょう?」



「君は白旗の意味を理解していたんだな?」



「はい、親からそう教わったので・・・」



「ララー・・君は昔から白旗の意味を理解していたのか?」



「いいえ、初めは何を持っているのか・・あっ!!!」



皆がコウか抱いた疑念を理解したようだ。



俺達の習慣が無いこの世界では白旗の意味も知らないはずだ、

俺がメディを見た時白旗を見て戦闘意思がないことを叫んだ、

そのため皆はそうだと思い込み深く考えなかったようだ。



「他にも異世界人がいる・・いや・・いたようですね」



ヤマダさんの言葉に皆が頷いた。



「でも・・私の親からは一度も聞いた事ありません」



「あえて隠していたのかもしれませんね」



「どうして?」



「メディさんの両親はエニウェアの部下だったんでしょう?

何かの理由でその人物をエニウェアから隠したかもしれません」



「それは気になるな、もしかしたら・・」



「何です?」



「エニウェアの弱点をその人物が知っていたかもしれんぞ?」



「そう考えると辻褄つじつまが合うな」



「その可能性は高いわね、急ぎ調べた方がいいわよ」



「でも私の城は壊滅しています、調べようにも・・」



「何か手がかりがあるかもしれない、案内してくれ」



「わかりました」



なぜか全員でメディの城に行くことになり分散して移動、

俺はヤマダさんを連れてすぐヘリコプターに乗り込んだ、

それを見たジセル達が「ちっ」とばかりに舌打ちをしていた。



・・・



なんか彼女達がどんどん俺に厳しくなっていく・・



俺そこまで彼女達に恨まれることしたかな?



ちなみにクリスティーナは俺達と一緒にヘリに乗っている。



一時間ほど移動したら瓦礫がれきの山が見えてきた、

メディの言うとおり城は壊滅していて瓦礫の山ばかりだ、

だがヤマダさんがそれを見て一言!



「これだけの大きな城跡なら隠し地下室があるかも・・」





メディに地下室がありそうな箇所を尋ね皆で瓦礫をどける、

サイクロプスや熊の魔物など力自慢が任せろとばかりに大活躍!

隠し扉を見つけ開けたら地下室の入口らしき階段が出てきた。



他も探したが隠し地下室はここ一つだけだった。



メディが配下の魔法使いを沢山呼んで罠がないか調べさせた、

何点かあったが簡単な罠ばかりで魔法使い達がすぐに撤去した、

俺達は階段を下りていくと・・とても長い一直線の通路があった。



ゲームの世界では・・



この手の通路には敵対する魔物がたくさん隠れている・・



・・・



すでに俺達の周りは魔物だらけなので緊張感は全然ない、

むしろ魔物の方が警戒して勇者たちを用心している感じかな?

逆の展開に戸惑いながらも通路を進み・・ある部屋に着いた。



ドアには鍵がかかっていたが・・メディがあっさり開錠した、

部屋に入るとそこには20畳ぐらいの広さで生活の跡があった、

部屋にはたくさんの本があったが・・全部ドロドロに溶けていた。



その傍には・・



溶けた服を着た人間らしき骨が一体あった。



おそらくエニウェアのブレスの高熱で蒸し死んだのだろう、

部屋をよく見るとあちこち溶けていたので間違いなさそうだ、

俺達は骨に黙とうをささげ・・地上に出して埋葬した。



部屋を調べてみると・・



高熱で蒸されたらしく部屋の備品はドロドロに溶けていた、

何か無事な品はないかと皆で探していたら奥に金庫があった、

金庫は高熱に耐えたらしくほぼ原形を留めていた。



他にも探したが・・原形を留めていたのはこの金庫だけだった、

金庫の大きさは1・5m位の大きさで子供が入れそうな感じだ、

金庫には鍵がかかっていたがメディが魔法であっさり金庫を開けた。



中を見てみると・・



俺は目を疑った。



一番上には折りたたんで・・ある旗が置いてあった。



そのマークは・・



ハーケンクロイツ・・ナチスドイツのシンボルマークだ、

これにはヤマダさんもクリスティーナも驚いていた。



「驚きましたね、どうやらあの部屋にいたのは・・」



「ああ・・何かの拍子で転移したナチスドイツの関係者みたいだ」



他にも何かの設計図らしき書類の山、それとノートが複数あった、

だがどれもドイツ語で書いてあり俺を含め来ていた誰も読めなかった、

木人形にドイツ語が分かる・・ヨークタウンに2体いたので呼び寄せた。



この木人形は以前ナチスドイツの通信解析関連の専門家だったそうだ、

ドイツ語は任せろとばかりに書類とノートを次々目を通していく・・

なにか気になる文言があったらしく立ち止まっていた。



「これは・・この日記の文・・声を出して読んでもいいですか?」



「ああ頼む」



「私はここに来る前ナチスドイツの海軍・・主力艦の設計士をしていた、

だが海軍は壊滅状態にあり私の事務所も連合軍の攻撃を受けていた、

私のいた部屋に爆弾が・・閃光の後何故か私は部屋ごと転移されていた」



「私はどうやら地下にいるらしい、部屋を出たら通路があった、

そこを辿って行くと城の中に通じていた・・そこには・・

頭が蛇の魔物メデューサ夫婦が私を待っていた」



「私は驚いたが・・この夫婦は私を大切に扱ってくれた、本当に感謝だ、

私の知識が欲しいそうで呼んだらしく力を貸してほしいと頼まれた、

私はこの夫婦に呼ばれなかったらすでに死んでいただろう」



「形はどうであれ・・この夫婦は私の命の恩人なのは間違いない、

その恩に報いるため私が持つ知識と情報提供を惜しみなく伝えた、

なんでも夫婦はドラゴンの結界を破る方法を模索していたらしい」



「私はその理由を尋ねた・・その返事は娘を守るためだと教えてくれた、

先でもしドラゴンが攻めてきた時に備え・・それ以上は聞かなかった、

私は調べに調べ・・ある日結界を破れるかもしれない方法を思いついた」



「それを試す前にドラゴンが攻めてきた、夫婦は私を地下室に隠した、

だが悲鳴と共に高熱が部屋に充満してきた、私ももう駄目の様だ、

私の知識と結界を破れるかもしれない方法は金庫に入れておく」




「まだ見ぬ娘さんよ!どうかご無事で・・」




日記はここで途切れていた。



メディは涙を流し・・クリスティーナが励ましていた。



メディが落ち着いた後に木人形達が城の周辺を調べ再起可能か調べた、

その結果現状では作物が育たず土の総入れ替えをしないと無理だそうだ、

さらに港から遠く有事の際援護に時間がかかり推奨は出来ないとの返事。



メディは落ち込んでいたが・・ここでクリスティーナが提案する。




「ここをご両親を称える公園にしましょう!」




皆が頭を傾げていた、どうやら公園の意味がわからなかったようだ、

木人形が広島の平和公園を例にして詳細を説明したら皆が納得した、

メディもそれならいいと納得したようだ。



木人形とアースドラゴンのシュメールが急ぎ簡易的な公園を造った、

さらに瓦礫で建物を建設、その中にメディの両親像を飾ることにした、

メディ達は当面人間の村の隣に拠点を設けそこで生活するようだ。



それと・・



「メディさん、この金庫丸ごと我らがお預かりしたいのですが・・」



「それは構いませんが・・ただその日記と旗だけは・・」



「そうですね、こちらはお返しします」



メディは日記と旗を・・深く抱きしめていた。






























































































いつも御閲覧ありがとうございます。


日々が忙しく不定期な更新で申し訳ありません。


出来る限り頑張って面白く魅力的な小説書いていきますので



ブックマーク応援よろしくお願いします!


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