広大なプロジェクトと虎たちの異世界への移動
リィブラ達は何度か往復してこの穴が異世界に通じてるのか確かめた、
その方法とは・・穴の近くに発信器を置き一度戻りダークと合流する、
そして異空間にある穴を調べ発信器の電波を検索するというものだ。
穴が多いのとダークが日に3時間しか異空間に行けないのでちと難航、
3日ほど要したが穴を発見!試しに人形やケーブルなどを通していく、
そしてまた山脈に戻り人形とケーブルを確認したので確定となった。
尚複数の人間が行き交うと疑われるのでリィブラ達が手間でも往復した、
現地の住民も暇見ては視察に来たので顔見知りの方がいいと判断したからだ、
勿論変装ではあるが同一人物が調査してるので住民も安堵していた。
ちなみに俺とデーヴィドは穴に飛び込んだタイミングと召喚魔法がほぼ同時、
なので俺とデーヴィドはそれに引き寄せられたのでルーム国に飛ばされた、
そのため桜咲さん(421話)のように異空間に彷徨うことがなかったので・・
・・・
自分達ももしかしたら・・・
異空間で彷徨っていたかもしれない・・
・・・
極度に寒気がした俺とデーヴィドは・・
召喚魔法で引き寄せてくれたルーム国の国王達に深く感謝するのだった!
これは一旦さておき・・
異世界の穴を見つけたルア達は一度山を下り詳細をシルビアに報告、
シルビアはそれを聞き急いで工場建設に向けての準備を始めていく、
どうやら食品関連と電子部品(LSI等)等の工場と街を造るらしい。
その理由は・・・
土地が広大にあるのと地下水脈があるので水源は確保できること、
怪しまれないようにするため現地の住民を大量に雇う必要があること、
さらに周辺道路の整備をするには工場だけでは規模が小さいからだ。
というのも・・
この辺は日本で言う過疎地にあたるらしく道路が狭く老朽化している、
これでは大型トラックが通れないので道路を整備拡張する必要がある、
さらにガソリンスタンドや鉄道等も無いのでその辺の整備も必要だ。
だが・・
規模が小さい工場に過剰な公共投資をすると逆に怪しまれてしまう、
何かあるのではないかと疑われるので・・あえて大規模にするそうだ、
さらに今回は市長が税収増のビッグチャンスと考え援助を約束している。
というのも・・・
この地域は神隠しや行方不明者が出るなど縁起の悪い地域と見られている、
そのため転出者が多いので市長も頭を悩ませて何か打開策を模索していた、
そんな矢先に来たシルビアの案は渡りに船とばかりに考え大賛同したのだ。
それならばとシルビアはいっそ街もまとめて造ろうと考えたようだ、
具体的には山脈麓を半分囲む感じとなり山脈に関しては国立公園扱い、
表面上は収益を雇用と環境保護に使うと公言、一部は見学も可能だ。
・・・
広大なプロジェクトになりそうだな・・
ちなみに虎たちに関しては俺達の異世界に連れていくことになった、
シャインフェルリンの女の子が身体を小さくする魔法が使えたからだ、
この魔法は10分限定だが生き物の身体を50センチまで縮小出来る。
だが・・
10分ではセントラルパークまで持たないので大型トラックで移動、
一旦マンションに入れて・・巨大過ぎるので思いっきり目立ってしまう、
それと近隣住民が疑っているのでこっちからの移動は断念となった。
なので・・
俺とデーヴィドが通った穴を使う、だがすぐには移動はしなかった、
それはこの地の調査のため、長期間住んでいた虎達が各地を案内した、
かなり広い山脈なので詳細を知る虎達の案内は欠かせなかったからだ。
調査が済んだ後・・
虎たちは俺が通った穴を通り異世界に移動して西の大陸に案内された、
ここではサーベルタイガーがいるので生態系が近いと思ったからだ、
これからは人目を気にすること無く奥地で気兼ねなく過ごせる・・
・・・
「お・・お願いです!我らもサーベルタイガー達と同じ扱いに!!!!」
・・・
なぜか虎たちはサーベルタイガーの・・俺達との共同生活を希望してきた、
具体的には列車や軍艦の搭乗許可と労働での給料供給や住処の提供等々、
サーベルタイガーの垣根のない気ままな生活が羨ましいそうで・・
4頭揃って頭を下げて懇願してきた。
・・・
君達野生猛獣じゃなかったの?
俺のこと襲おうとしたよね??
こうツッコミを入れる俺に虎たちは猛烈に反発してきた!!!!
「コウさん何言ってるのですか!!!!私達はあなたを襲っていません!
大体あなた達が勝手に来て勝手に穴に落ちたんだから完全に自業自得ですよ、
それにあなたは私達が話す前に穴に逃げたのだから私達に非はありません!」
・・・
はい・・その通りです!
・・・
このやりとりを聞いたエリーナ達は呆れながら虎達の要望に応えた、
具体的にはサーベルタイガーと同じで列車や軍艦などの警備を請け負う、
ただ身体が大きいこともあり軍艦に関しては戦艦や空母に限定している。
勤務時間もサーベルタイガーとほぼ同じ、ただ夜勤がメインとなっている、
理由は夜行性のため、昼間は寝てる事が多いので夜に仕事がしたいらしい、
ただ時々日勤も行う、理由は小学校等が来て欲しいと要望があるからだ。
それは・・
「うわ~~~大きいな~~~」
「わあ~~もふもふしてる~~!」
「ゴワアアアア!!!!(訳)あはは・・くすぐったいぞ!!!!」
子供達が地球・・なのかな?の虎は珍しいのもあり会いたいと懇願する、
虎たちも満更ではないのでその要望に応え小学校等に出向き交流している、
4頭とも子供が大好きらしく・・むしろ喜んで出向いていた。
ちなみにこの異世界では水族館はあるが動物園等の関連はほとんどない、
理由は意思疎通出来るからが大きい、例えは白の大陸にいる羊の魔物、
スイカが大好きなこともあり普通に俺達のスーパーで買い物している。
他にも直接は無理でも間接的な意思疎通が出来る、例えるならゴブリン、
俺達は無理でもゴブリンを経由すればその地域に住む魔物達にも会える、
そこで不満や愚痴などを教えてもらい改善してるから問題はほとんどない。
危険な種族も多いが・・それらは俺達を恐れ逃げるので衝突も少ない、
さらに人工衛星でその地域を観察できるからある程度の把握は出来る、
そういう理由から陸上の生物は観察のために檻で飼育する必要が無かった。
ただ水族館は各地にある、理由は主に食べられる魚の種類を把握する事、
あとクラーケン等の友好種族もいるにはいるが陸上に比べ圧倒的に少ない、
さらに軍艦に攻撃してくる魔物が多いので生態系を細かく調査している。
ほとんどの種族は成人になると軍艦に乗りそこで勤務をこなすことも多い、
その際この生物はこういう攻撃をしてくるとか把握してないと危険なのだ、
万一海に落ちた時にも備えて脱出方法なども習い厳しい訓練を受けている。
さらにこの異世界は海が地球よりも広大なので移動は軍艦がメインとなる、
軍艦でないと魔物達を蹴散らせないので幼少期から教育は徹底されている、
そのため各地に水族館があり各種族は暇見ては伺い最新版を確認している。
これは一旦さておき・・
虎たちの移転先も決まりシルビアは部下に命じて工場と街を建設開始、
だがライアン達は派遣しないので建設が済むのは3年後になる予定、
まあ近隣の道路やインフラ等も同時進行するのでこれでも速いらしい。
だがこれで工事車両に紛れ込めるので怪しまれずに異世界の往来が出来る、
そのためセントラルパークの穴は一旦閉鎖してこっちの穴から貿易開始、
尚セントラルパークの穴の管理は怠らない、見つかると厄介だからな。
今度の穴は2m位あるのでかなりの荷物の往来が可能となった、
具体的には金銀などの宝石類や加工品、他にも衣類関連等々、
怪しまれないように地球にある製品を異世界で加工するのだが・・
・・・
格安品では無く高級品に限定、理由は出来るだけ見せたくないから、
大量生産大量消費は環境負担が激しいためこの異世界では行わない、
その代わり熟練の職人達が精魂込めて作るので品質は折り紙付きだ。
そのため金額も半端ない、それを買う金持ちもシルビアが厳選した人物、
自画自賛や見栄ばかり求める輩は財産があっても取引はしないそうだ、
そういうのは周りにベラベラ喋るから危険なので一切商品は卸さない。
あと新たに造る街や工場は一部を除き地球で生産している商品とほぼ同じ、
街も普通の街と変わらない、ただ山頂に行く秘密路は選ばれた者に限る、
それらも俺達異世界人が管理するので地球人は全く気づかなかった。
こうして・・・
シルビアの組織は異世界との貿易をさらに加速して・・
・・・
莫大な財産を手に入れていた。




