強弱の逆転現象とティーラも知らない秘密
不気味な笑みを浮かべ近づく女の子・・なのか?性別があるのかな?
だが感じは女の子なのでここでは女性と判断する事にしたバルトス達、
しかし不気味な雰囲気は・・近くにいるだけで身震いするほどだ。
「ねえあなた達破壊神達の知り合い?でもいつも来る所と違うわね?」
不気味に語りかけてくる女の子、だがルア達は武者震いが止まらない、
いや返答しようとしても声が出ない、来たことのあるベルも話せないようだ、
それを見てさらにニタニタする女の子、さらに質問してきた!
「ねえあなた達もしかして敵なの?だとしたら返さないからね・・」
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
猛烈な瘴気のようなものが辺りを包む、ルア達はさらに縛られた感じがした、
どうやらこの瘴気は強い者を縛る効果があるらしくルア達は喋る事も出来ない、
バルトスとベルもこの瘴気で動けない・・だが一人動ける者がいた。
「いいえ私達は敵ではありません、貴方方と話がしたかったのです!」
それはティーラ!初級レベルの彼女にはなぜかこの瘴気は通じなかった、
そのためか彼女は前に出てその女の子と対峙、そして頭を下げ話し出す!
「お騒がせをしています、私はティーラ、ある異世界の星から来た者です、
私達は冥界と繋がりがある龍魔族さん達と知り合いこの冥界を知りました、
ですが私達はある破壊神と対立してまして冥界の力が必要となったのです」
「それは・・先程投げていた液体金属・・のことですね?」
「ええその金属があれば破壊神達と戦えると聞いてこの冥界に出向きました、
盗みのような行為をしたことは謝ります、ですが話を聞いて欲しいのです」
「あの金属は沢山あるから別に問題は無いわ、それよりも聞きたい事があるの」
「なんでしょうか?」
「あなた達からは複数の臭いを感じるの、これは一つの世界では無いわ、
もしかしてあなた達は複数の世界と繋がっているの?そう臭うけど?」
「ええその通りです、実は私も別の異世界から彼らの星にたどり着きました、
それは私だけではありません、私達はある目的のために集ったのです」
「それは・・なんですか?」
「はい、私達はこのことを「共存」と言って共に栄える為に集っています、
話が通じる相手ならば共に栄えようとある方が言い出したことが発端です、
その方はこの子達の親であると同時に私の婚約者でもあるのです」
「あなたの婚約者・・ですか?」
「ええその通りです、なので私・・いえ私達は暴漢の輩達は許せないのです、
そのためにはこの冥界の力が必要だと痛感しこの度ここに来たのです、
どうか私達と話し合いませんか?この想いをさらにお伝えしたいのです」
・・・・
冥界の女の子は黙り込む、どうやらこの言葉は頭になかったようだ、
まあ冥界は・・俺達のイメージでは愚者が集まり罰を受ける所だからな、
なので共存という言葉はある意味タブーだろう、存在が問われる言葉だ。
・・・
ティーラは表面には出さないが・・猛烈に緊張していて今にも倒れそうだ、
だがこの冥界で動け喋れる者は自分しかいないので気力を振り絞っている、
それを見た冥界の女の子が笑いながらティーラに語りかけてきた。
「ふ~ん面白いわね、興味はあるけどそれは出来ないのよ、それはね・・
この冥界は罪人を罰する所、なので貴方方がここに来たということはね・・
あなた達はもう既に罪人なのよ、だから罰を受けてもらうわ!」
!!!!!!!!
次の瞬間周りに黒い人形のような物体が出てきてルア達を囲っていた、
だがルア達は動けない、唯一動けるティーラだけが頼りの存在だ、
しかし彼女は初級レベル、戦闘となると一番頼りないのだが・・
「えいい!!!!!!!」
バシバシバシバシ~~~~~~~!!!!!!
ティーラはシヴァから預かっていた鞭を振り回し黒い人形に攻撃、
だが初級レベルのティーラの攻撃、相手には全然効かないはずだが・・
ブワアアアアアアア!!!!!!
バタバタバタバタ!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!
なんとティーラの頼りない鞭の一撃に黒い人形達はまとめて吹っ飛ばされた、
これに驚く冥界の少女、どうやらこの冥界では強さ弱さが逆転するらしい、
そうだとするとティーラはここでは・・無敵な存在なのかもしれない。
「わ・・私こんなに強かったの?」
冥界ではそのようですな・・・
「あ・・あなた只者では無いわね、もしかして天界のものなの?」
はい?????
・・・
まあ冥界があるなら天界があっても不思議ではない、しかし・・
ティーラは卿魔族の星にいたとは言え人間だと聞いているのだが?
しかし冥界の女の子はティーラを見てさらに謎めいた言葉を発する!
「お・・おかしいわね、この冥界ではどの種族も力を出せないはずよ・・」
はいい???
??????
冥界の女の子はもちろん・・バルトス達やルア達、俺も驚きを隠せない、
もし彼女の言うとおりなら初級の類いでも動けないはず、だが???
ティーラに関しては特に縛りが無いようで普通に動けている・・
・・・
もしかしてティーラは未知の種族なのかも知れない、だが・・
本人は全然その意識は無いようで・・とにかくこの場を凌ぎたい、
その一心で鞭を振るうその姿は・・どう見ても普通の人間に見える。
??????
もしかして・・ディーテはティーラが未知の種族だと知っていたかも?
実際ティーラの横にはミオやレイ、ステラや姪のバイオレットもいた、
彼女らはティーラと同じレベルの強さ、まあステラは少し上だけど・・
その中でディーテはティーラを迷わず選んでいる、ということは・・
「えいえいえい~~~~!!!!」
バシバシバシンバシ~~~~~!!!
ブワアアアアアアア!!!!!!
そんなことはお構いなく鞭を振るいルア達を助けようとするティーラ、
一見すると孤軍奮闘のように見えるが俺達から見るとド素人感満載、
だがそれでも黒の人形達が吹き飛ぶのだから不思議でしょうがなかった。
これに業を煮やした冥界の女の子が・・・
「こ・・こうなれば・・出でよ魔界の3騎士達よ!!!」
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
魔界の3騎士と呼ばれる精鋭がここに集る、絶体絶命のティーラ達、
こいつらは相当強そうだ、とてもティーラ一人で戦える相手ではない、
だが・・
???
なぜかこの3騎士もティーラを見て萎縮している、どういうことだ、
この3騎士は神級クラスに匹敵する強さのようだが・・怯んでいる、
それを見た冥界の女の子は怒りながら3騎士に命令する!
「ええい!全員突っ込んでそいつを抑えなさい!」
冥界の女の子は3騎士に命令、3騎士はティーラに襲いかかる、
そしてラグビーのように周りを囲み突っ込みティーラを抑える・・
バシィーーーーーーーーーーン!!!!!!
なんと次の瞬間3騎士は弾き飛ばされ・・
ティーラは・・・
・・・
猛烈に光り輝いていた。
そして次の瞬間・・なぜか気を失い眠りに入るティーラ、しかし・・
「弁えなさい!私は天界爵のティーラ、貴方方に話があります!」
!!!!!!!!!!!!!
今迄のティーラの・・・面影が全く無いティーラが光を纏い現れた、
それを見た冥界の女の子と3騎士は怯みその場で片足をついている、
そして謎のティーラが彼女達に向かって言葉を発する!
「冥界の守護神と3騎士に命じます!冥界神の所に案内しなさい、
それと私の連れを今すぐ解放しなさい、この者達も連れていきます、
そして冥界神に伝えなさい、ティーラがあなたに話があると・・」
「わ・・わかりました!!!!」
シュウウウウウウウウウウウウウ・・
ルア達に纏っていた瘴気は見る見るうちに消えルア達は自由となった、
そして3騎士は急ぎこの場を去った、冥界神に報告に向かったらしい、
そして冥界の女の子は・・
・・・
ティーラを見て・・・
ガタガタ震えていた。