召喚か全滅か・・苦肉の決断
エリーナとクリスティーナが怒り狂う俺たちの手を引っ張る、
そのまま別室に連れ込まれた。
「気持ちはわかるけど落ち着いて!お願いだから・・」
エリーナが涙ながらに訴える。
「ごめんなさい、でもこの機会を逃すと国が崩壊します」
「なぜそこまで国を庇う?君たちも無理やり召喚されたのだろう?」
「それはそうですが・・でもこの国たちの人々は優しくしてくれました、
その人たちがガルーダに目の前で殺されたのです、悔しいんです!」
大人しいクリスティーナが我を忘れたように泣き叫んでる。
「国王の包帯姿見たでしょ?あれ妹を庇ってああなったのよ」
その時鍾乳洞が揺れた、どうやら攻撃を受けたらしい。
「民衆は洞窟の奥に!戦えるものは魔法で攻撃しろ!」
兵士たちは中級魔法で反撃しているが結界に阻まれてるようだ、
空から無数の上級魔法が降ってくるようで地響きが止まらない、
しばらくの間地響きが鳴り響く・・同時に悲鳴も多数聞こえた。
20分位したら地響きが収まった、どうやら敵は去ったらしい、
だが部屋の外に出ると鍾乳洞の中は無数のケガ人であふれていた・・
「ご無事でしたか?よかった」
彼はさっきの警備兵、右腕に大怪我を負っていて瀕死の状態だ、
その姿を見たエリーナとクリスティーナが急ぎ回復魔法をかける、
ある程度警備兵のケガを直し2人はケガ人の元に走って行った・・
俺たちは部屋に戻り考える・・
「どうする?あの状態だとここも長くはないぞ?」
「ああ全滅は時間の問題だな、戦力が違いすぎる」
「さっきの話だと祖父と祖母は・・・」
・・・
俺たちは1時間ほど苦しみながら考えた末、国王の元に向かう。
「先ほどの話ですが・・受けます!」
俺とデーヴィドは国王に気持ちを伝えた、これしか選択肢がない。
「ありがとう!ではすぐに召喚と支配魔法を混合する!皆よ準備を!」
この場所で?魔法陣の上とか??
「時間がありません」
国王が金色と銀色の原核を取り出した、大きさはリンゴ位だ、
さらにプラチナ色とでも言うのだろうか?3つを重ねた瞬間、
俺たちが堕ちた穴が空間に現れた。
国王がその穴に3つの原核を投げ入れる!
すると穴から光のロープが出て俺とデーヴィドの身体に巻き付いた、
そのロープの先はどんどん伸びて穴に吸い込まれていく。
しばらくしたら・・・
穴から野球のボールぐらいの黒球が無数に穴から飛び出してきた、
その瞬間俺とデーヴィドは意識を失いその場に倒れ込んだ。
・・・
・・・
俺は夢を見てるんだろうか?
懐かしい・・日本にいるはずの祖父が目の前に立っている、
俺は祖父を見て・・なぜかわからないが涙が止まらなかった、
ひたすら謝る俺に祖父は優しく微笑んでくれて話しかける。
「ありがとう、これで戦友たちに会えるよ」
「お祖父さん、俺はあなたを死なせてしまった、
ごめんなさい、ごめんなさい」
「気にすることはない、どちらにせよワシはもう長くない、
むしろ感謝してるよ、新たな人生を歩めるからね」
「えっ?・・どういうことですか?」
・・・
お祖父さんが静かに語り始めた。
「わしらは悔しかった、仲間を乗せた軍艦や飛行機が多数出陣してな、
だが帰ってきたのはほんの一握り、あの時は米軍を本気で憎んだよ、
将来の夢を共に語った友を大勢奪った米軍がな・・」
「じゃが・・」
「終戦となり皮肉にもわしらに仕事をくれたのは米軍だった、
わしの子供は米軍人の娘と知り合い結婚して孫のお前が生まれた、
それ以降あの戦争を振り返り日本の問題を考えこむ日々だった」
「もしあの惨事の前に戻れるなら・・」
「今度は過ちを繰り返さないと・・」
・・・
「愛する孫よ、裏側の海に向かえ!」
お祖父さんはその言葉を残し光の中に消えていった。
目を覚ました俺とデーヴィド、彼も涙で顔を濡らしていた、
どうやら彼も祖母と夢の中で話していたらしい。
「裏側の海に向かえと言われたんだが・・」
「ああ俺もだ、よくわからないが急ごう」
なぜかわからないが俺たちは鍾乳洞を抜け出し島の裏側に走った、
島の裏側には人はいないと聞いていたが俺たちは裏側に急ぐ、
山の越えた先の海に見えたのは・・
・・・
・・・
多数の軍艦が海に浮かんでいた光景だった。