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神必殺技の展開と不器用な男の切ない恋




ベルと対峙するサユミ、そのベルは不敵な笑みを浮かべている、

だがサユミは疑問を浮かべていた、確かに今のベルは相当な強さだ、

しかし神級クラスに到達した自分とは相手になるレベルでは無い。




さらに・・・




・・・



砕かれたデーヴィドのクラウディアドールはバインダーを装着していない、

なのでクラウディアドールはベルを敵と認識せずに押さえつけるだけに動いた、

だがベルの予想以上の力に潰され破壊されたようだ。




ちなみにクラウディアドールは難民救済を前提としてプログラムされている、

そのため操られている場合はバインダーを展開せずに救助を最優先する、

聖級クラスのクラウディアドールなら大概の相手は抑えられるからだ。




このことからサユミは目の前のベルは操られていると確信していた、

だが聖級レベルのクラウディアドールを破壊した事を考えると・・

ベルを操っている者は・・破壊神か創造神しか思い浮かばなかった。




・・・




これはまずい・・ベルを蹴散らすのは容易いがその後ろの神々が厄介だ、

既にベルは瀕死に近い状態、だがゾンビのように無理矢理操られている、

一体どうすれば・・一瞬の隙を狙ってベルが攻撃してきた!




「フハハハハハハーーーー死ね~~!!!」




ベルは蛇のような剣を取り出しサユミに襲いかかってきた、そして!!




「死ね~~爆裂呪文エクスブローション!!!」




剣と魔法を絡めた攻撃を仕掛けるベル、サユミは聖刀信濃で受け止める、

次の瞬間爆裂呪文が炸裂!サユミの目の前で大爆発を起こす!!!




ズガガガガガーーーーンン!!!!!!!!!




「フハハハハハハーーーー死ね死ね死ね~~~~~~!!!」




ドォンドォンドオンーーーーーー!!!!!




猛烈な爆風が辺りを襲う、ベルはすかさず火炎魔法を続けて乱射、

だがただの火炎魔法では無い、まるでミミズの化け物のような魔物、

これらが火炎と同時にサユミを喰おうと襲いかかってきた!




「これで終わりだ!ファイヤーヒドラ!!!」




ゴオオオオオオオオオオーーーーーーー!!!!




ドッグヮーーーーーーーーンン!!!!!!!!




爆裂魔法と火炎魔法が絡み合い猛烈な爆発、煙が辺りを覆い尽くす!!!




「フハハハハハハーーーー~~たわいの無い相手だわ!!!」




勝ち誇るベル、だが煙の中から・・




!!!!!!!




「な・・無傷だと???」




「たいしたことありませんね、あなたの全力はこの程度ですか?」




煙の中から出てきたサユミ、螺旋状の氷の盾を展開して身を守っている、

そして聖刀信濃を構える、長引くとベルの身が持たないと判断したのだろう、

なので一撃必殺!信濃の動力を圧力に変えるあの技で仕留める気だ!!




「ハアアアアアアアアアアア!!!!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・




「行きますよ!究極破壊斬アルティメットバスタースラッシュ!!!」




だが妙だ、信濃の動力は大和・武蔵・紀伊・モンタナと同等レベルだ、

それを細身のベルがまともに食らうと瞬く間に消滅してしまうだろう、

それはサユミもわかっているはず・・サユミは迷い無くこの技を放つ!




ハアアアアアアアアアアア!!!!!




バシィーーーーーーーーーーン!!!!!!




ベルは持っていた剣でサユミの究極破壊斬を受け止めた、だが・・

究極破壊斬はベルの剣など瞬時にへし折るだろう、それが無いということは・・




「神必殺技!グランドクロスアルティメットバスタースラッシュ!!!」




バシィーーーーーーーーーーン!!!!!!




ギャアアアアアアアアアア???????




長い名前の必殺技だが・・ベルは信濃の圧力を十字状態で受け止めている、

これは前後左右から圧力を受け相手の身体全体に圧力をかける技のようだ、

さらにこの技は圧力調整も出来るらしい、なのでベルはもがき苦しんでいた!




ちなみに新必殺技では無く神必殺技と言ったのには理由がある、それはこの技、

膨大な信濃の動力を圧力に変えるのだが・・神以外には到底扱えない強大な力、

神級クラスの自分だから扱えるのだと自画自賛の意味もあるそうだ。




グワアアアアアア!!!!




サユミはベルの身体に仕組まれているであろう創造神達の呪いを・・

この圧力ではじき出そうとして攻撃、ベルはただただ悶え苦しんでいる、

次の瞬間創造神が仕組んだ妖魔の目玉が危険と考えベルの身体から出た!




ギュウウウウウウウウ~~~ン!!!!!




妖魔の目玉が逃げようと空間魔法を展開、だがその前にサユミが攻撃する!




「逃がさない!天翔撃烈斬!!!」





!!!!!!!!!




ズガガガガガーーーーンン!!!!!




ギャアアアアアア!!!!




即座にサユミが放った天翔撃烈斬が目玉に直撃、目玉は跡形も無く砕け散った、

そしてベルが正気に戻る、操られていたとはいえ経緯はわかっているようだ、

なので瀕死の状態でもサユミを敵と捉え震えながら持っている剣を構える。




・・・




だがベルはもうクラクラだ、多分目隠ししてもサユミが余裕で勝つだろう、

それはサユミも理解しているようでベルに向かって停戦を訴える!




「もうおやめなさい、あなたでは私には勝てません!」




とサユミは聖刀信濃・・では無く鉄の槍を取り出しベルに向け威嚇する、

武器を持ち替えたのは距離を置きベルの反撃に備えてのこと、というのも・・

聖刀信濃だと威力がありすぎるのでこの鉄の槍に持ち替えた。




まあサユミなら鉄の槍でも余裕でベルに勝てるのだが・・




「う・・うう・・・」




追い詰められたベル、だが降参する気は無いらしい、なので・・

玉砕覚悟で剣を構えサユミに襲いかかる・・




キィーーーン!!




ベルの剣はあっさりサユミに弾かれた、そしてサユミは槍をベルに向ける、

まあ威嚇だけなのは見え見えなのだが・・そうとは思わない男が一人いた!!!




「や・・やめろ~~ベルに手を出すな~~~~~!!」




グササ・・・・




・・・




「(サユミ)えっ?ええ・・ど・・どうして・・?」




「(ベル)ば・・バルトス様・・?」




瀕死だったバルトスが転移魔法でベルの傍に駆け寄り・・



・・・



自ら鉄の槍を自分の身体で受け止めていた。




「(バルトス)に・・逃げろベル、お前ではこいつに勝てない・・」




「(ベル)・・ば・・バルトス様・・ど・・どうして私を・・?」




バルトスは自らを盾としてベルを守ろうとした・・だが少し様子がおかしい、

サユミは鉄の槍をベルに向けてはいたが威嚇だけで攻撃する意図は無かった、

だがバルトスはまるで自分から槍に刺さるように突っ込んできたからだ。




そこへデーヴィドが飛んで来た、彼の応急処置のおかげでバルトスは助かった、

だが気がついた瞬間転移魔法で移動し自ら突っ込んだ、そして槍を放すサユミ、

バルトスは鉄の槍を持ちながら・・血を吐きながらも気力を絞り語り出した。




「お・・俺達は誇り高き龍魔族、敵の施しは受けない、だが礼は言わせて貰う、

まずは敵の俺を治療してくれたこと、そしてベルの呪いを解除してくれた事だ、

この2つに関しては素直に感謝したい・・・」




!!!!!!




次の瞬間バルトスは地上に落下しその場に倒れ込んだ、急ぎ近寄るベル、

サユミとデーヴィドも駆け寄って治療しようとするが・・




ブゥウウウウウウウウウウンン・・・・・・




バルトスの傍についたベルが結界を展開してサユミとデーヴィドは距離を置く、

この程度の結界なら容易く吹き飛ばせるが・・2人ともそれはできなかった、

というのも・・もうバルトスは力尽きる寸前、邪魔する気にはならなかった。




そしてベルがバルトスに・・泣きながら語りかける・・




「ば・・バルトスさまどうして私を・・」




「に・・逃げろベル、お前だけでも生き延びて龍魔族の血を絶やすな、

もう俺は助からない・・俺を捨てて逃げ延びてくれ・・」




「そ・・それは出来ません、私は庶民、生きるべきは王のあなたです!」




「お・・俺はお前だけはなんとしても助けたい・・頼む・・逃げてくれ、

俺は王の座は弟に譲る気だった、だがその弟達は全員殺されてしまった、

だからせめてお前だけは生き延びて欲しい・・」




「い・・嫌です!私もお供します!」




「た・・頼む・・惚れた女が殺されるのだけは嫌なんだ・・」




・・・




バルトスはサユミとデーヴィドに顔を向けて・・そのまま息絶えた、

その死に顔は・・ベルだけは見逃してくれとばかりの懇願した顔だった、

その横でバルトスの亡骸に抱きつくベル、涙を流しながら語り出す。




「う・・嬉しいです、私もあなたのことをお慕いしていました・・・、

でもその命には従えません、私はいつまでもあなたについて行きたいのです、

それにお一人では寂しいでしょう・・私も今すぐ傍に行きますから・・」




グサ・・・




ベルは持っていた剣を喉に突き刺し・・静かに息を引き取った。




それを見ていたデーヴィドとサユミは・・




・・・




ただ涙を流すことしか出来なかった。








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